“CS=問い合わせ対応”の概念を超えて――「お客さまの成功」がビジョン実現の第一歩

中小企業でも成果が出せるサービスとして、株式会社ベーシックが提供しているのがWebマーケティングツール「ferret One」。サービスのさらなる向上のため、2016年4月、専任のCSチームが発足しました。CSマネージャーとしてチームを率いる稲船祐介は、このCSチーム立ち上げにあたり、並々ならぬ熱い想いを持って取り組んでいます。
  • eight

多様なメンバーが集まって、質の高いCSチームを立ち上げるために

3c527a482bab134817f11e37109fc7e9ff20fff5
CS(カスタマーサクセス)チーム責任者の稲船

「ferret One 」にカスタマーサポート(CS)専任のチームが発足したのは、2016年春のこと。CS部マネージャーとしてその立ち上げの中心を担うことになったのが、当社社員のひとりである稲船祐介です。彼は、ベーシックが5年前から開発に着手していたferret Oneの前身となるサービス、「Homeup!」のプロダクトマネージャーを務めていました。

しかし稲船には、CSに特化したキャリアがあったわけではありません。それまではferret Oneに関わるメンバーの数が少なかったこともあり、営業から資料作成、Webサイトのコーディング、イベントへの出演、お客さまのサポートまで、あらゆることを一手に引き受けていました。

稲船 「僕自身はCSチームの立ち上げで、ようやくひとつの場所に腰を据えてマネジメントできるようになりました。CSは会社の顔であり、お客さまの声を吸い上げる重要な部門。まずは、メンバーが同レベルの知識を共有し、お客さまに対応できるようなCSの土台をイチからつくることが使命でした」

しかし最初に集められた10名のチームメンバーは、経歴も出身部署も実にさまざま。CS部とはいえ、お客さま対応ひとつにしても全員が稲船を頼る形になってしまっていました。

そこでまず、彼が徹底して行ったのは、各自が受けた問い合わせ内容をすべて記録していくこと。どのような問い合わせに、どのような回答をしたか。とにかく、メンバー全員がその記録を書きためていったのです。

稲船 「地道な作業ではありますが、とにかく記録することをクセづける。その積み重ねの甲斐合って、半年が過ぎたあたりから、アルバイトではじめて入ってきたメンバーもそこを読めば対応できるレベルになりました。みんなずいぶんラクになっていると思います。僕自身も相談をうける回数が減ってきました」

CSチーム立ち上げは、こうした地道なベースづくりからスタート。その努力が実り、次第にメンバーの成長が見えはじめました。

待っているのではなく、こちらから積極的にお客さまに関わるCS

4113c1a2501de71d1d18695fa9a0f1d328afb20d

あるとき、稲船がメンバーの成長をしみじみ実感したできごとがありました。

ferret One を使っているお客さまの中には、ふだんはITやWebサービスとは縁遠く、操作などに慣れていない方も多数います。そんな方であっても90日でWebマーケティングを実施して成果を出せるよう、CSチームがトレーニングサービスを提供しています。

まずは自社のホームページを作成するところから――しかしそこで、つまづいてしまうお客さまもいるのです。

あるショップオーナーの方は、一度は契約したものの、日々の業務が忙しいこともあり、なかなかカリキュラムが進んでいきません。ネガティブな意見をおっしゃることも多く、CS担当者がずっと励ましながらトレーニングを続けていました。そのお客さまから、ある日「やっぱり解約したい」という連絡が入ったのですが……。

稲船 「辞めると聞いて、担当していたメンバーがすぐに『私が話します!』といってお客さまに電話していて。改めて励まし説得して、解約を思いとどまってもらったことがあったんです。その行動力には僕も驚きましたね」

サービスを使っていただいているお客さまに成果を出してもらえるように、どんどん積極的に関わっていく。この姿勢こそが、稲船の求めているCSのあり方です。

稲船 「僕はCSをカスタマーサポートではなく、“カスタマーサクセス”だと思っているんです。クレームや問い合わせに答えることではなく、本来はお客さまを成功に導くことが僕らの仕事。だから相手からの問い合わせを待つのではなく、こちらからお客さまに積極的にはたらきかけていくような姿が理想だと思っています」

ただ稲船自身も、こうした“カスタマーサクセス”の概念を立ち上げ当初からもっていたわけではありません。ある出会いが、稲船のこの想いを強くしました。

事業の根幹をなすべきもの、それが「CS=カスタマーサクセス」

1802d456e02a6143d2badb80016ad332a54aed41
CS(カスタマーサクセス)チームメンバー集合写真

CS部が発足した後、ferret Oneのアカウント数は一気に増加していきました。そうなるとメンバー一人ひとりの負担がどんどん増えてしまいます。質の高いサービスを維持することだけに注力すると、オーバーヒート気味になってしまう恐れがありました。

