成果と成長を両立する組織をつくり、ものづくりを“楽しめる”会社へ

ものづくり集団としてエンジニアの個性と能力を最大限に活かし成長を続けるトライフォート。同業他社との大きな違いは組織体制とその評価制度にありました。エンジニアが楽しみながら、ものづくりに集中できる環境を、どのようにつくり上げているのか。その全容を公開します。
  • eight

ものづくりとスキルアップを同時に行なうキーは、“クロス組織”にあり

Ab61ff26d2d99849ee273322c8a406c9d193caea
▲人事総務部部長の能間 崇(左)とCTO室長で技術統括の西 健一(右)

トライフォートの特徴は、クロス組織とその評価制度にあります。

クロス組織とは、縦軸にエンジニアの育成を担うディビジョン軸、横軸に成果を生み出すプロジェクト軸で構成されています。ディビジョンは、技術、デザイン、品質管理と大きく3つの職種で分かれ、さらにそれぞれ専門性により細分化。各ディビジョンには同じ専門技術や知識を持つ人材が配属されています。

縦軸の技術、デザイン、品質管理のそれぞれのトップに「統括」が配置されており、一方、横軸は事業部部長がトップに立ち、プロジェクトごとに分かれます。メンバーはプロジェクトにアサインされチームが結成されます。

トライフォート以前にも他社で人事畑を歩んできた、現人事総務部部長である能間崇は、トライフォートのクロス組織はそれぞれの専門性を伸ばしつつ、ものづくりに集中する両方を同時に行なうことが可能なことだと言います。

能間 「たとえば一般的な企業でプロジェクトにアサインされると、そのプロジェクトに起因した能力開発が中心になります。当社では縦軸にディビジョン制を敷いているため、統括がプロジェクト以外の人材育成や能力開発などのマネジメントにも取り組みます」

つまり、一般的に技術の専門性を高めるために“選択と集中”という手法をとる企業が多い業界内で、トライフォートはさまざまな技術に触れるチャンスをエンジニアに提供し、エンジニアが自分で勉強したいものをディビジョン軸で勉強できる環境を整えているのです。CTO室室長であり技術系5つのディビジョンの統括を担う西健一は言います。

西 「ディビジョン軸のトップに専門性を持ったディビジョンマネージャー(以下、DM)を配置しています。DMだけでは同じエンジニア職であってもディビジョンが違うことで情報や技術に偏りがあったりするため、統括が入ることでそれぞれのディビジョンの枠を超えた技術の活用を行なっています。
また、DMにはディビジョンの采配に関してほとんどの裁量を与えつつも相談役や調整役といった役割を統括が行ない、なるべくプレイヤーとしての能力も発揮してもらえるように意識しています」

だからこそ、プロジェクト内で問題や壁にぶち当たった時に、エンジニアが各ディビジョンに戻って相談やアドバイスを得て解決策につながることもあり、クロス組織だからこそプロジェクトとディビジョンの交差によって、さらなる技術の成長が促進されるのです。

会社として売上を出す成果目標、個人が技術者として成長できる育成目標

A2104dcb2df85d614bc1b465f4acbb6aa13f5e87

現在の評価制度を導入したのは能間が入社してから。当時はまだ、クロス組織を有効に活用できているとはいえませんでした。

人事と統括、事業部がそれぞれ別々に動いているという印象を受けた能間は、「クロス組織の役割を評価制度にももっと活かせば、よりいいものがつくれるはず」と、インプットとアウトプットのように成果目標と育成目標の2軸に完全に評価を分けました。

つまり評価の力点が部署によって部側にあったり統括側にあったりしたものを「統括が育成目標を、部が成果目標を設定する」と明確に打ち出したのです。

能間 「統括は個人を成長させたいと考えているし、事業部は売上という成果をアウトプットしたい。そこをシンプルに分けることを考えました。
技術評価は、技術がわかる統括が行なうことで公平な評価を行ない、成果評価についてはその成果に応じて事業部側の部長が評価を行なうことでクロス組織の良い部分を活かした評価制度を構築しました」

もちろん事業部長も統括もそれぞれ成果目標・育成目標をお互いに共有しているので、「部が成果目標をこのようにたてているなら、育成目標はこうしよう」と連携した目標をたてられます。

新たな評価制度がスタートして社内での大きな変化は、コミュニケーションの活性化。目標設定もDMとPMが面談を経てつくりあげるし、西いわく「かたいだけではなく、ゆるい会議体も増えている」。お互いに意見を言い、話し合う場面が多くなりました。

「面談が多いと現場は時間をとられて……と思う人もいますが、コミュニケーションの形成には面談は重要です」と話す能間自身も、評価制度を固めるプロセスで役員、部長、統括と、かなりの時間をとりディスカッションを行なったのです。

