人工知能(AI)を活用してオーディエンスのインサイトを引き出す旅行業界のトレンド

AIソリューションを提供するAppierはプロダクトの拡大期に。AppierのAIを使ってオーディエンスのインサイト理解の重要性に目覚めるマーケターを見てきた性全悟史(Josh Shozen)が、旅行業界を事例にパーソナライゼーションがもたらす、精度の高いキャンペーンの最適化について語ります。

デジタル化の進行が消費者と事業者双方に恩恵をもたらしている

▲性全 悟史(Josh Shozen) シニアバイスプレジデント、セールス・Appier Japan

私はAppierに入社する前から、出張やプライベートの旅行の際にオンライン予約サービスを頻繁に使っています。エアラインのみならずオンライン旅行会社のサービスや利便性は高まっていることもあり、オンライン旅行業界は活況をていしています。1ユーザーとして、AIソリューションを提供する会社の1メンバーとして、この業界でデータインテリジェンスプラットフォーム「Axion(アイソン)」を使ったケースをお話したいと思います。

消費者がExpediaやTrivagoなどのオンライン旅行代理店(OTA)、モバイルデバイス、レビューサイトや比較サイトを盛んに利用しはじめたことで、マーケターたちはユーザーの検索ワード、興味関心を把握できるようになりました。また、消費者が複数のチャネルやさまざまなデバイスを行き交うようになったため、習慣や行動もより明確に把握できるようになっています。

人工知能(AI)は、データを利用してユーザーの分析とセグメント化をおこない、ユーザーの意図の特定、行動の予測、類似オーディエンスを通じたリーチの拡大に有効です。多くの情報がデジタル化されたことにより、消費者を観察・理解してキャンペーンの影響力を予見できるようになりました。さらにこのデータをつかって、顧客ごとにパーソナライズしたアプローチ(より適切なメッセージング、優れたタイミングなど)が可能になります。

旅行業界のマーケターが抱く疑問のいくつかに答えるとともに、AIツールがいかにしてデータの分析とインサイトの提供に役立ち、ユーザーのエンゲージメント、コンバージョン率、購入金額の向上につながるかをご説明します。

進化するオンライン旅行マーケティング

▲AIを使えば旅行者の興味関心に合致した情報を選びだし提供できる

オンライン旅行業界の規模は、2024年末までに1.2兆米ドルを超えると予測されています。モバイルプラットフォーム経由での旅行の検索や予約の急増と、市場に貢献する30歳未満の若者の割合が高まっていることが背景にあるといえるでしょう。

自社のウェブサイトに予約機能があるホテルや航空会社は消費者を誘導して、利用してもらうために既存のブランド認知とロイヤルティに頼っていました。しかしここ数年は、仲介業者として機能するOTAの人気が上昇しています。現に、グローバルに先頭を走るExpediaなどのOTAブランドや、中国の国内市場を独占し他の追随を許さないCtripなどは、市場の独占的な地位を維持するために、すでにAIツール(機械学習、データアナリティクス、音声予約など)への投資をおこなっています。

今後数年間で旅行業界が注目すべきトレンドは大きく2つあります。1つ目は、グローバルな旅行の全体的な増加です。2017年は外国人旅行者の到着が7%増加しているうえ、2018年上半期はすでに6%の成長となっています。それに伴い、オンライン旅行業界も成長を遂げています。2つ目は、旅行者が検索や予約のためにどのようにインターネットを利用しているかです。旅行業界に広がる活況にとどまらず、その成長がどこで起きているかをつぶさに観察しなくてはなりません。

また、旅行者は、目的地に着いてからも頻繁にモバイルデバイスを利用して、旅先でのショッピングエリア、レストランの情報を検索し、行き方を調べます。これにより、旅行業界と直接関連性のない地元の事業者にも、旅行者をターゲットにする機会が生まれます。

消費者と旅行ベンダーの関係は常に変化しており、カスタマイズした旅行サービスの提供、より複雑な旅行ニーズへの集中、あるいは運輸業パートナー、ホテル、アトラクションとの既存のリレーションを活用した価値主導型の旅行パッケージ作成に向けて進化していく必要があります。

