入社後8ヶ月でまさかの降格……悔しさをバネに再浮上した、“4人目”の苦悩と哀愁

きっと誰しもが、「何もかもうまくいかない時期」を経験したことがあるでしょう。人知れず、ひたすら低空飛行し続けるような毎日。いつか絶対に再浮上するーーそう、歯を食いしばりながら。PR Tableには、そうした地道な努力の末にようやく上昇気流への糸口を掴んだひとりの男性メンバーがいます。その名は佐藤隆昭。彼と創業メンバーとの戦いの記録をご覧ください。
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「逃げ場なんてどこにもなかった」降格を告げられた夜

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▲PR Tableの“4人目の社員”、佐藤隆昭。入社直後から、シビアな現実と向き合うことになった

「マーケティング責任者という役割は撤廃する。だから当面はセールスだけに注力してほしい」ーー2017年2月のとある夜。渋谷の居酒屋で経営陣から告げられたのは、事実上の降格宣告でした。

胸の奥底から、わき上がる苦い気持ち。経営陣に対する恨めしさが半分。自分の力が及ばなかった悔しさが、もう半分。 

でも、逃げ道はありませんでした 。残されていたのは、どうにかして前へと進む道だけ。

「まあ、かなりしんどかったですよね」と当時を振り返る、PR Tableの佐藤隆昭(さとう・たかあき)。彼は創業者3人に続く“4人目の社員”として、2016年6月に入社したメンバーです。

当社がSaaS事業の原型となる「企業・団体の“ちょっといい話”を伝えるストーリーテリング®︎サービス」をスタートし、ちょうど8ヶ月がすぎた頃のことでした。

すでに10年ほどのキャリアを重ねていた佐藤。入社時には自ら「マーケティング責任者」として、事業の成長にコミットすることを望みました。しかし……。

佐藤 「入社してから半年以上、思うような成果が出せなくて。このままでは本当にヤバイ。それなのに、次の一手を考えあぐねているような状態でした。目の前の状況をどうクリアしていけばいいのか、まったく先が見えなくなっていましたね」

そんな佐藤の姿に、本人はもちろんのこと、代表の大堀航(以下、航)をはじめとするメンバーの危機感や焦燥感も、日に日に大きくなっていました。

そこで経営陣3人が下した苦渋の決断が、佐藤をマーケティング責任者から外すことだったのです。

航 「降格し、それでも抜け出す糸口が見つからないようなら、辞めてもらうしかないかもしれない。正直なところ、そこまで覚悟していました」

飲み友達から社員へ。マーケターとして、未来のキャリアを見据えていた

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▲渋谷オフィス(2015年10月〜2016年11月)時代の佐藤(右)と、取締役の菅原(左)。佐藤は“4人目の社員”としてPR Tableへの参画を決めた

もともと、PR Tableの創業メンバーらとは飲み友達だった佐藤。ゆるいつながりが、思いがけず仕事へと発展します。2016年3月のことでした。

佐藤 「前職の事業会社が組織縮小することになって。それが判明した日の夜に、たまたま航くんと飲む約束をしていたんですよね。気持ちの整理がついてなかったから、話を聞いてもらったことを覚えています」

そんな佐藤に、航は「だったらうちで働けば?」とひとこと。

佐藤 「飲みの席の話だったから、後日『あれは本気だったの?』と確認しましたけどね。そうしたら、『オレはウソはつかない!』って(笑)」

実のところ当時のPR Tableは、ちょっとしたターニングポイントを迎えていました。創業メンバーである航と弟の大堀海、そして菅原弘暁の3人は、会社の"これから"について互いに意思を確認しあっていたのです。

菅原 「3人でPRの代理店業をやってくなら、そこそこ食べていける。でもそれじゃあ、なんのためにわざわざPR会社を辞めて起業したのかーー。もっと本気で事業を大きくさせていきたいよねって、3人で再確認し合っていた時期だったんです。だから逃げ道はなくそうぜって」

それこそが、採用フェーズではなかったにも関わらず、“4人目の社員”の採用を決めた理由でした。

一方の佐藤も、自身のキャリアの次のステージとして、PR Tableの環境に魅力を感じるようになります。

佐藤 「マーケターとして、“エンジニアとセールスがやるべきこと以外すべて”にフルで携われるようになりたかったんです。いずれは、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)のようなポジションを目指したかった。それを最短で叶えるためには、少人数のスタートアップがベストだと考えていました」

こうして2016年6月、佐藤はPR Tableのマーケティング責任者となりました。しかしその先に待っていたのはCMOとしての華麗なキャリアではなく、とても険しいイバラの道だったのです。

