社内文化の成熟は企業の成長に結びつく カルチャーアンバサダーが担うミッションとは

2017年3月、Appier Japanは2名の「カルチャーアンバサダー」を任命し、社員交流のイベントを企画・実施する活動を開始しました。この新しい制度が設置された背景と、社内にもたらされた効果について、企業内でカルチャーを育成することの重要性を踏まえながら紹介します。
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「アジアと欧米のいいとこ取りがしたい」 カルチャーづくりにこめられた想い

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▲カルチャーアンバサダー:人事担当 尾上(写真左) シニアディレクター 小山(写真右)

設立当初、Appier Japanのメンバーは日本企業出身者が多く、ほとんどが営業担当、しかも男性社員ばかりでした。当時は数字を追うことばかりが最優先され、社内交流といっても飲み会を開くことくらいしかありませんでした。

その後、女性や外資系出身の社員が増え、部署間での社員交流のニーズが高まってきたことから、カルチャーアンバサダーを設置する運びとなったのです。

Appierは、米国で学んだ台湾出身のエンジニアが創業した会社です。Appierの台湾オフィスは、アジアとアメリカの文化を融合させたカジュアルでフラットな雰囲気にあふれています。

アジア特有の親切で丁寧な振る舞いと、米国企業のもつ率直な発言や役職に関係ないフラットな情報交換が、どちらも尊重される環境です。

日本企業独特の、「トップダウンで物事を決め、メンバーは自分たちが任された範囲内で全力を尽くす」という慣習は良いところである反面、自分たちと関わりのない他部署のメンバーと交流する余裕はあまりありません。

ましてや、業務時間中に他部署のメンバーと交流をもつことなど、とてもできない雰囲気があります。そこで日本オフィスでも、台湾と同じような雰囲気を目指そうと考えたのです。

社内の一体感を濃密なものに カルチャーアンバサダーに託された使命

人事担当の尾上優佳は、カルチャーアンバサダーの任命経緯についてこう話します。

尾上 「 2017年初めに外資系出身のメンバーが複数名入社し、既存のメンバーとは仕事の仕方やコミュニケーションのとり方がいい意味で違うのを見て、とても刺激を受けました。
ちょうどその頃、マネジメントから、『社内交流を活発化させるためにもカルチャーアンバサダーを設置してはどうか』とのアドバイスをもらいました。
そこで、日本オフィス立ち上げから中心となって社員をまとめてきた小山拓哉と、外資系出身で当時の Appier Japan にはない経験やアイデアをもっていた松崎亮を初代アンバサダーに任命したんです」

カルチャーアンバサダーに任命された小山と松崎は、職務のやりがいや重要性についてこう語ります。

小山 「立ち上げ当初は営業職中心の組織構成でしたので、売上アップという共通の目標達成するための連携は取れていました。
一方で、営業を支援する立場のアカウントマネジメントや人事、マーケティングといった管理部門と営業職が、業務外で交流をもつ意識は弱かったように思います。
ここ数年で一挙に増員し、業績面では順調に成長しているのですが、会社としては一体感が薄れていると感じていました。
今回アンバサダーという役割を担うことで、業務の時間内に社員のこと、会社のカルチャーのことを考える機会ができ、非常に有意義でした」
松崎 「 Google で働いていた経験から、人材の活躍やモチベーション、ひいてはそこからなる会社の成長は、カルチャーが大きく関係していることを知っていました。
そんななかで、いくつかのアイデアを日本の社内や台湾本社と構築しているところだったので、カルチャーアンバサダーが正式なプログラムとなったことをうれしく思ったのをよく覚えています」

オフサイト企画が部署間の垣根を外し、ワンチームとしての自覚を育てる

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▲2018年Q3のオフサイトでアスレチックに挑戦

2名のカルチャーアンバサダーと人事が最初に取りかかったことは、メンバー全員参加のお花見企画でした。当時入社が決まっていた新人社員も誘い、芝公園の桜並木の下で、第1回オフサイトを開催したのです。

アンバサダーを中心に、同じ輪に部署内のメンバーが固まらないように配置したこともあり、お花見終盤にはオフィス全体がひとつのチームだという意識づけができたようでした。お花見の後、2次会に出かけるメンバーもいました。

