「強みに立脚する」葛藤を乗り越え、社内での転身を選んだ人事総務部長の決断

「Webマーケティングを世界一簡単にする」というミッションを掲げるベーシック。2017年現在、その管理本部 人事総務部で組織長を務める新田良のベーシックでのキャリアは、結婚式場検索サービスの事業責任者としてスタートしました。彼はなぜ、一見畑が違うように見える、人事への転身を選んだのでしょうか。
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働き方を大きく変化させた「コミュニケーションの重要性」の認識

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▲ベーシック入社前の新田。Webマーケティングの仕事をしていた

新田 「当時の自分は『ダメな社会人』でしたね。社会を舐めていたところがあるんですよ(笑)」

専門学校を卒業し、4年間のフリーター生活を送った後、2000年に引越会社にWebマーケティング担当として入社した新田。インターネット創世記の時代の波に乗り、Web集客を担当していました。

フリーター時代に独学でHP制作の技術を身につけていたため、仕事でも結果を出していました。しかしどこか斜に構えながら社会や組織を眺めていた彼が「組織人として働く喜び」に目覚めたのは、あるできごとがきっかけでした。

全国にある約30支店のインターネット回線入れ替え工事が決定したときのこと。社内ヘルプデスクを兼任していた新田は、サポートのために全国行脚を命じられます。そこではじめて「コミュニケーションの重要性」に気づいたのです。

新田 「パソコンやネットワークが浸透していない時代だったので、リテラシーが高いとはいえない担当者が多かったんですね。電源の入れ方など、ごく基本的な内容で問い合わせが入る毎日。それにイライラしてしまい、電話でやりとりすると険悪になることも少なくなかったんですよ。

ところが実際に顔を合わせてみると、みんないい人ばかりで。一気に仲良くなり、コミュニケーションが円滑になったんです」

当時の新田に課せられていたミッションは、「インフラ整備」と「インターネット売上の向上」。全国行脚をした後、各担当者とのやりとりがスムーズになったことから、協力体制が築かれ、売上の急増に成功します。

仕事におけるコミュニケーションの力や、コミュニケーションがもたらす可能性と向き合い、「一方的なエゴを捨てなければ結果にはつながらない」と悟った新田。

いかに上手に人を巻き込める人材になれるか――彼の働き方が、大きく変化した瞬間でした。

時代の変化、結果の出ない事業……自分自身を追い詰めてしまった日々

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▲代表の秋山は、何度も新田をベーシックに誘っていた

1社目でスキルを磨いた後に転職し、ベンチャー企業でWebプロモーション責任者、営業、ディレクター、さらには子会社社長を兼任というパワフルな経験を積んだ新田ですが、そこからなぜ、ベーシックへの入社を選択したのでしょうか。

実は、新田とベーシックとの出会いは、当社の創業期にさかのぼります。ベーシックのクライアントだった1社目で、代表の秋山と意気投合。何度も「ベーシックに来ないか?」と誘いを受けながら、交流を続けていました。

2社目のベンチャー企業での経験を経て、新田が次の転職先でどうしてもやりたかったことが、事業責任者として担当業務へ専念することと、インターネットとリアルが融合したサービスを手がけることでした。

この希望が、当時ベーシックが手がけていた結婚式場検索サービスの事業内容と条件に合致し、そこで自ら入社を希望します。2011年10月、彼はベーシックの一員になりました。

ところが、その次に責任者となったWebマーケティング事業で思うような結果があげられず、社会人としてはじめて大きな挫折を味わう日々がはじまります。

ちょうど2012年ごろから、Googleの変化、スマホ時代到来、SNSの台頭など、デバイスやプラットフォームを中心に、市場が大きく変化しはじめました。

ベーシックとして新たなWebマーケティングを模索する中で、それを得意分野として自負してきた彼は、「思うようにいかない」と大きな壁にぶち当たることになったのです。

なかなかサービスが形にならない、いわば足踏み状態が長く続きました。そして2014年に入ると、新田は自責の念から己を問い詰めるようになりました。

新田 「当時を振り返ると、代表の秋山や会社が求めていることに対して、答え合わせをしようとしていただけだったんですよね。顔色をうかがいながら『こうですよね?』みたいな。

それは市場が求めている答えではなかったし、事業の本質ともズレていた。それではどうがんばっても成果につながるわけがありません。でも、当時は自分で自分を追い詰めてしまい、そのことに気づけなかったんです」

