外国人エンジニアを採用し日本企業に派遣する「GITサービス」が拓く未来像【後編】

ヒューマンリソシアが展開する、外国人エンジニアを日本企業に派遣する「GIT(Global IT Talent)サービス」。【後編】では、実際にGITサービスを採用されたローランド ディー.ジー.株式会社様に、採用に至った経緯と現状、そして今後の方向性についてお話を伺いました。
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圧倒的な人材不足のなか、ITエンジニアをどう確保するか

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▲(写真左から)三室さん、牧原さん、マニさん、吉岡さん、ポブンさん、青山さん

ローランド ディー.ジー.株式会社様は、ものづくりが盛んな静岡県浜松市に本社を構える、コンピューター周辺機器を製造するメーカーです。

業務用インクジェットプリンターなどのデジタルプリンティング事業のほか、歯科用ミリングマシンなどを扱うデンタル事業、さらにはメディカル事業、3Dものづくり事業を展開されており、グループ会社を含め世界中に製造・販売拠点をもつグローバル企業です。

ローランド ディー.ジー.株式会社様がヒューマンリソシアのGITサービスを採用してくださったのは2018年春。

グループ会社にあたるDGSHAPE株式会社様は、主にデンタル業界向けの製品を展開しており、その製品開発部がソフトウェア開発に精通した技術者を探していました。

当時のことを、ローランド ディー.ジー.株式会社 人事部のマネージャー・三室辰徳さんはこう語ります。

三室さん 「私たちの会社は、デジタルものづくりをいかに世の中に広めていくかという企業。だからこそ、昔も、そしてこれからも、技術者は当社のなかで重要な人材であると考えています。
しかし AIや IoTという時代の流れのなかで、異業種ですらソフトウェア技術者を採用したいという状況になっている。以前と同じやり方では人材が確保できない状況に陥りました」

同じ人事部の牧原美穂さんも、ソフトウェア技術者の人材不足は想像より深刻化していると語ります。

牧原さん 「人材紹介会社からは『紹介できる人材がいない』『なかなかエントリーが来ない』と断られることも多く、採用は難航しました」

そんななか、ヒューマンリソシアのGITサービスの存在を知ります。求めている技術者とのマッチングができたものの、それは外国籍の方――。

多くの企業がここで二の足を踏むといいますが、採用するにあたり、ためらいはなかったのでしょうか。

三室さん 「外国籍の方が技術系の現場に入って仕事をするというケースは、これまであまり多くはありませんでした。
そのため、『技術者とのコミュニケーション面はどうなるだろうか』と多少心配に思うところはありました。
しかし、もともと当社は売上高の 9割が海外です。グローバルな視点で人材を受け入れていくことは、以前からも行なっていました。
会社としてダイバーシティを推進していくという観点で考えると、GITの方々に来ていただくのは、むしろ当社にとってもありがたいことであると考えたんです」

気になる外国人エンジニアの会話力、コミュニケーション力

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▲現場リーダーの吉岡さん。「一緒に働いてみると、それほど困ることはないですね」

こうして、インドのマニさん、タイのポブンさんの2人が採用され、製品開発部のITエンジニアとしての仕事が始まりました。

しかし当初の不安をよそに、仕事を進めていくうえでの言語やコミュニケーション、文化、慣習の違いなどに、それほど問題を感じることはなかったと言います。

GITの2人と仕事を共にする製品開発部1ユニットのグループリーダー・吉岡史朗さんは、こう語ります。

吉岡さん 「細かい仕様を伝えたりするときに少し時間がかかるときもありますが、多少英語を交えながらコミュニケーションは取れていますね。
マニさんは日本語がお上手なので、ポブンさんに伝わりづらい場合はマニさんにあいだに入ってもらい、英語で説明してもらうことも。
こうして得意な方にあいだに入っていただくだけで、私たち日本人が普段使っている言葉よりも易しい言葉に変換して伝えてくださったりもします。そこはとても助かっています。
社内外へ英語でメールを送る場面では、マニさんにお願いして、間違いがないかチェックしてもらうこともありますね」

コミュニケーションで大きな問題はないものの、仕事の慣習的なところでは違いを感じる部分はあるのでしょうか。

吉岡さん 「おふたりは、疑問点が出てきた場合でも『今いいですか?』と、こちらの状況を伺いながら声をかけてきてくださいますし、マニさんはプロジェクトのなかで仕事をされてきた経験もあるので、日本の技術者の方との差異はあまり感じません。
日々、一生懸命がんばってくださっていますね」

