「すべてのビジネスに“使える”AIを」 エンタープライズ事業を立ち上げる

2012年創業のAIソリューションのスタートアップAppierは2017年以降、プロダクトの拡大期に入り成長を遂げています。グーグルを経てAppierに転職した松崎亮は2019年現在、エンタープライズ・ソリューション・セールスのシニア・ディレクターとしてクライアントにソリューションを提供しています。
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ゼロから1をつくる取り組みに参画

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▲Appier Japan エンタープライズソリューションセールスシニアディレクター松崎亮

2017年2月にAppierに参画しましたが、会社のことはAIのスタートアップで有力なベンチャーキャピタルから投資されていることぐらいしか知りませんでした。前職のグーグルもAIファースト、と提言していたので、気鋭なアジアのAIスタートアップということで興味をもったことを覚えています。

Appierがインターネット広告の事業を展開しているということをヘッドハンターから聞いたときは強い興味が沸いたわけではなかったのですが、ただ、AIのエンタープライズ事業を日本で立ち上げるという話を聞いて、一気に興味を引かれました。

グーグル時代の広告営業とアドテク事業の経験を経て、次は何かをゼロから1にすることに取り組みたいと思っていた頃でしたので、事業を立ち上げるというミッションは自分の方向性にマッチしていました。

また、知名度が低いスタートアップという立ち位置であれば、ブランドに守られずとも自身の能力で挑戦ができる、価値を示すことができると思いました。

複数の役回りで足腰を強く

事業の立ち上げディレクターとして入社したものの、本社、日本共にプロジェクトメンバーがほとんどいないので、いろいろな部署のヘルプを借りながら、プロダクトや資料のローカライズや全般的な営業活動からポストセールスのカスタマーサクセスマネジメント、またビジネスデベロップメントと、すべてをひとりでおこなっていました。

右腕が営業、左腕はCSM、両足はビジネスやプロダクトデベロップメント、といった感じでした。

エンタープライズ事業をゼロから立ち上げるに際し、スタートアップなのでなんのガイドもありません。そこで、自分で考えられることをガムシャラにやりました。

最初は、グーグル時代や個人のつながりなどから訪問をしていきながら、まだベータ版だったプロダクトを紹介したり、営業したりしてフィードバックを集めていきました。

また、Appierにとって初めてのエンタープライズ製品(AI予測分析プラットフォーム「アイソン」)の立ち上げで、当初は開発チームも全員台湾にいるので、プロダクトの理解も簡単ではありませんでした。ビデオ会議や電話、メールを最大限に使ってひとつずつクリアにしていきました。

入社当時は一番安いフライトを探しては毎月台湾に飛び、開発者からプロダクトの情報を吸収してそれを日本のお客様に説明する、ということを繰り返していました。

営業やユーザー用の仕様ガイドドキュメントのローカライズはもちろん、契約書も一部自分が書いて法務にチェックしてもらうことまでおこないました。事業の立ち上げ段階では当たり前なのかも知れませんが、この時期に「なんでも屋」の経験をしたことはとても自分にとっての財産となり、良かったと思っています。

やっていることのインパクトが大きく見えるおもしろさ

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▲ESSチームの木村と新規案件についてディスカッション

新規事業立ち上げの大きな壁は、いかに周りを巻き込むかでした。結局はひとりでは事業が進まないので入社後半年くらいは試行錯誤を繰り返しました。

ここで重要だったのは、壁を乗り越えるには、なんとしても成し遂げるという意志だったと思います。自分が諦めたら、そこで終わってしまうので、何かを間違えたり、行き詰まったりしても修正可能であり、諦めない限り道は開けると信じていました。

たとえば、「それは絶対できない」と言われた本社の開発担当者とビデオや電話で何度も話し、ビジネスチャンスやプロダクトにとっての意味などを粘り強くコミュニケーションをしてようやく動いてもらうことができました。最後は意地と気持ちが通じたからこその結果だったと思います。

こうして、初めての契約がとれたのが2017年の夏頃でした。新しいプロダクトをクライアントのサービス上でどう展開したらいいのかを試行錯誤し、本社のエンジニアと時には激しい議論をしました。対立する場面もありましたが最終案の完成までたどりつきました。

ここまでを振り返り、Appierで仕事をしてきて発見したスタートアップゆえのおもしろさは以下の3つです。

● 予期しないことが起こるカオスななかでジェットコースター的な展開を楽しむこと

● 自分がやっていることのインパクトが大きく見えること

● またCEOを含めたマネージメント層との距離が近いこと

特にCEOと直接やり取りができ、プロジェクトの進行やクライアントに採用いただいたときの喜びを共有できるのはとてもありがたいことだと思います。

今後は日本発の製品開発を目指したい

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▲先行型マーケティングオートメーションツール「アイコア」の発表会にて。ウェッブプッシュ機能のデモと製品の特徴を説明

エンタープライズ事業がAppierの将来に向けたプロダクトポートフォリオの柱になるよう、圧倒的に成長させることがミッションであり、やりがいです。

Appierのビジョンは、「Make AI Easy for Business(すべてのビジネスに使えるAIを)」。AIのエンタープライズソリューションを多くのお客様にお届けし、当たり前のように皆様が使えるようにしたいと思います。

Appierは、初期ステージを越え、組織としてもあり方を成熟させる段階に入っています。そして、これからの課題はスタートアップとしての良い点を残し、会社全体を成熟させていくことです。

今後、アイソンを含むエンタープライズプロダクトを担当するエンジニアが日本に常駐する予定のため、日本のクライアントに対して日本のメンバーですべてを完結できるように体制が整えられると思います。

今後はより日本を含めてローカルからの影響力でプロダクトの成長や開発などを推進できるような流れを作っていければと思っています。

自分が属する日本のエンタープライズソリューションチームはこの2年で急拡大しましたが、まだまだ人が足りません。この仕事は、先が見えないなかで自分なりに道筋を立てながら、かつ、新しいことや予想できないことを楽しめる人、不安なことだからこそ楽しめる人には取り組む価値があると思います。

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