ルーティン業務を効率化し、新たなチャレンジを! ベンチャー流・働き方改革のウラ側

どんな職種にも、必ず繰り返している同一工程があります。アプリボットでは、そんなルーティン業務を「個の意識改革」によって改善し、新しいチャレンジに活かす「CR」という働き方改革を行なっています。「CR」は労働時間を増やさずに生産性を高めます。そんな「CR」は、アプリボットなりに働き方と向き合った結果、誕生しました。

業務の効率化と新たなチャレンジの推進。その両立に挑む

2010年7月に創業したアプリボットは、「世界震撼」をビジョンに掲げ、スマートフォンゲームを中心にさまざまなものづくりをしてきました。2018年現在は、これまでのサービス運営で培った運用力が発揮できることを軸に、新しい事業に挑戦しています。

競争が激化していく中で新しい事業に取り組むためには、新たなチャレンジをし続けなければいけませんが、一方で、主軸となる既存サービスの運用も全力で行っていく必要があります。時間的制約がある中で、新たなチャレンジの時間を生み出していくという課題がありました。

この課題を解決するイメージを、代表取締役社長の浮田光樹は持っていました。

浮田 「スマートフォンゲームは、リリース後の運用が重要とされています。2018年現在では、3年以上にわたって運用しているサービスもあり、その中には必ずルーティンワークがあります。そこを効率化すれば確実に時間を捻出でき、チャレンジの機会を増やしていけると考えました」

浮田の頭の中には解決するためのアイデアがありましたが、それを会社全体に浸透させるには工夫が必要でした。

組織で大きな施策をはじめるとき、大多数が賛同している状態をつくることが大切です。メンバーとしっかり議論する場を設け、決まった背景を知った上で実行してもらうと納得感があり、組織への浸透力に差が出てきます。

アプリボットには、みんなで決めてチームで実践していきたいアイデアや課題がある場合に議論する場が用意されています。それが「みらい会議」です。

「CR」の誕生と、それを浸透させる施策

▲「CR」全体発表会の様子
みらい会議は、アプリボットの役員がリーダーとなり、社員数名をドラフトしてチームを組み、合宿形式で会社の課題について提案する場です。明確な判定基準があり、一定の点数を超えた提案は必ず実行されます。これまでに子会社の設立や、新サービスの開発が決定されました。

アプリボットは創業してからの歴史が浅い会社です。約250名(2018年現在)いる社員の中でも20代後半の若いメンバーが多くいるため、成長できることがたくさんあります。

一方、まだまだ成長できるというポジティブな面がありつつも、経験が浅い部分をカバーするには、経営側の視点を持って動いてくれるメンバーが同時に必要でした。そのため私たちは、組織で大きな決断をするときには、メンバーを巻き込み、会社全体がひとつになって進めることを大切にしています。

浮田がイメージしていた、チャレンジを維持するための施策は、「みらい会議」に集まったメンバーと議論し、「CR」と命名されました。CRには、「Routine業務を効率化し、Challengeを推奨する」というメッセージを込めています。

みらい会議では、CRだけでなく、それらを推進する施策も合わせて実施が決定しました。主な実施策はふたつ。「CR賞」と「CRハッカソン」です。

▼CR賞:アプリボットでは、毎月「月初会」を開き、月間MVPやベストエンジニア賞などを表彰しています。そこで新たにCRへの貢献を讃えることにしました。候補は他薦で募集し、上限なく、メンバーの取り組みや姿勢を表彰します。

▼CRハッカソン:社内の全プロジェクトからエンジニアが参加し、「効率化につながる機能」だけを開発する1日限定のイベントです。オフィスを離れ会場を貸し切り、開発に集中した結果、約7時間で、14個の効率化を推し進める機能が開発されました。

浮田 「CR賞で表彰に上限や順位を決めないのは、どんなことでも紹介することで、それぞれの仕事に対する姿勢を評価する場をつくり、最終的に全員が取り組む“文化”を作りたいからです。会社の文化として定着したとき、大きな強みになると考えています。 
CRハッカソンは、エンジニア出身の経営ボードメンバーから、『効率化の施策を集中して解決する時間を設けたほうがいい』という提案があり実施したものです。エンジニアは普段から、業務効率が悪いことや自動化したほうがいいことをシステム化していましたが、サービスの開発がメインとなるので、効率化につながるシステム開発については後回しになることもあります。そのためエンジニアが集まり、まとまった時間をとってツールを開発した方が一気にCRを進められるのではという考えからの提案でした」

