シリコンバレーやアジアからの参加からも! Onlabは世界の起業家とともに未来を創る

2017年春、第14期のプログラムを終えたOpen Network Lab(以下、Onlab)。世界で活躍するスタートアップの育成を目的とした、アクセラレータープログラムを運営しています。日本だけでなく海外からの応募も年々増加。今回はアメリカから参加した、2組の先進的なスタートアップをご紹介します。
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世界中の数多くあるアクセラレーターからOnlabを選んだワケ

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▲SENSOのTiffanyさん・Johnさんと、インベストメント・マネージャーの宮武

これまでOnlabが輩出したスタートアップ企業は、国内外あわせて80社以上(2017年6月現在)。彼らとOnlabの出会いの形は、さまざまです。

ユニークな出会いをしたひとつが、13期生のTiffany・PangさんとJohn・Cadengoさん。サンフランシスコに住むふたりは、Onlabのシードアクセラレータープログラム中にSENSOを立ち上げました。

SENSOは、感情認識と感情分析を行うソフトウェア。特別な機器を取り付ける必要がなく、Webカメラを利用して、ひとの微細な表情を読み取り、感情分析を行います。オーディエンスやユーザーがどのような感情でそのコンテンツを視聴しているのかを深掘りし可視化することができます。

Onlabとふたりを引き合わせたのは、サンフランシスコのマーケットストリート沿いにある『DG717』でした。『DG717』はOnlabを運営するDGインキュベーションの親会社、Digital Garageのインキュベーション施設です。

ふたりは、たまたま散歩中に見つけたこの『DG717』に興味をもち、調べたところ、東京でシードアクセラレータプログラムを運営しているOnlabの存在を知ることに。もともと起業を計画していたふたりは、日本に旅行した際にさっそくOnlabに問い合わせます。そのとき実際に会って対応したのが、インベストメント・マネージャーの宮武徹郎でした。

Tiffanyさん 「Onlabは各期の採用チーム数が少なく、かなりのリソースをかけてフィードバックやアドバイスを行っているという印象。スタッフが全面的にバックアップしているのがわかりました。それに宮武さんが提供してくれるアドバイスやスタートアップ関連の話も非常に勉強になりましたね」

実はふたりは、この旅行中にアジアやカナダも訪れ、各国のアクセラレーターに会って感触を確かめていました。もちろん、比較もしていたそうです。
 

Johnさん 「その中でもOnlabがいちばんでした。アメリカにはYコンビネーターや500 Startupsという有名なアクセラレータープログラムもあります。でも、最初のアイデアの部分からいっしょにつくっていこうという姿勢をもっているのは、Onlab以外になかったんです」
Tiffanyさん「それに、プログラム卒業後も企業の紹介やフィードバックをしてくれるのがOnlabの特徴です。これもとてもよかったですね」

そして、ふたりがOnlabのプログラムに参加しようと決断した共通の想いは……。

Tiffanyさん・Johnさん「宮武さんといっしょに仕事をしたかった。他のアクセラレーターよりも“いっしょにやろう!”という熱い想いがストレートに伝わってきたんです!」

100本ノックならぬ100回ピッチで、投資家たちの心を掴む!

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▲ピッチを披露するTiffanyさん、13期デモデーにて

SENSOはOnlabに応募する前、現在の原型となるプロダクトを開発していました。顔認識を行う管理システムで、ホームレス問題を抱えるサンフランシスコの警察向けに提供するものでした。

この問題の解決は、社会的にも必要性は感じられている一方で、政府とのプロダクト導入に関するやりとりは、一つひとつ非常に時間がかかります。

Tiffanyさん 「私たちが最初に狙うべきはここではないかなと、プログラム期間中に事業をピポットしてメディア向けのプロダクトに方向性を変えたんです」

その方向転換は“当たり”でした。2017年6月現在、アメリカのエンターテイメントや映画業界からSENSOはひっぱりだこ。ある広告代理店からは「データ分析から一緒にやらないか」と声もかかっています。

こうしたアメリカでのビジネス展開に、Onlabのプログラムでもっとも役立ったのは、実は、ピッチ(プレゼンテーション)のやり方でした。

Tiffanyさん 「1泊2日の鎌倉でのピッチ合宿では、施設のそばの海岸で、海に向かって叫びながらプレゼンテーションの練習をしたり、一晩中、資料の構成を修正したり、それは大変でしたね(笑)。どのようにメッセージを伝えるかが非常に勉強になりました。先日も投資家の前でピッチを行ったんですが、Onlabで学んだことが役立っていると実感しています」
Johnさん 「100回以上、ピッチの練習をしよう!といわれるんですが、そんな発想がなかったので、これは効果がありましたね」

