留学の情報格差を解消! 元留学カウンセラーが「アブログ」をスタートアップしたワケ

アブログ合同会社は、《留学の情報格差の解消》を理念に代表の内田誠が2014年に設立した会社です。ひとつ目のサービスである「アブログ」は、日本最大級の留学口コミサイトとして約13,000校の学校と約500社の留学エージェントをデータベース化しています(※2017年5月時点)。そんな私たちのストーリーは、“突然の倒産”からはじまりました。
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突然の倒産と、確信とアイデア

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内田 「どの留学エージェントも『うちの会社は安心です』って言うんですよ。でも、それで結局倒産して、大勢の留学が台無しになって……。留学業界の仕組みって、結局誰も留学希望者に向き合ってないんです」

「明日から、もう出社しないでください」——2010年のある朝、内田が勤めていた留学斡旋会社は、突然倒産しました。

フタを開けてみれば、負債額は8億円。650人が留学エージェントに学費を支払っていながら、学校へ未払いのままでの倒産でした。650人は留学を諦めるか、再び学費を支払わなければ留学ができなくなってしまったのです。

解雇され無職となった内田。トップセールスの留学カウンセラーだった彼は、倒産経験を経て、留学業界には深刻な課題があると確信しました。

そして彼の心の中にはある強い想いが生まれ、それと同時に頭の中には、すでにひとつの明確なアイデアが生まれていました。

その想いは「留学の情報格差の解消」ーー。留学はほとんどの人にとって一生に一度の経験です。つまり留学希望者はいつだって情報不足。一方、業者側である留学エージェント・学校は常に圧倒的な情報量を蓄積しています。これが留学の情報格差です。

情報格差が何を引き起こしているのか。留学エージェントは、留学の情報提供という名目でカウンセリングをしますが、そもそも留学希望者は、本当にその情報が正しいのかを自分で判断できません。

これを利用して、自社に有利な情報のみを伝えるなど悪質なサービスを提供する業者が存在するのです。国民生活センターの報告書によると、留学エージェントに関する相談は1995年度から2004年度の間でなんと3,436件に上っています。(※独立行政法人国民生活センター『増加する「留学等斡旋サービス」トラブル 』 http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20050510_2.pdf

その上、留学業を始めるには資格も認可も必要なく、在庫の仕入れも要りません。誰でも開業できるから、さまざまな質の業者が存在します。悪質な業者でも「うちは安心」と謳っている業界だから、信じた人たちが犠牲になるのです。

内田 「たしかに、留学エージェントは学校紹介会社ではない……」

学校を100校紹介したからといって、利益が大きくなるわけではありません。利益は、お客さんが入学の申し込みをして生まれるもの。だから一部の悪質な留学エージェントは、コミッションが高い学校を「お客さんに合った学校」として紹介している事実があるのです。

——「留学エージェントがお勧めする“留学”以外にも、留学にはたくさんの選択肢があることを広く伝えたい。留学希望者が、自分自身で納得いくまで情報収集ができる環境が必要だ」

そこで内田が考えたアイデアこそが、留学コミュニティサイト「アブログ」でした。

留学コミュニティサイト「アブログ」とは

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アブログとは、留学経験者の口コミ・体験談が集まるコミュニティサイトです。留学希望者がこれを参考にして「この留学エージェント・学校は安心できる」と判断できれば、留学のトラブルが減るだろうと内田は考えたのです。

内田 「知識がないと、『うちは安心』って言う留学エージェントを信じるしかないでしょう。信じた結果、倒産しちゃったり、思っていた留学ができなかったりするわけで。

でも知識があれば、その人の言う『安心』をどこまで信じればいいのか自分で判断できるようになります」
重要なのは「自分で判断できる」こと。留学エージェントに限らず、どのような方法で留学するにしても、さまざまな選択肢や正しい情報を得た上で、納得した留学を自分で選ばなければなりません。これが、充実した留学経験にするために最も大切なことだと内田は考えています。


