創業期の5年間を礎に次へ。「リアルヒーローブランド」を目指す、Ankerの挑戦

皆さんは製品を買うとき、何を重視しますか。価格、機能など基準は人それぞれでしょうが、「このブランドだから」という人も少なくないはず。2018年9月現在、アンカー・ジャパンでブランディング&コミュニケーション戦略を担当しているのは、瀧口智香子。ガジェットの分野なのに、意外や意外、女性なのです。
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高級ブランドやLCCの広報・マーケティングを経て、アンカー・ジャパンに

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2017年、アンカー・ジャパンに入社。現在、Ankerグループの日本におけるブランド戦略、コミュニケーションデザインを含め、マーケティング施策全般を担っている瀧口。国際協力に関わったことが、お客様やステークホルダーにメッセージを伝えていくコミュニケーション分野のキャリアを拓くきっかけでした。

瀧口 「大学院で企業のCSR施策に触れ、そこから企業の情報発信に興味を持つようになったんです。
ただ、研究だけやっていた人間がいきなり『広報をやりたい』と言っても表面的ではないか?そんな思いから、1年間大学院を休学し、国際機関の広報部門と大学の研究機関で広報のインターンやアルバイトをそれぞれ、約半年間ずつやってみました」

大学院を卒業し、PRの軸で就職活動をはじめた瀧口。PR手帳を手にとり、「あ行」から順番に会社を探していきます。そこでPRのプロフェッショナルスクールがあることを知った彼女は、入学を決意。1年間、実践的な基礎を学びます。

スクール最後の3カ月はインターンとして、フランスの老舗ラグジュアリーブランドでPRの現場に学び、その後、ヨーロッパの高級ブランドなどを取り扱う独立系PR会社に入社することに。

PRパーソンとしての仕事をスタートさせた彼女はそこで2年間の経験をつみ、次の舞台には当時日本で立ち上がったばかりのLCC(ローコストキャリア)を選びます。

LCCはコストの効率化を主軸に置くビジネス。広告予算がほとんど0の中、どうしたら多くの人に興味を持ってもらい、利用してもらえるかという課題と約5年間向き合い続けます。

メディアの皆様とのコミュニケーションはもちろん、知恵を絞って自ら企画を立て、コラボレーションをしたい企業や行政機関、芸能事務所などに交渉に赴いて、ときには社外から広告予算の調達までを行ない、PR施策を実行し続けました。

「ひと通り、やりきった」、そこで彼女が次に選んだのが、アンカー・ジャパンでした。高級ブランドやLCCのPRをしてきた瀧口が、また全く別の環境を選んだ理由——それは「可能性」でした。

瀧口 「私は決してガジェットに明るい人間ではありません。アンカー・ジャパンは私が一歩踏み出さなければ、一生関わることのない領域の会社なので、だからこそ、一歩踏み出してみようかなと思ったんです。
PRの観点で見ると、創業から5年が経ち、面白いエピソードがたくさんあるのに社内に蓄積されたままになっている。ガジェットを知らない私でも面白いと思うのにもったいないな、と」

Ankerらしい“エッジ”を立たせたまま、相性が良い層へと広げる戦略を

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入社後、瀧口がまず着手したのは、メッセージング。当時のアンカー・ジャパンが発信していた情報のほとんどは新製品に関するものでした。

瀧口 「製品は会社のフィロソフィーや考え方が凝縮されているもの。メーカーであれば製品を中心に情報を出していくのは当たり前のことですが、Ankerらしいモノづくりの舞台裏、つまりお客様によりAnkerが大切にしていることを積極的に見せていくべきだと思いました」

Ankerというブランドをより多くの人に知ってもらい、ブランド価値を高めていく。そのために情報の出し方、見せ方にこだわり、顧客とコミュニケーションを図りはじめた瀧口ですが、これまでに培ってきたブランドイメージそのものは、いじってはいけないと考えていました。

瀧口 「代表の井戸と執行役員の猿渡が中心になり、5年間かけて築いてきたブランドイメージは、私から見ても魅力的でエッジが立っている。また、Ankerというブランドを愛してくれているお客様はガジェットやテクノロジーに明るい30~40代の男性が中心。
女性はまだほとんどAnkerのことを知りませんが、その偏りもまたユニークです。
ブランドを広めていくことだけを考えたら、ホワイトゾーンである女性を狙いに行くべきだと考えるかもしれませんが、それは今あるエッジを削ることにつながります。また、無名だったAnkerに光を当て、信じて支えてきてくださった既存のお客様に対しても失礼にあたります。
だから、まず大事にすべきは今あるユニークなAnkerらしさを失わないこと。らしさを保ったまま、次に“友達になりたい”ターゲットに話題を合わせつつ、友達の輪を広げていければいいな、と思っています」