解決策は、「データを活用して精度高くユーザーをターゲティングする」

▲AIがベストなタイミングとデバイスを特定して消費者にリーチする

データそのものを保有していても、うまく活用ができなければ意味はありません。

そこで、新世代のAIツールは、旅行者が差し出した断片的なデータをつなぎ合わせることで彼らが何を欲しているかをより明確にし、マーケターに実用的なインサイトを提供することで、パーソナライズされたタイムリーなオファーで消費者をターゲティングできるようにします。

Appierのデータサイエンスプラットフォームである「アイソン」は、取引や、過去のキャンペーン結果、ユーザー行動など、過去のデータを利用して将来の行動の指針としてのパターンを導き出すだけでなく、それらの情報を変換して新たなオーディエンスを発見し、今後の活動を予測し、ターゲティングすることも可能にします。

今回はマーケターが抱く6つの疑問について、AIプラットフォームならばどのようにアプローチできるかをご紹介します。

① どのようにしてデータを単一の顧客ビューに統合すればよいのか?

AIを活用することによって、異なるマーケティングチャネルと顧客サービスチャネルから集めた断片的な顧客データを1カ所に統合し、顧客に関する包括的かつ総合的なビューを提供します。これにより、マーケターは、興味、エンゲージメント、コンバージョンを促進する、より適切にターゲティングしたマーケティングキャンペーンを企画することができます。

② どのようにして適切なオーディエンスを特定するのか?

見込み客を特定するうえで、消費者が旅行ウェブサイトなどから過去になにかを購入している必要はありません。先進的なAIモデルは、複数のデバイスにまたがるクロススクリーンの行動の追跡、統合、分析をおこなうことで見込み客を特定できます。

③ ユーザーの意図をどう解釈すればよいのか?

AIは、顧客が購入サイクルのどの段階にいるかを特定することで、ユーザーの次の段階を予測することも得意としています。また、消費習慣や興味などの側面をピンポイントに指摘して、たとえばワインに興味を持っている台北の不動産業者がいつフランスへの休暇旅行の時間を取れるか、マーケターが正確に把握できるようにします。

④ どのようにしてユーザー行動を予測するのか?

AIは、ユーザーの意図と行動を分析することで予測的なセグメントを作成し、オフラインのソースやその他のウェブサイトやアプリからのデータを使用して、ブランド企業の自社オンライン環境の外にある一見あいまいな人口統計学的情報、習慣、興味から新しいインサイトを導きだします。

⑤ どのようにして顧客離れを防ぐのか?

AIツールはまた、今にも離れていきそうな行動をした既存ユーザーを特定できます。これによりマーケターは、顧客維持率を引きあげるためにリエンゲージメント施策をおこなうことで、潜在的な損失を機会に転じることができます。

⑥ どのようにしてリーチを拡大し新規顧客を発見するのか?

AIは、人口統計データを超えた特定のパターンを発見し、習慣や行動を深く掘りさげることができます。これには、キーワードと最近訪問したサイト、旅行に関係のないサイトでの最近の購入履歴などの組み合わせが含まれます。AIは、複数のチャネルやデバイスを横断して分析するので、類似オーディエンスの中でまだ獲得していない見込み客をマーケターが活用できるようにします。

データサイエンスプラットフォーム「アイソン」を、ホスピタリティ業界に

旅行業界はツアー、ホテル、エアライン、鉄道など非常に幅広い企業が含まれ、それぞれがホスピタリティを高め、質の高いサービスを提供するための努力をしています。

利便性の高いウェブサイトをつくるとともに、アイソンのようなAIツールを活用することで、旅行業界のマーケターがキャンペーンを最適化するためのインサイトを得ることができ、あらゆるキャンペーンを成功に導くことができたら、旅行サイトのヘビーユーザーとしても、AIソリューションを提供する企業のメンバーとしても、これほど嬉しいことはありません。

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