現在のSENSOは引き合いが多すぎて、「対応しきれない状況」とJohnさんが表現するほど。次のステージでは、アジアや日本の市場展開を想定していますが、まだまだアメリカ市場での大きな拡がりが待ち受けているようです。

続いてもう1社、アメリカからの参加で2017年4月に卒業イベントのデモデーを終えたPSYGIGをご紹介します。

よいアドバイスをくれる日本の起業家たち、それはOnlab卒業生だった

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▲アドバイスを受けるPSYGIGのチームメンバーたち

シリコンバレーからOnlab第14期に参加したのは、PSYGIGのGary・Loさん。PSYGIGのプロダクトは、自動車やドローンなどモビリティIoTの管理・診断・解析ができるプラットフォームです。

たとえば、自動車などのモビリティには、安全に開発できるよう膨大な量のデータを管理するセンサーが設置されています。ただし、メーカーごとに機種もさまざま。センサーに対応する専用機種でないとデータを処理できないという課題がありました。

その課題を解決するのが、PSYGIGのプロダクト。どんな機種にでも対応し、データ処理ができる万能なソフトウェアです。スタートアップのメッカともいえるシリコンバレーに住んでいたGaryさんが、そのプロダクトのアイデアを最初に思いついたのは、2015年頃のこと。

しかし、なぜ日本で展開しようと考えたのでしょうか。きっかけは、2016年9月にサンフランシスコで開催された「Tech Crunch Disrupt」というイベントでした。

Garyさん 「シリコンバレーのスタートアップはインターネット関連の企業ばかり。Tech Crunch Disruptにも参加しましたが、モビリティやロボティクスのスタートアップはサンフランシスコには全然ないとわかりました。でも、そのイベントで、SoftBankのペッパーくんを見て、日本の市場ならマッチするかもしれないと思ったんです」

また、サンフランシスコのスタートアップは、意外にグローバル感がないともGaryさんはいいます。経営者たちはアメリカ市場を捉えることに集中し、海外展開という意識はあまりないのです。

Garyさんは、日本での市場展開の可能性を感じつつも、次々とサンフランシスコのスタートアップイベントに顔を出しました。実は、そこでOnlabを知ることになります。

Garyさん 「イベントで出会った日本の起業家たちから、よいアドバイスをたくさんもらいました。そうして知り合った方たちの共通点が、“Onlabの卒業生”だったんです。俄然、Onlabというアクセラレータープログラムに興味が湧きましたね」

その後、Onlab以外にも日本のアクセラレータープログラムを検索しますが、他プログラムは創業者が2名必要など条件のしばりがありました。Garyさんは、当時ひとりからでもスタートできるOnlabを選び、いよいよ本格的なビジネス化にむけて準備をはじめます。

まったく知らない日本での起業、それを支えたOnlabのサポート

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▲インベストメント・マネージャーの津田とGaryさん

いろんなスタートアップの経営者や投資家に会える機会がたくさんある——。これが、Onlabのなによりの魅力だとGaryさんは感じています。

Garyさん 「日本では、どのようにビジネスを進めていくか。さらに外国人が起業した場合、どのように日本のマーケットに入っていくか。非常に学ぶことが多かったです。Onlabのスタッフだけでなく、起業家や投資家たちから有意義な意見をたくさんもらいました。自分たちのビジョンに合うのは、どの意見だろうかと絞ることが難しいほど(笑)」

海外には日本でビジネス展開をしたい起業家は多い。でも、その指南役がおらず二の足を踏んでいるケースも同様に多いとGaryさんはみています。

PSYGIGが日本で登記したのは、Onlabのプログラム期間中の2017年2月。登記の実務手続きでは、インベストメント・マネージャーの津田祐実がサポートをしました。日本で外国人が登記する場合、その手続は非常に厳しいのが現実です。

Garyさん 「法律面でのチェックや行政書士など専門の紹介も含め、津田さんのサポートでスムーズに登記の手続きが進みました。彼女は、ほかにも日本の企業とのアポイントだったり、資料チェックだったり、ユーザーヒアリングへの同行だったり、まるでコンサルアドバイザーのような存在。夜遅くでも、ふつうにメッセージを返してくれます」

こうしたOnlabスタッフの親身なサポートは、前述のSENSOのふたりが魅力を感じた、各期の採用チーム数が他社プログラムに比べて少ないこととやはり関係があります。

せっかくOnlabと出会い、参加してくれた方々には、確実に世界へ羽ばたいていけるようにサポートしたい、いっしょに創りあげていきたいーー。

この熱い想いは、Onlabにかかわるスタッフ全員が感じていること。ひとりでも多くの未来をつくる起業家たちと出会い、いっしょに未来の社会へ貢献していきたいと願っています。

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