その新たなコミュニケーションの戦略立案の一環として、瀧口はチームメンバーと共にWebサイトの整備にも着手します。

顧客に対し、活発にコミュニケーションを図っていくためには、情報も常に最新のものではなければ意味がない。グローバル企業としては珍しく、約半年かけて日本市場向けのWebサイトに変更し、ECの機能も持たせました。

新しいサイトの設計にあたって意識した点のひとつは、ガジェットに詳しくない人でも、納得して製品が買えるということ。これは瀧口自身がガジェットに詳しくなかったからこそ、得られた視点でもあったのです。

瀧口 「オンラインでガジェットを購入する際、製品や情報量が多すぎて、何を買えばいいかわからないという声も多くいただきます。最新テクノロジーもよくわからない、だから感覚で購入したけれど、いざ手元に届いたら求めていたものと違う。
ガジェットに詳しくない人がガジェットを買おうとしたときの満足度は現状とても低く、そこをカバーできているメーカーは、私が見渡す限りありません。
まだまだ改善部分がごまんとありますが、私自身、ガジェットに疎かったからこそ、次の“友達”を迎える準備としてそのようなユーザーエクスペリエンスも意識しています」

ミッションとバリューへの理解が会社での活躍につながっていく

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2017年の入社から1年余り。瀧口は日本におけるAnkerグループのコミュニケーションデザインに大きく貢献しています。知識ゼロ、業界未経験だった彼女がアンカー・ジャパンで活躍できたのは、会社のミッション&バリューへの深い理解もあったと言えるでしょう。

俯瞰的に自分の立ち位置を見回し、どう行動するのが組織にとってベストなのか。組織にとって合理的な選択をする瀧口の姿勢は、アンカー・ジャパンが掲げるバリューのひとつである、「Rationalism(合理的に考えよう)」を体現しています。そんな彼女の姿勢をみて、社内の人間はこう語ります。

「Ankerグループはいま、Anker以外のブランドを立ち上げ、製品カテゴリーも積極的に広げていますが、社内外の人たちから『Ankerグループはどこに向かっているんだろう?』と思われてしまいかねない状況でした。
そんなときに、彼女はストーリーを紡ぎ、『なぜ今』『なぜこの製品』という答えを打ち出してくれた。これはすごく大きな功績だと思っています」

井戸や猿渡に今までやってきたこと聞き、これまでアンカー・ジャパンを支えたくれたメディアに「こんなこと知ってます?」と聞いてみる。そこで得たインプットをまとめ上げ、社内外の両方に会社やブランドのストーリーをつくり、伝えていったのです。

瀧口は自分のことを「職人気質」と言います。自分が納得しないものを世に出すことはなく、「これでいい」ではなく「これがいい」を優先する。

スピードはもちろん大事だが、皆の思いや努力が詰まった製品やサービスなどを世に届ける最終走者だからこそ、時間の限りメッセージや表現を磨き、社内に対してもお客様に対しても責任を持ってそのときの最善を提案したい。

その考えを持って仕事に臨むことが、結果的に2つめのバリューである、「Excellence(期待を超えよう)」の体現にもつながっているのです。

この考え方、姿勢を持つことが結果的に会社の成長、ブランドづくりにつながり、3つめのバリューである「Growth(共に成長しよう)」を体現することにつながる。そしてミッションである「Empowering Smarter Lives(テクノロジーの力で人々のスマートな生活を後押しする)」の実現にもつながっていくのです。

目指すはリアルヒーローブランド。アンカー・ジャパンだからできる可能性

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この1年でアンカー・ジャパンとしてのコミュニケーションの土台ができ上がりました。ようやくスタート地点に立つことができたからこそ、瀧口も次なる挑戦に一歩踏み出そうとしています。

瀧口 「ガジェットが好きな人、ガジェットに明るくない人。両者が話をした時でも、『Ankerってここがいいよね』という共通認識を持ってもらえるよう、それぞれに合った話題やコミュニケーションの方法を丁寧に考えながらファンを広げていく。
そこが大きな課題であり、大きな挑戦になると思っています。
スマートフォン周辺機器でもオーディオでも、テクノロジー・デザイン・パフォーマンスの3つを兼ね備えた製品はありますが、その3つにこだわるとどうしても価格が高くなり、製品が人を選ぶようになる。その点、Ankerグループの製品は『ちょうど良い』が魅力です。
その『ちょうど良さ』の源は、丁寧にお客様の声を聞いて製品づくりに反映させることを愚直なまでに大切にしている姿勢です。同様の言葉を聞くこともよくありますが、本当の意味での『モノづくりの民主化』を社内のシステムとして確立し、徹底的に実践できている企業は正直そう多くはないと思っています。
等身大のニーズに寄り添ってくれて、一緒にいて頼りになるーー私たちが大切にしていることをより多くの方に知っていただき、さまざまな形で体感していただきたいです」

理想像を一言で表現するならば「リアルヒーローブランド」。それぞれの顧客の生活を支え、手助けする味方でありたい。そんな姿を目指して、アンカー・ジャパンは歩みを進めていきます。

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