CRは、組織のルールではなく、個人の意識を変えることで、組織全体の文化にすることを重視しています。メンバーが個々で効率化にチャレンジするほうが、結果としてアプリボット全体に大きなインパクトを残せると考えたからです。

“文化”として浸透させるためには、ひとりの熱狂が必要

▲浮田光樹(写真左)と家門真明(写真右)
CRを語るうえで、欠かせない社員がいます。それが、会社の文化作りを担う統括本部の本部長、家門真明です。彼は、元々ゲームのプランナーや、プロデューサーを4年ほど担当していました。その一方で、半期に一度の社員総会などの社内イベント運営を通して、会社の文化づくりを行っていました。

会社のメンバーが増え、会社として文化づくりが重要になってきたタイミングで、「文化づくりを専門で担う部署」をやらないかと声がかかり、家門はそこに専念することを決めました。

浮田 「家門は社員全員から愛されているキャラクターです。良い意味でいじられキャラでもありますし、いつも一生懸命。そんな家門だったら、アプリボットにCRを浸透していけると思いました。家門のようなメンバーは組織運営にとって、大事な人材です」

CRは、家門の熱意によって、アプリボットに浸透していきます。


浮田 「CRの実施が決まると、家門の日報はCRのことでいっぱいになりました。アプリボットの日報は、業務日誌ではなく、日頃感じていることを書きます。強制はしていないのですが、家門は自主的に毎日CRについて書いていました。そんな家門の呼びかけだから、CR賞やCRハッカソンにメンバーが参加していったんだと思います」
家門 「CRをはじめてから、ウェットなコミュニケーションを大事にしました。時間さえあれば各現場のメンバーに声をかけて、CRっぽい取り組みやCRの意義を話しました。文化として浸透させるには、ちょっとしたことでも『これってCRだね』と声にして伝えることが大切だと考えたからです」

そんな家門の熱意が伝わり、CR賞では毎月20名以上が表彰され、月初会では毎月30〜40個におよぶ独自の改善案が集まるようになります。そして、半年でCRは数々の効率化を果たすことができました。

200個以上の効率化を実現、次に目指すのは新たな挑戦

CRの果たした効率化は、さまざまな職種にインパクトを残しています。

たとえば、イラストレーター。イラストを制作する際、過去に描いた作品と構図が似通っていないかなどを確認しながら描く必要があります。これは人力作業でしたが、エンジニアが画像検索ツールを開発し、作業負荷を大幅に下げることができました。

あるいはデバック担当者。ゲーム開発では、テスト時に模擬ユーザーをたくさん用意する必要があり、人力で行なってきました。そこで必要アカウントをワンクリックで準備できるシステムがつくられました。

またアプリボットでは、使用しているパソコンがMac、Windowsと職種によって異なるため、ファイルの受け渡し時にファイル変換が必要でした。一般に流通しているURL変換ツールでは完璧な互換性を得られなかったため、独自開発し、全メンバーが好んで利用しています。

対象が職種別だったり、ちょっとした手間だったりとどれも些細な効率化に見えますが、半年で200個以上も改善された結果、全体では大きな業務効率化を果たすことができました。しかし、アプリボットのCRは、まだ完結していません。

浮田 「ルーティンの効率化は定着してきているので、今後はチャレンジを活性化する取り組みをしていきたいと考えています。チャレンジといっても個人で異なります。新人のプランナーであれば、新しくマクロを習得して、運用で必要なエクセルを効率的に使えるようになることも挑戦。ネイティヴエンジニアが、新たにサーバーサイドの開発技術の習得を目指すことも、もちろん挑戦です。
将来的には、会社として大きなチャレンジをして、それが結果につながることが大事だと考えていますが、まずはそのきっかけとして、今は個々人のチャレンジが活性化することを重要視しています」

普段の業務にとらわれず、メンバーにとって新しくはじめる取り組みは全部チャレンジ。そんなチャレンジに、各メンバーが一歩踏み出す雰囲気づくりをこれから進めていき、そしてCRにより得られた成果を、新たな挑戦につなげていきたいと考えています。

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