そしてあるとき、うつ状態になり出社ができなくなってしまった新田。葛藤の末、秋山に退職を申し出ます。

しかし秋山は「自分の強みについてもう一度考えてほしい」と、彼を引き留めました。

新田 「自分の強みに立脚できないままだと誰も幸せにならない、と繰り返されました。正直、そのときは精神的にしんどかったのですが、しばらく休職させてもらい、なぜ自分は働くのか、自分の本当の強みは何なのか、きちんと自分と向き合うことにしたんです」

自分自身と徹底的に向き合う中で、掴んだ答えは「人事への転身」

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▲採用イベントで登壇する新田。事業責任者から人事へと転身した

「なぜ自分は働くのか」――自問自答し、新田がたどりついた答えは「家族のために」。

新田 「家族を大事にできる人間でありたい。家族に対して負い目を作りたくない。自分にとってこれがもっとも重要な軸であることがわかり、『こういう仕事がやりたい』など、これまで仕事に対して持っていたこだわりが良い意味でなくなりました」

さらに「自分自身の強みは何か」について考えるなか、新田は1社目で経験した「コミュニケーションの重要性』に立ち返ることになります。

社内コミュニケーション活性化の好影響で、売上急増を達成した当時の記憶。自分の強みは事業を最優先に考えるマネジメントではなく、全社的なコミュニケーションを活性化していくことではないか——。

そうした考え方によって、「ベーシックの仲間が、適材適所で生き生きと仕事に取り組めるように尽力したい」という思考へと変わったのです。そこで彼が選択したのが、事業責任者からの自主的な降格と、人事への転身でした。

転身の下支えとなったのは、葛藤を繰り返していた時期に、克服しようとするあまり、弱みにばかり目が向いてしまった自分に向き合えたこと。代表の秋山が繰り返した「強みに立脚する」方向性に大きく転換できたことは、新田の社内キャリアパスを成功へと導きました。

新田 「3週間ほど休職させてもらい、復職するタイミングで、全社メールを送ったんです。今まで何が起きていたのか、自分は今どんな気持ちなのか、ベーシックの仲間にだからこそ包み隠さずすべてを記しました。その結果、温かいメッセージをたくさんもらって……。辞めなくてよかった、と実感しました」

事業がうまくいかなかったから、人事として復帰する……。仲間が受け入れてくれたことで、それを恥ずかしい、と感じる気持ちも消えました。

当時は、奇しくもベーシックが上場へ向けて舵を切るタイミング。管理部の強化が全社課題として持ち上がっていた時期でもあり、追い風が吹いている状況でもありました。こうして、事業責任者から人事担当者としてキャリアチェンジを果たし、新田の新たな人生がはじまったのです。

個々のポテンシャルを引き出し、社内キャリアパスを実現できる環境を作る

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▲チームメンバーと。社員一人ひとりが、自身の“強み”に立脚できる組織を目指している

紆余曲折を経て、2017年現在、新田は人事総務責任者として、ベーシック全体に目を向けながら、さまざまな問題解決に邁進する毎日を送っています。

そんな彼の今の目標は、自身の過去の経験を踏まえたうえで、ベーシックの仲間を導いていける人材になること。それはすなわち、全員が今以上に“強み”に立脚した組織作りを行うことであり、それぞれに眠っているポテンシャルを引き出すことに他なりません。

「目の前の仕事に全力で取り組んでみて、その結果、ダメだったらダメでいい、社内キャリアチェンジしようよ」――そんな声をかけられる会社であることが大切だと、彼は実感しています。

自身が秋山に救われたように、今度はベーシックの仲間のサポートがしたい。それが、現在の新田が抱く想いです。

新田 「失敗を経験したあとの社内キャリアチェンジは恥ずかしいことじゃないと認識してもらい、躊躇することのない環境作りに着手しています。自己否定をするのではなく、自分の強みを理解し、自分自身を受け入れられる人材育成を行うことも重要だと考えています」

ベーシックでは、失敗をとがめる文化はありません。むしろ推奨しています。大事なことはそこから何を学ぶか、次にどうつなげるかです。

ひとつのことで成果が出ないからといって、追い込まれて辞める必要は全くない。「辞める」は、あくまでも最終判断。「自分の本当の強みは何か」を考え続けることで、きっと次の道が見えてくるはずなのです。

「今日より明日がより良くなる。そんな毎日がいい」――新田は明るく笑います。社会の問題解決を行うことのみならず、ベーシックの仲間の充実した毎日のために。

葛藤の日々を乗り越え、「コミュニケーションの重要性」に立ち返り、社内キャリアパスを経て新たな自分の強みに出会えた新田。彼は今日より明日をより良くするために、今日もベーシックで自分自身の仕事と向き合っています。

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