創業メンバーとして、二人三脚でモノづくり業界の成長を支えていく

国内初となる精密機器B2Bマーケットプレイス「Ekuipp(エクイップ)」。創業メンバーの吉田慧悟は外資石油サービス会社で石油探査機の組み込み系ソフトウェアエンジニアとして開発に携わっていました。今回は吉田が創業メンバーとなったきっかけや会社に対しての思い、そして自身について振り返ります。
  • eight

楽しい職場が一転、モヤモヤ

7cf92feb995d175b90a6db5c3fadea7ca12c6f61
▲前職時代の同僚と

Anyble 株式会社に2018年5月より正式に加入し、同年業界初となるB2Bマーケットプレイス Ekuipp(エクイップ)に携わることになりました。もともと自分で会社をはじめるなんて気持ちはなかったです。前職での経験や代表の松本悠利との出会いで価値観が変わりました。

前の職場は大手企業だったので、就職して「一生安泰!毎日仕事が楽しいな~」なんて思っていた矢先。突然の原油価格の急落により、その影響が人員整理という形で会社に強く表れます。人員整理は2014年頃から毎年2回ほど行なわれるようになり、たくさんの同僚が次々に去っていきました。

その頃から心の中で次は自分が呼ばれると、常にどきどきした日々を過ごしていました。

それでも、きっと会社の調子が回復すると自分に言い聞かせて仕事をしていたのですが、「なんでこんな気持ちで仕事をしないといけないのだろう」という、モヤモヤした気持ちは払拭できませんでした。

そんな中、代表の松本と出会います。松本とは正直なにがきっかけで仲良くなったのか、まったく覚えていません。いつの間にか話をするようになり、仕事や遊びのアイデアをいろいろ教えてくれる楽しい先輩になってくれました。

ある日、前の職場で休憩していたとき、リストラの流れもあり、「会社辞めたら次なにする?」という話になったんです。その後、「世の中いろんな仕事があるね」という話になり、「自分だったらこんな仕事をしてみたい、こんな会社にしてみたい」という方向に話が広がりました。この会話が起業を意識するきっかけになったと思います。

それからというもの、仕事が終わると起業するうえでどんなことをするか、お互いに意見を出し合いました。とにかく自分が嫌なことや不満に思っていることを普段からメモして、近くのファミレスや居酒屋でミーティング。そして、スタートアップ関連の情報を集めていました。

そんなことをしながら約半年が経過しました。そして運命の日が遂に訪れます。そうです。とうとう自分が呼ばれ、会社を去るときがやってきました。そして偶然ですが、このとき松本も一緒に去ることになります(笑)

IT業界へチャレンジ、そしてAnyble誕生

それから起業に向けて本格的に動き出しました。社名と同じCtoCレンタルプラットフォーム「Anyble」をリリースすることができました。このアイデアが出たきっかけは私たちの知人がモデルです。この人は流行ものが大好きでいつも新しいものやシーズンものを買ってはすぐに倉庫に眠らせ、いつか使うはずだと手放しませんでした。

それだったら使わない期間貸したらいいのでは?と思ったんです。実際、私自身もよく友人からレジャーグッズを借りていました。毎日使うものじゃないので、なんだか買う気もしない。そんな思いがAnybleをはじめるきっかけになりました。

しかし、当然のごとく最初はまったく人が集まりません。もともとIT業界に知識もなく0からはじめたので、すべてが新しいことだらけでなにから手をつけたらいいのかさっぱりでした。しかし、松本とともに日々アイデアの壁打ちや情報収集をして改善してくうちに、ユーザーも次第に集まりだして取引が行なわれるようになりました。

私はもともとプログラマーでしたので、当初はプロダクト(webアプリ)の開発を行なう予定でした。しかし、やりはじめたものの前職の組み込み系ソフトウェアとまるで違い、私自身が立ちあがるまでに時間がかかる必要を感じて降りることを決めました。

2018年8月現在は松本の後押しもあり、カスタマーサクセス、サポート、マーケティングそしてUI/UXの改善に注力しています。人に関連することが多い仕事です。これは振り返ってみると、プログラムの作成や設計書、生産現場用のテストシステムや指示書をつくっているときに「最後にみる人、使う人は自分ではない」という精神でとりかかっていました。

私が開発していたものは自社の人間が扱うものばかりで、真にカスタマーとは呼べないかもしれません。しかし、ヒアリングやレビューを繰り返しながら結果を反映し、満足してもらえるものをつくってきました。私は使う人の気持ちを考える大切さ、おもしろさをこのとき学べたと思います。

この経験や精神は今の仕事にも通じるものだと思っていて、やりがいをもってこの仕事に挑んでいます。そうこうしているうちに、Ekuippをリリースすることとなります。

自分たちの得意な分野を活かそう!

