人工知能がクリエイティブな仕事をつくる未来~第5回 Mirai Salonレポート~

日ごろの雑務から解放され、本当にやりたい仕事に集中できる。そんな未来を叶える可能性を秘めているのが、昨今話題になっている“人工知能”です。株式会社アドライトが主催するイベントシリーズ「Mirai Salon」。第5回のテーマは、「人工知能の実用化が切り開く未来」です。
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最先端技術をビジネスに ーーカギはベンチャー×大企業

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▲グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社 代表取締役社長 安達氏のプレゼン

変化の早い時代のなか、ビジネスを発展させるカギとなるのが、組織の枠組みを越えて知識や技術を取り入れていく「オープンイノベーション」です。自社以外のアイデアや技術を取り入れるその手法には、ビジネスを飛躍させるタネが潜んでいます。

そんなオープンイノベーションの効果が特に期待されるのが、「人工知能」や「VR」といった最先端分野。ユニークな技術やアイデアを持つベンチャーと、多くの顧客や社内リソースを抱える大企業が手を取り合うことで、ビジネスを大きく成長させる可能性を秘めています。

そこで、株式会社アドライトが主催するイベント「Mirai Salon」では、第5回目のテーマを「日本流オープンイノベーションによる人工知能の実用化が切り開く未来」としました。

今回登壇したのは、国内外で人工知能を活用したビジネスを手がけるベンチャー2社と、オープンイノベーションに積極的に取り組む大企業、さらに投資を通じて事業成長の支援をするVC(ベンチャーキャピタル)の4社です。はじめに、この4社によるプレゼンが行なわれました。

グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社(以下「GiTV社」)は、人工知能などの先端分野に特化し、事業支援をするベンチャーキャピタル(VC)です。同社代表取締役社長・安達俊久氏は、人工知能に、大きな可能性を感じています。

安達氏 「2010年代に入って、人工知能やディープラーニングが個人の生活にも普及してきました。仕事のやり方から囲碁の世界まで、すべてがデジタルの影響を受けてきています。いよいよオープンイノベーションが必要となる時代がやってきたわけです」

そんな安達氏が考える人工知能の役割は、「人工知能は人間の仕事を奪うものではなく、働き方を変えるもの」。これからは既にある仕事を探すのではなく、仕事そのものをクリエイトする時代になると見通しています。

果たして、人工知能は私たちの仕事にどのように関わってくるのでしょうか。

人工知能ビジネス。生みの親は、日常に潜む問題意識

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▲パナソニック株式会社 アプライアンス社 鈴木氏

人工知能に関するプロダクト開発などを手がけるCinnamonは、申請書や電子メールなどの文書を自動解析し、必要な情報を抽出することができる「FLAX SCANNER」を開発しました。

手書きの文字でさえも99.2%という高精度で認識できる同社の技術は、生命保険会社など大量の書類を扱う大手企業で活用されています。

同社CEOの平野未来氏がこのシステムを開発した理由は、優秀な社員が本来やるべきことに集中できる環境を整えたいという思いでした。

平野氏 「社員が書類の処理に追われている姿を見て、何とかしたいと思ったんです。書類処理のために、本来その人が求められている仕事に時間を割けないのは、もったいないですよね。Cinnamonでは、そういう作業をどんどん自動化して、“人間でなければできない仕事”に集中できる世界を作っていきたいんです」

一方で、大企業も「人工知能」に着目しています。言わずと知れた電化製品大手のパナソニック株式会社は、2016年に新規事業創造を目指すプロジェクト「Game Changer Catapult」をスタート。弊社もこの取り組みに尽力しており、2017年9月には弊社木村がGame Changer Catapultでのミニピッチセッション「Cat7」にゲストとして参加しました。

こうした取り組みの背景には、大企業が抱える問題意識があると、プロジェクトに携わる鈴木講介氏は話します。

鈴木氏 「会社の利益は伸びていますが、売上は横ばいなんです。そこでビジネス成長のタネを見つけるために会社として進めているのが、オープンイノベーションです」

パナソニックでは、社内でビジネスコンテストを行なうなど、未来の家電製品を生み出すための活動に取り組んでいます。そうして生まれた事業アイデアのひとつが、人工知能の技術活用を想定した「住空間ディスプレイ」。人工知能が部屋の状況を見極め、映像コンテンツを自動的に表示してくれるという世界観を目指しています。