その後も、東京湾クルーズや部署横断で構成したチームによる料理コンテスト、ボウリング大会、フォレストアドベンチャーでのアスレチックなど、多彩なオフサイトが開催されています。

松崎 「 2回目以降、アンバサダーである僕らは予算の処理だけを受けもち、実際の企画・運営、予算管理は新入社員を中心としたメンバーに任せることにしました。
幹事を務めてもらうことで、さまざまな人たちとやり取りをすることにつながり、社員同士の距離が縮まったり、情報共有が円滑になったり、業務にもプラスの変化が出てきたと感じられました。
部署間の垣根を外し、ワンチームとしての自覚が出てきたのではないでしょうか」
小山 「幹事に指名されて面倒くさがっていた社員からも、最終的には『イベントをやってよかった』という声が聞かれました。
限られた予算と時間のなかで自分たちが経験し、工夫したことを、次の幹事に伝えたり、情報交換のミーティングの機会をもつようになったりと、次第に社員たちの意識が変化していくのが感じられました」
尾上 「日本オフィスのリーダーシップの交代もまた、オフィスの雰囲気を変えるきっかけとなりました。2017年 9月にショーン・チュウ最高戦略責任者( CSO)が日本のリーダーとして配属され、社員の交流や情報交換の機会づくりをサポートしてくれています。
料理コンテストでは、チームの中心になってプロ並みにおいしい餃子を 100個以上つくってくれるなど、日本オフィスにとって欠かせないムードメーカーでもあります」

今後の社内カルチャーに必要なのは“データ化”と“言語化”

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▲松崎を加えた3名で、Appier独自のカルチャーづくりのアイデアや意見を交換する

カルチャーアンバサダーとしてオフサイト制度導入に携わってきた小山と松崎、そして尾上は、これまでの成果と今後のビジョンについてこう語ります。

小山 「アンバサダーに任命され、社員の中心になってオフサイトを実施するということは、私にとって予想外のできごとでした。
『与えられた環境のなかで最大限のパフォーマンスを発揮する』ということは、それまでも社員たちが取り組んできたことです。
しかし、オフサイト活動を通して『課題に応じて働く環境や枠組み自体も変えられる』ということは、新しい気づきだったように思います。
最近では、環境づくりにもみずから取り組んでみようとする社員が増え、意識も大きく変わってきました」
尾上「私がこれから必要だと思うのが、カルチャーの “言語化 ”です。Appierの企業ミッションには、『すべてのビジネスで使いやすい AIを提供する』という言葉があり、社員はその実現に向けてそれぞれの業務領域で努力しています。
一方、カルチャーという側面では言語化されたミッションがないので、社員全員が共通認識や方向性をもつためにも、企業文化を表現する “言葉”をつくる必要性を感じています」
小山 「カルチャーアンバサダーに選ばれて約 1年が経ちました。最近では若手の社員が多くなってきたので、今後彼らに引き継ぐことで、これまでとは違った切り口でこの制度を発展させていければいいと考えています。
Appier Japanのメンバーには、自分たちで新しいカルチャーをつくることができるチャンスだということを認識して、自主的・積極的に参加してもらいたいです」
松崎 「企業において、いいカルチャーが育っているかいないかで大きく成長や評価が変わります。
特に社員のモチベーションにつながることを会社が認めたうえで、サポートを行なうことが大事です。
なぜならそういった会社は、社員が自発的にリーダーシップを発揮する文化を育てることができるからです。
特に、より成長スピードが必要なスタートアップにおいては、いいカルチャーの育成はとても重要だと思いますし、私たちAppierのカルチャーアンバサダーにとっても、さまざまなシーンでリーダーシップが発揮される機会が多くなってきたなと感じています」

カルチャーアンバサダー・オフサイト制度を導入して見えてきた今後の課題は、AIの企業らしく、この制度に対してメンバーが成果や評価を“数値化”することの必要性です。

データ化することで、充足している点・不足している点がよりはっきり見えてくるはずです。

マーケティングの用語で「PDCA(Plan Do Check Action)」というものがありますが、カルチャーアンバサダーの活動においてもそれを実践することが重要だと思います。

一方で、メンバーには「自分たちがカルチャーをつくる主人公」としてドライブしてもらえることを期待しています。

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