世界に誇る企業への成長を目指して。Ankerグループ本社の全貌

2011年、Google出身のスティーブン・ヤンを中心とした数名の若者たちが創業した「Anker」。この本社に在籍しながら、日本法人をサポートする中国人メンバーを取りまとめているのは、フェリシア・タン。2拠点にまたがり活躍する、彼女のストーリーを通してAnkerグループ本社の文化をご紹介します。
  • eight

同僚が使っていたモバイルバッテリーを見て知った「Anker」

8a3bfa0d50804a681c5f8076c755bddd9e83aeec

現Ankerグループの本社(Anker Innovations Limited)が立ち上がったのは、日本法人設立の2年前のこと。創業当初は長沙に本社を構えるのみでしたが、事業の成長とともにほどなく深圳にもオフィスが開設され、2018年現在は2拠点体制、社員数は合計1,000人を超える規模になっています。

長沙のオフィスで働きながら、ときには日本に足を運び、本社のジャパンチームをリードしているタン。本社のジャパンチームにおいて、最短で最も昇進したメンバーです。

そんな彼女がAnkerグループに入社したのは、2016年のこと。2008年に地元・湖南省にある湖南大学を卒業し、自動車会社の販売部門で通訳として約2年働いたあと、オリンパスの深圳支社に転職。オリンパスでは新規製品開発チームのメンバーとして、中国と日本を行き来しながら働いていました。

タン「当時、Ankerのことはまったく知りませんでした。ただ、日本で一緒に働いていた同僚がAnkerのモバイルバッテリーを使っていて。そのとき初めてAnkerを知りました」

また、タンはオリンパスの深圳支社で働くかたわら、広州にある中山大学の大学院にも通い、プロジェクトマネジメントについて学んでいました。「その経験もAnkerグループのポジションに応募するきっかけになりました」とタンは言います。

タン「約6年深圳と日本で働き、そろそろ故郷の湖南省に帰りたいなと思っていて。そんなとき目にとまったのが、Ankerグループの求人でした。同僚のおかげでAnkerのことは知っていましたし、当時プロジェクトマネジメントができる人材を募集していたので、応募することにしました」

数回の面接を経て入社が決まったタン。入社後、すぐに現在のリテール事業のオペレーション担当として、大手クライアントとのコラボレーション製品のプロジェクトにアサインされ、アンカー・ジャパンのメンバーと連携しながら仕事をしていくことになりました。

会社にとって良いことなら、どれだけ難しくてもやる──Ankerの企業文化

452cfc1d2baf2178ffd0c15b2c019725058ebad9
▲ハードウェアメーカーとのタイアップなど、新たなプロジェクトを次々に手掛けています

当初アンカー・ジャパンの猿渡から「そこまで忙しくないから」と言われていたタンですが、入社直後の彼女を待ち受けていたのはまさかの生産トラブル。製品のファーストロットを納品後、クライアントから数十万ピースの追加発注があり、大量の部材を至急調達しなければならない事態に。

タン「クライアントには、売り切れによる機会損失を出したくないので、すぐに製品を納品をしてほしいと言われていました。ただ、部材調達が間に合わない。井戸や猿渡を筆頭に会社全体のリソースを借りて、現場のフォローに走りました」

当時のことを知る、社員のひとりはタンについてこう語ります。

「当時、生産管理や購買部門とタイトなスケジュールの中で調整するのは非常に難しい状況でした。それを入社直後からこなすのはハードルが高いんです。それでもタンは、すぐに関係者と信頼関係を構築し、うまくコミュニケーションを取りながら仕事を進めていました。その調整力には感服しました」

19時30分〜20時頃には多くの社員が帰宅する中、タンは23時頃まで残業が続く日々。そんな彼女を支えていたのは、「会社にとって良いことならば、どれだけ困難な仕事でもやろう」というAnkerグループに根付く文化でした。まさにExcellence(期待を超えよう)とGrowth(共に成長しよう)というバリューの体現です。

タン「Ankerグループで働く人は『自分も経営者である』という精神を持ちながら、会社全体のことを考えて働きます。だから助けを求めたらすぐに応じてくれるし、創業者のスティーブン・ヤンや上司にだって意見することもできます。
一般的に中国では人に頼み事をすると、『これは自分の担当ではないから私に聞くな!』と言われるのですが、Ankerグループでは担当外でもアドバイスをくれるし、誰に相談したらいいか必ず意見をくれるんです。そのおかげで仕事が進めやすかったです。この文化はAnkerグループならではの素晴らしい魅力だと思っています」