Ekuippはまさに私たちのバックグラウンドが活かせるプラットフォームとなりました。なぜなら計測器は前の職場で私にとってはかかせない商売道具だったからです。

前述した様に私は組み込み系ソフトウェアエンジニアとして働いていたので、開発の際にはオシロスコープをよく使ってデバッグしていました。

他にも長時間のテストを行なう際には各種(電圧、電流、温度、周波数等)データを決まった時間で計測するため、測定器自体をPCからそれぞれ通信によるコントロールで計測値をログに残すプログラムもよく作成していました。

前の職場では様々な測定器が私たちの周りにあり、自然と取り扱いや注意点について学ぶことができました。

こうして私たちは測定器などに触れていくうちに、いつか使うだろうと倉庫に眠っているものがたくさん存在していることを知りました。前職に勤めていた頃は、機器の値段を気にして使ったことなんてなかったんです。調べてみると大体の機器が数万~数十万、そして高いものでは数百万とする機器たちが倉庫でほこりをかぶって放置されています。

それらはお金をはらって校正をし、その大半が二度と使われず、やがて廃棄されていました。当時はこのことについてなんとも思いませんでしたが、前の職場を離れ、これらを俯瞰して考えたとき、事の異常さに気づきました。

もしかしたら他の企業もこのように使用せず倉庫に眠りっぱなしという実態があるのではないか。その逆に設備代を上手に節約して、購入しなくて済むものはレンタルで、安く仕入れられるものは購入したいと考えている企業も多く存在するのではないかと思うようになりました。

そこで、企業間と精密機器をマッチングするプラットフォームEkuippが生まれました。

Ekuippが製造業の未来にもたらす可能性

Defd9e8df91fb1fe91b98441c4693ab140301667
▲国内に留まらず、国外にまでEkuippを成長させていきたいと吉田は語る

Ekuippには、ただの精密機器の売買またはレンタルプラットフォームに留まらず、様々な可能性が秘められています。

たとえば、企業間で取引を行なった場合、もしかしたらそのことがきっかけで新しい交流やビジネスが生まれるかもしれません。そして、まだ試作段階のものをフィールドテスト用に出品し顧客からフィードバックを得ることや、展示品やデモ機として使用されていた正規価格で販売できないものを再度、価値をつけて販売することなど、たくさんの目的に使えると思います。

これは時期尚早ですが、ある程度まとまった機器が出品されメーカーごとにカテゴリ分けができるぐらい品がそろいだしたら、そのメーカーに勤めてリタイアされた方にその機器たちのカスタマーサポートやトレーニングをしていただきたいと考えています。

校正や修理もオプションで用意できたらとも考えています。これは、長い間倉庫に眠っていたもので校正されていないものや、動作しないものが必ずあるはずといった発想から思いつきました。また、多くの企業では毎年固定資産の棚卸があると思います。保管場所などの情報を写真とともに分かりやすく記録することができたら便利です。

そして企業だけとも考えていません、学校や研究機関にコストを抑えて提供、あるいは寄贈できたら、これからのモノづくり業界の一助となるかもしれません。

これらをすべてEkuipp内の機能で満たすことができたらと考えると、単なるマーケットプレイスではなくなると思います。私はこのEkuippにとても可能性を感じています。

現時点では機器を集めている段階です。少しずつではありますが、理解して出品していただいている企業様や興味をもっていただける方たちに巡り合えています。ただ、その一方でB2Bのシェアリングエコノミーに対して、松本と同様にまだまだ浸透していないと感じました。特にこの業界はなかなか難しいものがあると思います。

しかし、まだなじみがないのであれば、私たちが先駆者となればいい。

そうなれることを信じ日々行動し続け、いつの日か日本のモノづくり業界の根の部分をサポートできることを信じています。そして国内に留まらず、やがて国外にまでEkuippを成長させることが代表をはじめ私の夢であります。

関連ストーリー

注目ストーリー