稲船 「かといって負担を減らそうと効率化を目指すと、サービスが冷たいものになってしまう。お客さまに手厚いサービスができ、メンバー自身も健全に業務に取り組むにはどうしたらいいか――そのバランスに悩みました。チーム自体の動きも鈍化しているように思えて、僕が明確にCSチームのビジョンを示さなければ、と」

そこで稲船が実行したのが、さまざまな企業のCS担当者に会いに行くことでした。CSに成功しているサービスは、どのような方法で運営しているのかを知るために……。そこで出会ったのが、ソフトウェアの企画・設計・開発・運営などを中心に行う企業でした。

その企業では、CSチームを社内のもっとも重要な役割に位置づけていました。CSのメンバー構成比率も多く、まさにCSが事業の中心でした。

稲船 「創業からさまざまな経験を経てそうなったと聞きました。印象的だったのは、『もし今イチから事業を立ち上げるなら、絶対にCSからつくる』という言葉。僕もCSに携わるようになってから、まさに同じこと、CSこそ事業の要だと実感していたんです」

そこで聞いた創業以来のCSの試行錯誤の変遷は、まさに自分たちCSチームのプロセスと重なりました。話を聞くうちに、稲船のなかで、まだ明確な形になっていなかったCSの目指す姿が見えてきました。この出会いが、「CSとは“カスタマーサクセス”である」という考えを確実なものにしたのです。

それでも稲船にとって、今はまだまだ吸収の時期。お客さまにご満足いただけるサービスをめざし、ようやく見えてきた自分たちの目指す姿をより確固たるものにしていくために、もっと学ぶことがあると他社のCSの現場に足を運び続けています。

稲船のこうした「学ぶ姿勢」は、ほかでもないベーシックで働きながら身につけたものでした。

本質を学びとる姿勢と、想いを共有できる環境がビジョンを実現する

F06063eb8009e93163fc0f96b53441765c62cafa

ベーシック流の「学ぶ姿勢」とは、すなわち他者の成功事例から本質を掴むこと。実際に2015年、社内で“リアプライ”という合言葉が掲げられ、他者に学ぶことが奨励された時期がありました。

ただし表面的に成功をなぞるのではなく、あくまでもその成功の本質を見抜き、自分の抱えている課題に転用できる形にまで咀嚼することが前提です。

稲船 「まったく業界が違ってもいい。そのなかにある、“うまくいっている要素”はなんだろうと自分なりに考え、それを取り入れる。他者に学ぶ、先人に学ぶという姿勢が大事だということです。僕はベーシックに入社してからはじめたのですが、それがすごくいいんです。学びがすごくたくさんある」

さらにもうひとつ、稲船がベーシックのよさだと思っているのはビジョンがぶれないこと。その理由は、何よりビジョンが普段使いしやすいシンプルな言葉で語られるからだと稲船は考えています。

稲船 「今振り返ると“問題解決”というフレーズも普段使いしやすい言葉でした。日常的な会話のなかで『それ問題解決になっている?』など、いちいち格好つけたり、仰々しくなったりせずに使いやすいから繰り返し会話にも出てくる。だからこそ、メンバーへの浸透も早く、深くなります」

会話の中で繰り返されることで、会社のビジョンが自然に浸透していく。そして、自然に全員が同じ方向を見ながら自分たちの役割を実現していく。それがベーシックのスタイルなのです。

会社のビジョンだけではなく、チームのビジョンもそれぞれに定めています。CSチームのビジョンは、稲船が考案したもの。週2回の朝会で、全員で唱和しています。

「私たちはお客さまよりも、お客さまと向き合い続けるチームである。
 お客さまの声は改善の原石。その声から本当の問題を見つけよう。
 お客さまに対する一つひとつの行動がサービスの価値を左右する。
 お客さまとプロダクトを愛し、愛される存在になる」

そして稲船は今、さらに大きな目標を見据えています。ferret OneのCSを率いる立場として、その認識を大きく変えていきたい、と。

稲船 「一般的にCSは、ひたすら問い合わせに応えたり、クレームを受けたりする仕事……と思われがちなのが現状です。何を隠そう、僕自身も以前はそうでしたから。でもいずれ優秀な人材がこぞって集まるような花形の部門にしていきたい。最前線の“カスタマーサクセス”を実現していく――その先駆けに僕たちがなりたいですね」

「世界一Webマーケティングを簡単にする。」――そのビジョンを最前線で体現し、お客さまを成功に導くferret Oneの“カスタマーサクセス”チームであるために。稲船の、そしてCSチームの取り組みはまだまだはじまったばかり。お客さまとともに、さらなる成長を目指していきます。

関連ストーリー

注目ストーリー