外国籍メンバーの多様性を生かす答えは、7つのコーポレートバリューに

アクティブコネクターでは、社員一人ひとりの意見を生かして7つのコーポレートバリューを策定しました。その背景には、多文化を持つメンバーと組織を作っていくことで見えた課題があります。コーポレートバリュー策定の経緯を、小林喜子が語ります。
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文化を受け入れ、多様性を実現するために

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▲外部の講師を招いた社内勉強会の様子

アクティブコネクターでは、高度外国人人材と企業のマッチングを事業の中心とし、「異人・変人と変革を起こす」を理念に掲げています。異人や変人という言葉から描かれるように、私たちにとって多様性は強みです。情熱と専門性を持ちあわせて日本での活躍を望む外国籍の人材と、新たな価値を生み出そうとしている日本のスタートアップ・ベンチャー企業は共に世界を変革していく力があると考えています

そのビジョンを形にするために、創業から数年は人材紹介の基本を作るべく、代表の松本麻美が経営判断を担い、舵を切ってきました。無我夢中で事業を具現化する時期は、メンバーの中に見られる国籍や文化における多様性には特段の注意を向けることなく、とにかく自分のできることをそれぞれ担当して進めていました。 

しかし、事業拡大やオフィス移転を経て、メンバーがさらに増えた頃、徐々に別の課題が生まれ始めました。今まで指針を立てていた松本が出産のために休暇を取ったことをきっかけに、その課題は可視化されます。当時の状況を、営業部の小林喜子は会社全体の雰囲気と共に分析していました。

小林 「全体的に会社の雰囲気は良くありませんでした。日本人同士だと言葉を介さなくてもなんとなく共有できいている「常識」や「当たり前」がある一方、外国籍メンバーに対しては全てが言語化されていないと伝わらない。そういうことが少しずつ重なることで、その常識を理解する人とそうでない人の間で空気が悪くなっていったんです」

アクティブコネクターにはオーストラリア、ベトナム、韓国、中国など多国籍のメンバーが集っています。明文化されていないことは個人の判断に任されるということの課題を強く感じたメンバーは、改めて多様性について考えなおします。

小林 「文化の違い、多様性。言葉で言うのは簡単ですが、実際に理解するのはとても難しいですね。私たちがまず取り組んだのは、そういった概念の理解するための講義を受けることでした」

オフィスが東京大学に近かったことを生かし、文化の違いやグローバリゼーションを専門とする教授にセミナーを依頼しました。メンバー全員の業務をストップし、文化とはそもそも何なのかについて考える時間を共有したのです。

小林 「私たちが達した結論は、日本の文化に合わせられる外国人を集めるとか、日本の文化を無視して外国の文化を受け入れられる会社になるとか、そういう両極端のものではありません。多国籍のメンバーが集まる私たちの中で、第三の文化を創ること。それが答えでした」

コーポレートバリューは、第三の文化を可視化したもの

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▲アクティブコネクターの7VALUES

多国籍のメンバーが集まったアクティブコネクターの文化を創り、可視化することが大切だと知った私たちは、コーポレートバリューとして言語化した文化を打ち出そうと考えます。

コーポレートバリューを策定するにあたって旗を掲げたのは、代表の松本ではなく、社員の3名でした。ペルー人、ジンバブエ人、そして日本人という別々のルーツを持った社員たちは、自発的にコーポレートバリュー策定のリーダーシップを取るようになります。

小林 「当時はどうしたら良いか手探りでしたが、『外国籍を持つ人々がどうしたらその国で幸せに働いていけるか』というテーマを自分たちが考え、実践できる機会として、コーポレートバリューの策定は生かされたのでしょう」

コーポレートバリュー策定の準備として、メンバー全員と面談をし、働き方や大切にしている考え方についてヒアリングしました。そこで理解したことは、『一人ひとり違う』ということです。家族構成やプライベートのライフスタイル、通勤時間……面談で浮き上がる個性は、多種多様でした。

小林 「それでも共通しているのは、『アクティブコネクターのメンバーはいい』という感覚です。ほとんど中途採用で入社しているメンバーが、なぜそう感じるのか?それこそが私たちの文化の根幹となる部分だと信じ、より深いヒアリングを続けたのです」