成果を出せなかったのは、「自分はすべてできる」と勘違いしていたから

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▲2016年12月、六本木の現オフィスに移ってきたばかりのころ。佐藤にとっては、いちばん苦しかった時期

佐藤はPR Tableに参画する以前、Webマーケティングの会社で経験を積んだ後に事業会社へ移り、マーケターとして実績を上げていました。だからこそ自身のスキルには自信をもっていたのですが……。

佐藤 「入社してはじめの1ヶ月はよかったんです。サービスの価格や売り方を見直して、事業計画を立て直す必要がありましたから。ただ、問題はそこから先でした」

佐藤は当初、事業の構築からサービスの設計、プラットフォームの集客、マーケティングまで、事業全体の成長をカバーするつもりでいました。それが自分の役割でもあり、できることでもある、と。

しかしすべてをフォローしようとするあまり、結果的に何ひとつ形にならずに中途半端になってしまう。佐藤はいつしか、そんな負のスパイラルに陥っていったのです。

航 「当時はサービス自体も手探り状態だったので、決して佐藤だけの責任ではなかったんです。ただ彼はそこで、どうにも頭でっかちになりすぎてしまった。そんな印象でした」

計画をあれこれと立てるものの、一つひとつの施策を最後までやりきれず、成果にもつながらない。なかなか抜け道は見えず、何度も「退職」の2文字が頭をよぎりました。

佐藤 「正直、会社に来るだけでも辛かったですね。メンバーの構成上どうしても、経営陣3人と僕ひとり、という構図になる状況も避けられなかったですし……。
でも、そもそもみんな友人で、横のつながりもたくさんあるわけですよ。もしここで中途半端に逃げ出してしまったら、この先どこへ行っても浮上できなくなるのが目に見えていました。自分で選んだからには、どうにかして結果を出すまで辞められないと思いましたね」

そのころPR Tableのサービスが抱えていた最大の課題は、どんなにリードを集めてもすぐに受注につながるケースが少なかったこと。

降格した後、佐藤は大堀海とともに施策をイチから見直し、このセールスのリードタイムを短縮することに“一極集中”すると決めます。

緊急度の高い広報課題を持つお客様にアプローチするため、Webマーケティングを駆使してリードの質を変え、お問い合わせに対するインサイドセールスでは、自ら熱くサービスの説明をする。アポが取れ次第、これまた自ら商談に出向いていくーーとにかく、その繰り返し。

どん底の中で、佐藤はひたすら試行錯誤を続けていったのです。

過去の自分に言いたい。「成果を出すまで、ポジションなんて求めるな!」

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▲苦しい日々を共にしてきた、経営陣3人と佐藤。どんなヒドイ仕打ちにあっても、決してクサらずに地道な努力を重ねてきたからこそ、いまの組織と信頼関係がかたちづくられた

2017年、春。死にものぐるいでサービスの課題と向き合った佐藤は、悪戦苦闘の末、ついに事業拡大に向けた“勝ちパターン”を見出していました。

大堀海 「はたから見てても、佐藤が明らかにそれまでの混迷状態から抜け出したのを感じましたよね。成果を上げるために必要な施策一つひとつに、ビシッと集中していたというか」

少しずつ、着実に重ねられていく成果。なにより大きく変わったのは、彼自身のマインドでした。

佐藤 「あれもこれも、すべてはできない。そんな自分を受け入れることにしたんです。そのときの会社のフェーズに応じて、事業を拡大するために必要な仕事にフォーカスする。マーケティングは、その手段のひとつでしかなかったんですよね。
ほんと、まっさらな状態からマーケティング責任者なんていう立場を求めた、過去の自分が恥ずかしいです」

その後も、佐藤は事業成長の中核を担いつつ、大堀兄弟と菅原からの理不尽な仕打ちを受け続けます。

それでも、降格宣告を受けたときの苦しさに比べればへっちゃらです。かつて反発を感じていた経営陣に対しても、以前とは少し違った思いを抱いています。

佐藤 「いやいや、腹立つことばかりだし、文句はたくさんありますよ。むしろ日々増えてるし、いつか復讐してやろうと思ってます(笑)。

でも、会社として真っ当であろうとする姿勢は尊敬しますよね。協力してくれる方に対してはしっかり報酬をお支払いして、お客さんや社会に価値を還元していくっていうか。本人たちは、『うちはPublic Relationsの会社なんだから当たり前だろ、馬鹿野郎!』といっているわけですが」

振り返ってみれば入社からずっと、彼は自分自身と格闘しながらも、PR Tableという会社と事業の成長を誰より近くで見てきました。

あのどん底の日々をかみしめて、佐藤はさらに事業を伸ばすべく、次なる"理不尽な仕打ち"に立ち向かおうとしています。

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