Ankerの働きやすい環境と頑張った分だけ評価される仕組み

Dfcd4fddc560ddeb7b96fb02c3f5564acfada269
▲Ankerグループは、今や1100名を超える従業員を擁するまでに成長しました

創業から7年が経過し、従業員数は1,000人を超える中国本社。中国と日本を行き来しながら2年間働いたタンから見ると、Ankerグループには一般的な中国企業にはない魅力がいくつもあると言います。

まず挙げたのがオフィスの設計。中国では一般的に部署ごとにひとつのオフィスを設けていることが多いのですが、Ankerグループはどれだけ従業員が増えてもみんなが同じフロア内で働けるようにしています。それは創業者のスティーブン・ヤン、現社長のドンピン・ジャオも例外ではありません。

タン「経営者であっても、特別扱いはありません。これだけ会社が成長した今でもスティーブン・ヤンは高級ホテルに泊まりません。経費で来日した際はビジネスホテルに泊まりますし、会社の成長に対してお金を投資することを徹底しています」

そうした投資は新規事業へだけでなく、会社の設備投資にもあてられています。Ankerグループ本社は「社員が快適に働けることが、ビジネスの拡大につながる」と考え、福利厚生を充実させています。朝昼夜で食事が出るほか、マッサージ師付きのマッサージルームがあったり、ジムがあったり……。

タン「本社では働きやすい環境が用意されていますが、その分、仕事の成果には厳しい目が向けられます。それぞれの社員に対して期待されているゴールや目標があり、それを達成できているか、努力できているかの評価は、日本以上に厳しいですね」

AnkerグループではOKR(Objectives and Key Results)という目標設定・管理の方法が導入されており、OKRの目標には自分が容易にできることではなく、自分がチャレンジすることを書かなければなりません。高い目標を掲げた結果、失敗してしまう──一般的には失敗は叱責の原因になりますが、Ankerグループでは挑戦による失敗は良いことと考え、良い評価の対象になります。

その他、本社では金曜日の夕方に社員全員が集まり、おいしいデザートや軽食を食べながら、経営陣になんでも聞けるTGIF(Thank God It's Friday)がおよそ2週間に一度、開催されています。

タン「TGIFでは経営方針はもちろんのこと、離職率についての考え方やアメリカのトランプ大統領の2670億ドル対中関税とそれに対する対処の考え方など、一般的に聞きづらいことでも気兼ねなく質問が飛び交います。どんな質問が来ても、経営陣はすべて答える。だからこそ、社員みんなが経営者目線を持てているのだと思います」

期待される将来性。Ankerはこれからもっと成長していく

2c8c4d40c13e9e069da5ce6c0cbda30969a80eb7

入社から2年。入社当初はプロジェクトマネージャーおよび現在のリテール事業のオペレーション担当として、大型クライアントとの共同開発プロジェクトを手がけたり、複雑な社内調整などに従事したりしていたタンですが、現在は中国の2拠点にまたがる日本チームのメンバーを取りまとめる立場にいます。そんなタンは“これまで”を振り返って、こう語ります。

タン「Ankerグループに入って本当に良かったと思います。仕事は大変なときもありますが、それを忘れさせてくれるような素晴らしい組織と人がいます。そして、将来性があります」

Ankerグループのユニークなところとして、インターネットを通じて世界中のお客様に直接製品を販売するビジネスモデルに加え、品質に対するこだわりが挙げられます。多くの人は「中国製品=質が悪い」と思いがちですが、今はもうそんな時代ではありません。

製品開発の際、さまざまな厳しい社内試験に加え、日本のお客様の高い期待に応えられるよう多様な安全試験を行ない、安全に必要な認証はすべて取得したうえで出荷されます。また、各種ツールやシステムで製品の品質を密にモニタニングしながら、Amazonのカスタマーレビューを細かく確認・分析して、品質向上に取り組んでいます。

さらに、Anker独自の基準に従い、ID(Industry Design)という部署が製品やパッケージ内外の設計・デザインに多くのテストを行なったうえで開発するなど、細部にもこだわっています。

ビジネスモデルに加え、品質に対する飽くなき追求──そんなAnkerグループの姿に魅せられ、昨今、アリババやファーウェイなどの大手企業から転職する人が増えてきています。

タン「Ankerで挑戦したいことは、まだまだたくさんあります。メンバーも増えてきて、チーム内のコミュニケーションが難しくなっているので、もっとコミュニケーションを円滑にできるようにしたいです。また、中国本社の部署と日本法人がもっと話しやすくなるようにしたいと思っています」

中国と日本。2拠点にまたがって獅子奮迅の活躍をしてくれているタン。彼女の存在が両拠点の成長を牽引していってくれるはずです。

関連ストーリー

注目ストーリー