——「留学の情報格差を解消する。留学業界の課題を本気で解決してやろう」

満を持して、内田は無職・無収入のままアブログの開発をはじめます。……といっても当時、彼のプログラミングの知識は限りなくゼロに等しい状態でした。

コツコツとプログラミングの勉強をはじめた内田。平日は独学でコードを書き続け、週末はプログラミングに詳しい友人に質問する日々。そして1年間で、アブログの原型を作り上げました。

貯金が底をついた内田はITベンチャー企業に就職しますが、仕事の傍らアブログの開発も続けます。2013年に退職し、2014年にアブログを法人化したときには、倒産から4年もの月日が経っていました。

それまでひたすらコードを書き、開発を続けていたという彼の事実は人を動かし、その頃にはCTOや弁護士がチームに加わっていました。アブログの可能性はさらに広がっていたのです。

内田 「できることが増えたら、理念を達成するためにやりたいことが、自分が思っていたよりも壮大だったと気が付いたんです」
口コミが投稿できる今のアブログの形が出来上がると、内田はあらゆる手を尽くして口コミをどんどん増やしていきました。しかしその一方で、口コミが増えると、業者側から口コミ削除の請求を受けることも増えていきました。

アブログは留学エージェントの敵か味方か、それとも…?

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アブログに掲載しているワシントン大学の口コミ
アブログは、事実でない情報や、誹謗中傷以外の口コミ削除は行いません。その代わり、アブログ上では誰もが発言権をもっています。

もし留学エージェントや学校がネガティブな口コミを投稿されても、彼らはそこに公式に返信することができるのです。誤解があればそこで説明でき、改善できると思ったらそこで報告することもできます。

内田「僕は決して留学エージェントが全てなくなればいいと思っているわけじゃないんです。悪質な業者は淘汰されるべきですが、良い業者にとっては、アブログの存在も良いように働くはずです」
2014年9月にはさらに、口コミ投稿だけでなく留学に関する質問投稿と、回答の機能がアブログに追加されます。留学したい人は留学に関するあらゆる質問ができ、それに対して留学経験者はもちろん、業者も回答することができる機能です。

ここで、きちんと知識をもった上で情報提供ができ、誠意のある対応ができる業者は、それを留学希望者に直接アピールすることができるのです。

このように質の高い留学業者が正当に評価される場所であることが、アブログの存在価値なのです。現にアブログは留学エージェントとも提携しており、カウンセリング予約もできます。

内田「僕は留学業界の経験者として、留学エージェントのおかげで背中を押されて良い留学ができた人が大勢いることも知っています。だから決して留学エージェントを否定する気はなくて。ただ、留学するための情報収集のプロセスを変えたかったから、このアブログを作ったんです」

結局、あの日から心にあることは一つ

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ひとりでスタートしたアブログが、今では多くのメンバーが集うチームに
留学業界を深く知ったうえで、自分のチームでサービスを開発し、その運営までできる。これは内田だからこそできる変革です。

内田 「口コミや回答を参考にした留学経験者が、次の留学希望者の人たちにまた口コミや回答を残していくーーそんなサイクルを作りたいんです。」
本当に良いサービスを提供する留学エージェント・学校が正当に評価され、留学希望者がそれを知ることができる社会にしたい。内田は留学業界を変えるだけでなく、一人ひとりの留学への意識と経験そのものが最高の体験になるように変えようとしています。

——『たった一言の感想でも構いません。ぜひアブログにあなたの留学経験を紹介するチャンスをください。必ず、留学をしたい多くの人たちに届けます。』※アブログ「アブログとは」より

すべては、2010年のあの日、犠牲になった650人の留学と、突然解雇された内田の「留学業界の情報格差を解消したい」という想いから。それが今もブレることなく、内田の理念としてアブログにつながっているのです。

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