類い稀な名刺データベースが優れた研究者を惹きつける

SansanのDSOCという研究開発部門には、世界中のデータサイエンティストが参加するプラットフォーム「Kaggle」で「Grandmaster」という最上位の称号を所持するふたりの研究員が所属しています。彼らがいま対峙しているのは、世界に類を見ない名刺データベースとその活用の先にある新しい世界でした。
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「自らをも変えたい」。能動的に働ける新しい環境へ

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▲DSOC研究員・高際睦起

DSOC(ディーソック)の正式名称は「Data Strategy & Operation Center」。Sansanが提供するサービスの価値、そして事業成長を支える根幹を担う名刺データ化の専門部門は、近年では世界に類を見ない名刺データベースと高度な専門技術やシステム運用の知見を有する組織に成長し、2016年11月にその部門名をDSOCと改めました。

DSOCとなったことで、創業以来10年以上、サービスを支えている名刺のデータ化に加え、構築された正確なデータベースの活用など、より広い視野をもってデータ化や研究開発に取り組んでいます。

その中でも、研究そのものを目的とせず、サービスを通じて世の中に価値を届けることをミッションとする、DSOCのR&Dグループには、世界中のデータサイエンティストが参加するデータ解析コンペティションなどが催されているプラットフォーム「Kaggle」で「Grandmaster」の称号を所持している、高際睦起と水田有一が研究員として所属しています。

2015年4月に入社した高際は、大学では物理の研究、前職では顔認識技術の研究開発に従事していました。そして、研究開発を続けている中で、次第に自身が関わり研究開発した技術との距離感や、そこで働き続けることを変えてみたいと思うようになったのが、当時の転職のきっかけであったといいます。

高際 「職場環境を変えることで、自分自身をも変えてみたいと思うようになりました」

そんなある日、高際はSansanで働いている知人からSansanという会社、そしてそこへの転職を薦められます。

高際 「Sansanはエンジニアのパフォーマンスを発揮できる環境づくりに重視している会社だと聞き、興味をもちました。そして、その知人を通じてSansanのオフィスを見学させてもらうことにしました」

早速、東京本社の見学に来た彼がそのときに感じたのは、「会社全体がイキイキしている」こと。それがSansanの第一印象でした。そして、そこで働く社員の姿が、新しい環境と変化を求める高際の背中を押したといいます。

Sansanへ転職した高際は、以前から自分が取り組んできた顔認識技術を応用し、名刺のデータ化を正確かつ高速にする技術の研究開発に取り組み、今まで感じたことのない新しい仕事のおもしろさに出合います。

高際 「Sansanはサービスとしてプロダクトを提供する会社です。だからこそ、自分がつくった研究成果が手元を離れず、世の中へすぐに出ていく。そして、KPIなどに対する効果や結果が定量的にすぐに分かる。それがおもしろかったですし、やりがいにもなりました」

与えられた課題や問題に対して受動的に研究開発するのではなく、自分の得意とする領域の中でできることを考え、能動的に研究開発するーー。

そんな環境で働くことに充実感を覚えるようになった高際の入社から約2年が経ったある日、企業として今まで以上にデータを活用し、プロダクトを進化させることに注力したいと考えていた、Sansanの代表・寺田親弘は、高際に尋ねます。

ーー「いま、高際が注目しているデータサイエンティストは?」。

そのとき、彼の脳裏に浮かんだ人物が、後にDSOCのメンバーとなる、高際と同じくKaggleでGrandmastarの称号をもつデータサイエンティスト・水田有一でした。

完璧を目指して構築されたデータベースと尊敬する人の存在

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▲データ分析などを重ね、Sansanが保有する名刺データの活用方法を研究開発する
2017年3月にAI技術者として採用された水田は、データ分析を自身の仕事とし、さまざまな業界で活躍していました。また、業務外の時間などには、Kaggleでデータサイエンティストとして研鑽も積んでおり、そこでGrandmasterの称号を得るまでに至っていました。

さまざまな業界で仕事をする中で、データ分析に使用する新しいデータ、それも分析するに値する “質”の高いデータを集めるためには、相応する時間も含めたコストが必要であることを水田は感じていたといいます。

当時、大分県で生活していた水田に、ある日、一通のメールが届きます。それは、高際から水田の名前を聞いたSansanの代表・寺田からのメールでした。その後、ふたりはSkypeで会話を交わし、水田は入社を決意します。

水田 「Sansanには、100%の精度を目指して構築されたデータベースがありました。ここでなら、もっとやりがいのあるデータ分析ができるんじゃないかと思ったのが理由です。それが、もしOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)だけでデータ化されたものであれば、そこまで分析しがいがあるものにならなかったと思います」

Sansanは、創業時から機械と人力を組み合わせ、ときには多大なコストを投じてでも、精度を優先してデータベースを構築しています。正確かつ膨大でユニークな名刺のデータベースは、Kaggleで活躍する優れたデータサイエンティストのひとりであった水田の入社理由のひとつとなったのです。

そんな水田の存在を知らせてくれた高際でしたが、実は一方で水田もまた高際の存在を認知していました。そして、それが水田のSansanへ入社することに興味を抱くもうひとつの理由にもなったのです。

水田 「日本人がまだあまり参加していない頃から、高際のことをKaggleの競技ランキングなどでよく見かけていました。

すごく優秀な人だな、と思っていた高際がSansanで働いているということは、前から知っていました。入る前の段階で、自分が優秀だと思う人がこれから勤めるかもしれない会社に少なくともひとりはいる。

それがあらかじめ分かっていたことは『ここで働いてみたい』と思う理由になったと思います」

高際 「面識はありませんでしたが、前々からKaggleのランキングで上位にいる水田の活躍には注目していました。水田は本当にデータ分析のセンスがある人で、実際に入社すると聞いたときにはびっくりして、『本当にすごい人が来るんだな』と思いました」

