新たなサービスを販売するためには一人ひとりの平準化が急務だった

かつて、人事に関するサービス全般を扱っていた当社が、人事評価制度を専門に販売する会社へと大きく舵を切ったのが2014年ごろ。日本社会の働き方改革のタイミングに合わせて、事業の選択と集中を進めていきました。

当社の人事評価制度のサービスは、お客様にSaaS(クラウドのソフトウェアサービス)を導入していただきます。当時はまだ販売の難易度が高く、30名ほどの社員の中で社長及び数名ほどの部長クラスしか売れない商材でした。

今でこそ人事評価制度のサービスといえば一定の認知度を得ていますが、当時はまだまだ低く、営業担当にはOJTで育成していたものの、ほとんどの社員は売り上げが立たない状態。成約率は1%にも満たず、とても非効率な営業活動が多く、強い課題感・危機感を抱いていました。

また、成果の出る基準を曖昧にしたまま、それまで統一しなかったことも、非効率の背景。抜本的な対策を練らずに来たツケが回ってきたのでした。

この課題を解決するために、「どのメンバーがどの地域でどのお客様をご担当しても、一定ライン以上の成果を挙げられるようにする」ための基準を設けることになりました。不必要な動きを排除し、さらに合理化できると考えたのです。

まず取り組んだのは、「売るためのスキル」をコンサルタントのメンバーに習得させ、会社全体の営業スキルを平準化させること。認定制度を皮切りに、評価マイスターの制定、人財開発部の立ち上げと、組織改革を次々と重ねていきました。

代表のノウハウを筆記テストとプレゼンからなる認定制度に落とし込む

2015年秋ごろから取り組んだ「認定制度」は、いわば構造改革の土台づくり。 認定制度の目的は、継続的に知識を習得できる環境をつくり、形式知化させたノウハウをいち早く身につけてもらうことでした。

トップ営業でもあった代表のノウハウを言語化していくために、週に十数時間のミーティングを数カ月間繰り返し、毎月ブラッシュアップしました。

私たちにとって何が正しい情報やノウハウなのか──各拠点に点在していたノウハウを収集しつつ、「その人だからできることなのか、そのクライアントだからか、その地域だからか」といった部分を見極め、どんどんブラッシュアップしていったのです。また、ご提供するサービス内容の更新に合わせて、常にアップデートを繰り返し、最速にPDCAが回っていました。

学習に50時間以上は要する筆記テストと、認定会と呼ぶ社長の前でのプレゼンを経て、合格者のみが認定資格を取得。認定会の時間は全営業をストップし、代表自ら勉強会を行うことも多々ありました。それほどに会社としては最も大切にし、優先していたイベントになります。

当時は認定されたのが20名程度。この認定を保有しないと営業活動は行えないため、全員が達成義務を負うものです。

この取り組みによって、教育するしくみもマニュアルもまったくなかったところから、代表やトップ営業が持っていたノウハウを徐々に形式知化していきました。当制度を導入してから、認定制度取得後の翌月に即受注するコンサルタントが現れました。型を身につければ自信を持ってお客様を訪問できるようになります。このことからも得られた成果は一目瞭然でした。

現在では、新卒や中途のメンバーに認定取得のための勉強キットを入社前に送付し、事前に知識を身につけてもらっています。勉強キットには筆記テストの過去問やトップ合格をしたメンバーのプレゼン動画、100ページにわたる業務運行マニュアルが含まれています。これをもとに入社後は2カ月間、キャリアの差に関わらず研修を行っています。

評価マイスターのポジションを新設して、より分業体制を推進

2016年春には、評価マイスターのポジションを新設しました。組織のさらなる拡大にともない、営業と内勤の中間に位置するポジションを創設することで、分業をより拡げる動きでした。

当ポジションの新設は、当社サービスの根幹中の根幹である「運用支援のプロ」という立ち位置の確立を促進していくことが主目的。クライアントから継続して契約をいただき、満足度を高めるための重要な役割を担うポジションとして新設されました。

しかし、当然ながら新設してすぐに分業ができたわけではありませんでした。それまで内勤だったメンバーがいきなり完璧に外勤になることは難しく、今でも完全に分業ができている状態ではありません。

それでも、これまでコンサルタントが提案から導入・運用支援まですべて行っていた部分の分業化を進めたことで、コンサルタントの営業に割ける時間は大幅に増えて生産性が上がりました。そして平均残業時間は45時間から20時間へと減少しました。

その甲斐もあって、2019年現在と3年前とでは評価マイスターの職能レベルが異なり、かなり底上げされています。ひとり立ちできるマイスターになるには最短で2カ月から1年弱程度の期間がかかりますが、手取り足取り教えることはありません。訪問同行や社内のマニュアルで勉強してもらいながら、やがてひとりで訪問できるようになってもらいます。

独立して訪問できるようになったメンバーには、手当を支給することで独立を促進し、今ではひとりで訪問できるメンバーもかなり増えました。

また、評価マイスターの管理職(SV職)を新設し、全国60〜70名ほどの評価マイスター・コンシェルジュを横断的に束ね、サービスの向上のための商品開発やスキルの標準化に努めています。

人財開発部の新設で急成長!遠隔Web運用の新しいサービスが生まれた

さまざまな制度を整えてきましたが、現場での即戦力化にはまだ遠かったのです。また、毎月5名以上ずつ、昨年だけで80名ほど採用したこともあり、教育が当社の成長に追いついていませんでした。

そこで、昨年2018年に育成専門の人財開発部を立ち上げたのです。教育業務をすべてそこに集約し、営業の教育をメインミッションとしています。

人財開発部のメンバーにはトップレベルの現場経験者を配置。そのセクションを統括するのは、同じく成績トップクラスの営業部長であり、会社としても非常に大きな意思決定をし、立ち上げた新設部署となります。

人材の平準化を主目的とした専門部署ができたことにより、さらにマニュアルやルールの整備が進み、現場の無駄な動きが低減されました。

現在の運用支援メニューは人財開発部が主体となって設計しています。お客様へのプレゼンを録画した動画視聴による教育制度や、オンラインで同行する遠隔Web運用もここから始まっており、ゼッタイ!評価オンラインのサービス誕生に貢献しました。

これらの取り組みの結果、評価マイスターの給与が月額で平均5万円アップし、キャリアとしても目に見える成長を遂げております。同時に、当社サービスの導入企業も2500社を超えました。

ただし、順調に積み重ねてきたかに見える組織・制度改革も、常に200%成長を遂げている当社では終わりがありません。

これからも個の成長にフォーカスし、目標に挑戦できる健全な社会をつくることに貢献してまいります。