たった3カ月で日本語を習得し、日本企業で働く外国人エンジニアたち

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▲インドのマニさん(左)とタイのポブンさん(右)。吉岡さんと3人で行った浜松城にて

ポブンさんは、日本語をまったくのゼロから学び、日本にやってきたエンジニアです。

日常会話レベルの日本語を習得するには約400~500時間の学習が必要といわれていますが、ポブンさんは、ヒューマングループがタイで運営する学校で、たった3カ月間で日本語を習得しました。

ヒューマンリソシアでは、日本語教育で長年の実績があり海外でも日本語学校を展開するグループ企業、ヒューマンアカデミーのメソッドを活用することで、日本企業で働くために必要な日本語の能力を、短期間で育成することが可能です。

ポブンさん 「日本語は難しいですが、リーダーの吉岡さんは少し英語も話せますし、わからないことは丁寧に教えてくれます。こんなに優しい方々と仕事をするのは初めて。仕事は本当に楽しいです」

一方、マニさんはインドにある日系企業での職務経験も豊富です。今の職場についてどのような感想をお持ちか聞くと、流ちょうな日本語で答えてくださいました。

マニさん「自分の経験上、今の仕事はとても大事です。これまで WPF(Windows Presentation Foundation)というシステムの開発をやってきましたが、この会社に来てからは IoTにも関わっています。困った時には吉岡さんにアイデアを聞いたり、インターネットで調べたりしながらでも、今一番人気のプログラミングに関わることができて、とてもうれしく思っています」

先日、吉岡さんとマニさん、ポブンさんの3人で浜松城に観光に出かけたとのこと。聞けば、親睦を深めるために吉岡さんが2人を誘ったのだそうです。

吉岡さん 「私はおふたりのことが好きですから(笑)。必要に応じて個々にケアしていければいいんじゃないかとは思っています」

マニさん、ポブンさんの仕事への意欲は、プライベートも含めての良好なコミュニケーションから生まれたものだとも言えそうです。

GITの方には、さらに強みを発揮できる部分に関わってもらいたい

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▲「多様性を力に変えていける組織でありたい」と語る人事部の三室さん

GITの方々が現場に入られて約10カ月が経ちます。今後については、どのようにお考えでしょうか。

吉岡さん 「今まさに開発中の製品や技術があるのですが、GITの方々が持っている能力やスキルをさらに発揮できるような部分に携わっていただけたらと考えています。
これまで、ある程度決まっていたことを変更するというフェーズでしたが、もう少しコミュニケーションがスムーズになってくれば、仕様の部分から新たに考えていけるのではないかと思っています」
三室さん 「 GITの方々は本当に、がんばっていただいている、のひとことに尽きます。採用した部署からは非常に良い声を聞いており、その声がどんどん広がっている状態。とてもいい連鎖だと思っています。
われわれもダイバーシティを進めていくうえで、これからは、外国人の方だけでなく女性や障がいのある方など多様な人材に来ていただいて、それを会社の力に変えていければと思っています。
そういった意味では、優秀な GITの方に来ていただくのは既存の社員にとっても刺激になると思いますね」

人事部の青山弥生さんも、社内の声を受け、次のように語ります。

青山さん 「実際に他部署からも、この GITのおふたりのようにご活躍いただける方を探してほしいという声が人事に寄せられています。
一方で考えなければならないのは、イントラネット上の表現を易しい日本語にすることだったり、災害時の安否確認メールシステムの英語対応であったり。
社員全員に、必要な情報が確実に伝わるようにしていくことが重要ですね」
三室さん 「外国籍人材を受け入れる整備はもちろん必要ですが、組織に加わっていただくGITの方、そして受け入れる側である私たち、その双方に良い結果があることがわかりました。
これがやがて組織の力となっていくのが理想。今後も会社のダイバーシティ促進を図っていけたらと思っています」

人材不足が加速するなか、GITは今後ますます広がりを見せるサービス。

だからこそ、もっとわれわれがやらなければならない、強化せねばならないサポート体制があります。

ヒューマンリソシアは、これからも世の中の課題に寄り添い、解決に向け共に走る。そんな企業でありたいと考えています。

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