鈴木氏は「社内外の異なる領域の人をつなげ、パナソニックの取り組みに共感をしてくれる企業と一緒に、新規事業を形にしていきたい」と語りました。

企業に眠るデータが、人工知能によって輝きだす

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▲パネルディスカッションの様子

人工知能にまつわる数々のビジネスが生まれるなか、株式会社グラフが着目したのは、企業に眠る「データベース」。グラフは、こうしたデータベースの収益化や機械学習によって、利用範囲を拡張する事業支援をしています。

同社代表取締役の原田博植氏は、数々のデータベースの改良やアルゴリズム開発施策を行なってきた、データのプロです。

原田氏 「これまで、私はグルーポンとリクルートでデータサイエンスを扱う業務や、組織の設計をしてきました。2016年10月に立ち上げたグラフでは、私の経験を活かし、クライアントの会社のなかでリーダーシップをとって機械学習の活用を呼びかけています」

データを人工知能として活用するには、「育てる」という視点が必要となります。単なるデータの集まりという状態から、機械学習によって簡単な動作が可能になり、そこからビジネスの戦力として活用できるようにしていくというステップがあるからです。

そのためグラフでは、3ヶ月や6ヶ月など具体的な期限を定め、利益創出のためにできることを考えたうえで支援しています。原田氏は、「金融や保険、小売など、大きなサービスやデータベースを持っている企業と連携していきたい」と考えています。

そしてプレゼンのあとは、登壇者によるパネルディスカッションが行なわれました。グラフの原田氏と、GiTVの安達氏は、人工知能の広がりに思いを馳せます。

原田氏 「国内ではまだデータベースを活用していない企業がほとんどですから、できることは、まだまだあります。人工知能への期待感を共有しながら顧客の事業を成長させたいですね」

安達氏 「3年前の統計では、日本の研究開発費のうち98%が社内で使われていました。オープンイノベーションははっきり言って、まだまだ進んでいません。ただ、今後は進んでいくと予想していますし、人工知能はそのきっかけとなると思います」

Cinnamonの平野氏とパナソニックの鈴木氏が期待するのは、私たちの仕事や働き方への考えの変化です。

平野氏 「よく日本人は働きすぎと言われますよね。それは『働かなきゃ』というマインドにとらわれているからではないでしょうか。私は、人工知能をうまく使って、働かなくても幸せになれるような世の中を目指すのもいいなと思います」

鈴木氏 「なくなる仕事がある一方で、生まれる仕事もあると思っています。それはおそらく、仕事というよりは自由でクリエイティブな活動に近づいていく。これまでのように技術の優位性だけで競争するのではなく、社会の課題に対して新しい発想が求められる仕事に移り変わっていくのではないでしょうか」

プロジェクトメンバーの一員として、事業をともに作り上げる

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▲株式会社アドライト 代表取締役 木村 忠昭

こうした先端技術をビジネスに変えるためには、オープンイノベーションが大きな意味をもちます。しかし、オープンイノベーションを成果につなげるためには、乗り越えなければいけない課題も少なくありません。

たとえば、事業提携の相手をどうやって見つけるのか、社内のリソースをどこまで提供すべきなのか……。オープンイノベーションの経験がない企業も多く、判断に迷う場面が生じてしまうのです。

そこで、アドライトでは、クライアントのプロジェクトメンバーの一員として新規事業を作り上げる「ハンズオン支援」を実施。計画立案から実行支援、進捗管理に至るまでの各段階において、クライアントに限りなく近い立ち位置から支援します。

アドライトの強みは、国内での数々の大学発ベンチャー支援やIPO支援実績及び海外スタートアップへの投資イグジット実績、国内外の10,000社を超えるスタートアップのデータべースや20を超える国内外アクセラレーターとの連携ネットワークです。

これらのリソースを活かし、大企業とベンチャーの事業提携や事業インキュベーション、新規事業を生む企業風土づくりのための研修のアレンジなど、オープンイノベーションを生み出す仕組みづくりをしています。

今後も、オープンイノベーションがより多く生まれるための実効性の高い支援を、アドライトでは徹底して続けていきたいと考えています。

私たちが掲げるミッション「顧客と共に未来を創造する -addlight inside for our future society-」を果たすために。

※ 本イベントは、三菱地所株式会社様に共催いただき、EGG JAPAN(東京・丸の内)にて開催致しました。イベント冒頭では、三菱地所株式会社のご担当者様より、東京・丸の内が魅力的なビジネスセンターであり続けるために行われている、日本の中小ベンチャー企業に対してのビジネス開発支援や誘致活動等についてご説明いただきました。

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