メンバー全員への面談から浮かび上がってきたアクティブコネクターならではの考え方や、魅力。それは7つのコーポレートバリューへと集約されていきます。特にその核となったのは、「Go beyond the work(生きることははたらくこと、はたらくことは生きること)」。この言葉には、メンバーの人生そのものを尊重する想いが込められています。

小林 「この言葉はプライベートを捨てて働くことを強いているのではなく、働くその人が人生で大切にしている時間や信条を、人生と切り離さずに働ける環境を示しています」

どんな課題が迫ったとしても、お互いの意見が違ったとしても、コーポレートバリューを前提にして決断し、解決していこう。その覚悟こそが、アクティブコネクターが導き出した多様性を実現するための答えでした。

コーポレートバリューがもたらした業務改革

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▲社内のコミュニケーションもスムーズに

コーポレートバリューが策定された後、様々なシーンでの判断がスムーズになりました。例えば、採用に対してかけられていた時間の短縮はその一つです。

小林 「以前は価値判断の基準が明確でないから『とりあえず面接に来てもらう』という手段しか取れなかったのですが、コーポレートバリューに照らし合わせることでその人材について感情ではない基準で判断しやすくなりました」

代表の価値判断に対して個々のメンバーがそれぞれの文化を参照して動いていた組織が、コーポレートバリューによって可視化された基準によって判断を集約することができる。この変化は、マネジメントや日々の打ち合わせにも変化をもたらしました。

小林 「意見や考えの違いによる混乱を、コーポレートバリューに照らしてスムーズに解決できるようになったことが大きいです。文化が違うからこそ、価値判断の基準を統一することで、お互いの文化を尊重しながら合意を得られる。そういう形が自然と作り上げられました」

業務の他、企業文化にもコーポレートバリューは影響を与えています。例えば、ラマダンを実践するイスラム教徒のメンバーについては、その期間だけラマダンに取り組みやすいよう出勤時間を工夫しています。また、子どもを連れてきて働くことも可能です。こうした一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方をカスタマイズしていくときも、コーポレートバリューはその判断の礎として役立っています。

小林 「私たちが策定したコーポレートバリューは、どの会社にも適切に当てはまるとは思いません。多文化なメンバーが集まり、一人ひとりの意見を聞いたから見つけた私たちのバリューなのだと感じています。向き合って導き出した答えを元に、私たちの文化を育てていきたいですね」

自由=多様性ではないからこそ、幸せを追求して

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▲これからもアクティブコネクターは新しい文化を創り上げながら改革を起こしていきます

アクティブコネクターでは、コーポレートバリューの策定と機を同じくして、取締役メンバーの決定も行いました。より社員同士がコミュニケーションを取りやすく、意思決定がしやすい環境が整えられたのです。

ルールや理念を可視化することで、お互いの意見が円滑に取れやすくなるという結論が、今後多様性について真剣に取り組む必要のある日本へのメッセージにもつながります。

小林 「自由に何でもやっていいよと言われた環境で、本当に自由気ままに行動するのは難しいものです。それが会社で、行動パターンの違う文化背景を持つ者同士なら、なおさらそうですね。だからこそ、会社でお互いが自由に行動できるための地盤を作ることは、とても大切だと思います」

コーポレートバリューの策定は、メンバーが自由に、幸せに働くための取り組みでもありました。その結果として新しい挑戦が生まれたり、業務効率化が進んだりといったプラスの効果が生まれることは、外国籍のメンバーに限ったことではないのでしょう。

小林 「あくまで『外国籍』ということは多様性の中のひとつのカテゴリーでしかありません。色々な個性を持った人たちが最大限にスキルを生かし、幸せに働ける環境を作っていきましょう」

アクティブコネクターでは高度外国人人材のマッチングを通じて、日本企業の多様性を広げる可能性を秘めています。人材の提供だけでなく、人材を受け入れた各企業が文化の違いを取り入れ、模索し、新しい文化を創り上げながら改革を起こしていくことが、アクティブコネクターで学んだ多様性の答えを広げていくことにつながるのかもしれません。

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