約10年越しの思いを形にーー日本初!子どものための討論塾「Dコート」が誕生するまで

2015年末、株式会社ビッグトゥリーは日本初の小学生・中高生対象の討論塾を福岡で開校しました。今でこそ子どもたちの教育を手がけていますが、私たちは本来、企業研修がメインの会社です。どうしてこのような尖った教育サービスをはじめるに至ったのか、そこには10年の波乱万丈のストーリーがありました。
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ディスカッションの魅力・ディスカッションの教育的意義を見出した大学時代

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▲ディスカッションの教室「Dコート」の授業風景
「義務教育にディスカッションの授業を導入したい」

2006年、創業を決意した大学4年の髙柳にはそんな思いがありました。

髙柳が、ディスカッションにのめり込む最初のきっかけとなったのは、大学の女子寮での経験。社会や政治の話など、毎晩のように同級生と語り合っていたことです。ただのおしゃべりではなく、意見や価値観を交換し合う中で、新たな視点や相手のこと、自分が知らない自分を知ることができる。そんなディスカッションに、髙柳はすっかり魅了されたのです。

この経験から「もっとたくさんの人とディスカッションしたい」という思いが芽生え、自身で討論イベントを企画するようになります。最初は大学構内で始まったこの討論イベントも、徐々に噂を呼び、次第に大学の外でも開催するようになりました(現在も継続中)。

討論イベントを運営する中で、ある重大な変化に気づきました。「今まで新聞を読まなかった学生が、イベント翌日から新聞を読むようになった」というようなアクティブな変化が参加者に起こったのです。

多くのこのような出来事から、髙柳はディスカッションに教育的意義を見出し、教育事業を立ち上げることを思案。在学していた大学のビジネスプランコンテストに応募したところ、見事優勝を果たします。

そして、卒業を間近に控えた大学4年の冬、髙柳は同級生と共にビッグトゥリーを創業したのでした。

創業したものの、“仕事のない日々”が待っていた

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▲講演会風景(2014年)
創業してからの日々は、決して甘いものではありませんでした。学校でのディスカッション授業の導入を目指し、学校を訪問する日々。実績もなければ、まだ聞いたこともない「ディスカッションの授業」に興味を持つ学校は皆無でした。

資金も底をつく中で、「もうやめようかな。……明日まで、がんばってみよう。」となんとかギリギリのところで踏みとどまる毎日……。

そんな中、2008年に企業から声がかかりました。討論イベントのスタッフ育成のために開発したディスカッションコーディネータープログラムや、そのベースにあるコミュニケーション論に興味を持っていただいたのです。

企業での研修実施をきっかけに、私たちはコミュニケーション・ディスカッション専門の社員研修を行なうようになりました。現在の主力事業である、企業研修事業が誕生した瞬間です。

実績と実力をつけてきた9年間、片時も夢を忘れたことはなかった

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▲研修風景(2016年)
2008年からは企業で社員研修を中心に行なう日々が続きました。門前払いで話も聞いてもらえなかった創業時がウソのようです。

大手企業や何十社という企業での社員研修の実績を積み、ようやく会社らしくなっていきました。ただ、企業研修に明け暮れる中でも、髙柳は子どもたちの教育に携わる夢を片時とも忘れたことはありません。

経営が安定してきた2015年、「学校の授業に入れないなら、民間ではじめればいい」と、髙柳は念願だった子どものディスカッション教育に乗り出します。創業から9年の月日が経っていました。

2020年以降の社会を見据えた教育を!

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▲Dコートの授業風景

2015年12月、中高生対象の討論塾「Dコート」を開校。ビッグトゥリーは新たな事業にチャレンジします。

「Dコート」は、放課後に通うディスカッションの習いごと。「総合的コミュニケーション能力」を身につける討論塾です。

「総合的コミュニケーション能力」とは、話す・聞く・読む・書くだけでなく、考える力、新しい価値を創造する力、他者と協力し掛け算する力など広義のコミュニケーション能力と位置づけています。

しかしながら、「ディスカッションをして受験に何か役立つの?」という声が色んなところから聞こえてきます。たしかに、テストの点数を取るというような目の前の課題への対処をする場所ではありません。社会生活など長期的な視点で意味をなす教育なのです。その分かりづらさから、当初は生徒募集で苦戦を強いられました。

髙柳 「これから未来の社会はどうなるでしょうか?予想することは出来たとしても、そのときが来るまで本当のことは分かりません。分からない以上、答えを“教える”ことはできないのです。もしできることがあるとしたら、”共に語り、共に考える”ことでしょう」

1年という時間と共に、少しずつではありますが、Dコートの教育への考え方に共感してくれる保護者の方や生徒さんが集まってきています。

開校から1年が過ぎた2016年12月には、小学生コースもスタートさせました。2017年には、新しい拠点(教室)が増える予定です。共感してくれる方々に支えられながら、Dコートは一歩ずつ確実に前へ進んでいます。

2020年、大学入試が変わります。また、2020年以降、小中高にアクティブラーニングが導入されるようです。「答えのない時代」に向けて、教育はいよいよ大きく変わろうとしています。

私たちビッグトゥリーは、10年以上前の創業時の思いを少しも色褪せさせることなく、2020年以降の社会を見据えています。

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