互いの存在を認知し、また互いを尊敬し合いながらも、いままで出会うことのなかった高際と水田。共にSansanのDSOCで働く研究員となったふたりは、今どんな業務に携わっているのでしょうか。

データドリブンで研究者としての手腕を発揮する

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▲高際が研究開発するヒートマップのサンプル(※ 本画像は技術を紹介することを主目的として作成されたものです。よって、画像に含まれる名刺の内容はダミーであり、すべて架空の情報です。実在する団体、個人及び名称とはなんら関係がありません)。
顔認識技術をはじめとした画像解析を得意領域とする高際は、名刺のレイアウトなどをディープラーニングで解析し、文字のサイズや配置などを基に会社名や名前など、名刺に書かれた情報の種別を判定し、その情報”らしさ”をヒートマップで示す技術を研究開発しています。

名刺のレイアウト情報を基にしているため、この技術は言語を問わず、あらゆる言語の名刺で機能し、該当する情報種別を判定することが可能です。この技術は、高際がこれまで取り組んできた研究開発の知見や自身がもつ強みを活かして研究開発され、名刺をデータ化する作業で活用されています。

高際 「自らが得意な領域で『こんなことができるんじゃないか』と考えたことを試して、責任をもって最後までつくりこむこと、そしてそれで結果を出していくことにやりがいを感じています。試してみた結果がすぐ分かるところにも、やりがいを感じています」

一方で、Sansanの保有するデータベースなどを分析し、その活用方法を研究開発している水田は、いま企業の事業成長をサポートする予測機能の開発などを行なっています。

水田 「リリースしてはじめてフィードバックを得られるソフトウェアの開発などと異なり、データ分析を基に開発する予測機能などは、リリースの前にある程度の精度が保証される必要があります。

いまはまだその前段階ですが、自分の予測に合致する結果が得られたとき、そして機能がリリースされる段階となり、想定したフィードバックがあったときには、きっと喜びを感じると思います。

また、前職までは注文に合わせたデータ分析を主に行ってきましたが、Sansanでは事業成長のためにできることを自分で考えて提案し、かたちにしていくようなチャレンジができると思っています」

データを見ながら、できることを見つけ、成果をつくる。こうしたデータドリブンによる研究開発を可能としているのは、Sansanが世界に類を見ない名刺データベースを保有していること、そしてサービスとしてプロダクトを提供する企業であることに起因します。

いま、高際や水田が所属するDSOCのR&Dグループでは、研究員のそれぞれが自身の強みを活かせる領域で研究開発に勤しみ、その手腕を発揮しています。

すべては個々の強みを発揮できる環境のため

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▲京都ラボで働く、高際の業務風景

2017年6月現在、高際は京都ラボでリモートワークによる勤務をしています。彼にとって、京都とは住みやすい環境であり、また研究開発に集中できる場所でもあります。

京都ラボは、2014年にもともと研究員として勤務していた社員のために開設された場所です。京都大学にも近く、先端技術の研究開発を行う研究員にとってメリットがあり、パフォーマンスを発揮しやすい環境を整えています。Sansanは条件がそろえば、現状のラボがある場所以外であっても、リモートワークを実現する動きを積極的に行なっていく予定です。

一方で、水田はSansanへの入社に当たって大分県を離れ、現在は東京本社で勤務しています。自らとは異なった、さまざまな得意領域をもつ社員たちに囲まれながら働くことで、日々新たな気づきや学びを得ています。

水田 「1日1個、新しい学びがあるように思います。たとえば、R&Dグループには機械学習の分野だけでなくデータアーキテクトの方などもいて、自分とは異なる領域で自分ができないことをできる人がたくさんいます。

だからこそ、いろいろな角度からいろいろなことを学ぶことができています。開発環境を自由に選べたり、昇降デスクなど働きやすい環境を用意してもらえたりすることも気に入っています」

それぞれの環境で働くふたりには、それぞれに個人的ではあるものの、現実となることを望む未来の姿があります。そして、そこにはひとつの共通点がありました。

高際 「現在における名刺は、データとして作成されて、それは紙に印刷され使われています。そして、Sansanを利用したとするならば、その名刺はまたデータに戻されます。

デジタルなものをアナログなものにして、再びデジタル化する。ある意味で矛盾を感じる、この当たり前が変えられればと思っています。

いま、ビジネスにおける『人の出会い』は名刺が中心となっていると思いますが、もっと人自体やつながりが『人の出会い』の中心になるようなことが実現されればと思います」

水田 「名刺交換が不要になるような日が来ればよいと思っています。たとえば、人に会う前にその人をスケジュールに登録したら、その人自身の情報や関連情報、周囲の人との接点などが事前に分かるような、そんな世界につながるような仕事ができればといいと思っています」

ふたりは同じように「名刺に代わる”何か”がある世界」——いま存在する当たり前が、当たり前ではなくなる、そんな新しい世界の姿を思い描いていました。

世界に類を見ない名刺データベースを活用することは、いわば研究者たちにとっても未知の領域です。どんな可能性がそこに秘められているか、誰も知りません。

稀有なバックグラウンドをもち、高いパフォーマンスを発揮している高際と水田をはじめとした多種多様なメンバーで構成されたSansanのDSOCは、さまざまな領域でアイデアを持った研究者をこれからも募っていきます。そして、一人ひとりの強みを活かし、Sansanは名刺データベースの活用から新たな価値を創造していきます。

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▼Data Strategy & Operation Center(DSOC)ウェブサイト
https://jp.corp-sansan.com/dsoc/

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