そうして丁寧に築き上げた結果、部長・統括の連携強化だけでなく社内のコミュニケーション強化にもつながり、「各自の育成目標がちゃんと立ちはじめたという印象です。それぞれが部の成果目標、個人の育成目標のふたつの目標に明確に向かっている」とみています。

誰かひとりの偏った評価はない。複数の人間で個人の活躍をしっかり評価する

467caa692d552f9ac3e13742e565b964ae3caee8
徹底して意見を言い合う——。これが、トライフォートの評価制度の基本。

評価の最初は、PMとDMが面談して評価シートを記入することからはじまります。しかし、メインとなるのは役員も参加して行なう評価会議。メンバーひとりずつの評価を、時間をかけて話し合っていきます。

能間 「たとえば、あまり成果を出せなかったから今期の評価は低いと部長が言うと、いやいや彼は実は裏側ですごく成長したからもっと上げたいと統括が言う。
まさにバチバチと言い合う感じです。全員でマネジメントをしているという発想が非常に近いですね」

統括も部長もひとりで何十人もの人材を預かっているので、やはり全員の細かな行動や活躍まで目が届くかといえば、それは物理的に難しい問題。

ただし、クロス組織でマネジメントするということは、そうした不公平感がありません。たとえDMの目の届かない部分のがんばりであっても、PMが評価しているということもあるからです。

能間 「たったひとりの上司の低い点で評価が決まることはありません。必ず複数の人間が見ているから」

さらに、プロジェクト側の視点で売上という具体的な成果があがっていなくても、ディビション側の視点では新しい技術を開発したり個人の成長が著しいと評価されるチャンスもあります。クロス組織だからこそ、成果と育成の両方で評価されるのです。

能間 「結果的にこの組織には上司がふたり以上いることになりますね。人間なので誰しも相性があり、人間百人いれば百通りのタイプの人間がいます。上司がふたり以上いることにより色々な相談を行ないやすい環境があります。
DMでもPMでも自分の相談しやすい上司に相談することができる。ヒューマンマネジメントという視点では、育成軸(ディビジョン軸)とプロジェクト軸(事業部)のどちらもが個人をちゃんと見ています。だからこそ個人の成長と成果両軸を両立できると考えています。」

実は、それもこれも根底では「全員が、ものづくりに集中して楽しんでほしい」というシンプルな想いが支えているのです。

制度に正解はない。時代を見ながら人を見ながら、変化し続ける

B0144828526bc0d733376e8efb935f05883183d6

「ただし、評価制度に正解はない」と能間は断言します。

能間 「1〜2年経てば人間同士、評価する側とされる側に妥協も生まれるでしょう。当社のように在庫を持たないビジネスの場合、マーケットの流れはかなり早い。だからこそ評価制度はもちろん体制についても時代の流れに追いついていく必要があります」

実際にトライフォートでは、組織や評価制度などはもちろん、さまざまなことについて議論をしています。

西 「能間の入社以降、部長・統括と人事のあいだでコミュニケーションをとる機会は格段に増えたと感じています。内容も硬い話題から雑談レベルまで、組織の話からマネジメントの話までとさまざまです。
そして、次の期には僕らの意見が汲み取られて評価制度がチューニングされるなど目に見える形で変化が生まれていることも状態が良い証拠なのだと思います」

もちろん骨格は変わりません。能間の言葉でいえば「肉付けする感じ」。より現状に見合った形に成長させていくのです。

能間 「PMやDM、統括の意見は、評価をする側の見る視点の変化や組織の課題感がつまっています。固定概念にとらわれずそれに合わせてカスタマイズし、メンバーがよりものづくりに集中しやすく本来の役割を発揮できるようにしていくのです」

トライフォートが目指す「ものづくりプラットフォーム」とは、“トライフォート”という箱の中に入れたら、“何か”ができあがって現れるという考え。

たとえ実現できそうにない依頼であっても、「できない」と答えるのではなく「どうすればできるだろう」と時間を割いて考える人材になってほしいという能間。すべてが、そのための環境づくりなのです。

もうひとつ、ものづくり集団なのにCTOがいないのもトライフォートのユニークさ。CTOがUnityに長けた技術者だと会社全体がUnityに強い会社と受け取られかねません。そこでCTO室という部署にCTOの役割を担わせ、技術の偏りをなくしたのです。

クロス制度を最大限に活かすための評価制度が軌道に乗り現場が融合してきたなか、あえて能間は「組織というのは、歯車が噛み合っていてはいけない」とも言います。

能間 「それぞれ専門分野の違うプロフェッショナルが複数いるから、けっして全員が同じ意見にはならないし、ぶつかり合うこともある。だから歯車は噛み合わないことが当たり前。
そのうえで、メンバーたちがきれいに歯車を回せるように、必要に応じて歯車を増やすなど対応していくのが重要です。それぞれが完全には噛み合わない歯車を持っているからこそ面白い組織になると思っています」

関連ストーリー

注目ストーリー