ワーカホリックだった凄腕エンジニアが、“子育ての主役”になれる「10〜16時出勤」という働き方

中小企業、スタートアップ向けビジネス支援クラウドサービス「Bizer(バイザー)」。そのエンジニアとしてビジネスの根幹を支えている黒澤直樹には、もう一つの顔があり、彼はそれを「自らが選択した理想の働き方」だといいます。そこに至るまでに、どのような人生を歩み、どのようにBizerと出会ったのだろうか。
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双子のパパエンジニアの黒澤

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〜ワーカホリックとして駆け抜けた10年間〜

黒澤の社会人としてのスタートは超大手総研のシステムインテグレーター。大手証券会社、金融機関など、“トラブルがあってはならない”シビアなシステム基本設計を担うセクションで、最新のテクノロジーと向き合いながら、システムの基礎となるフレームワークやパーツ作りを担当していました。

そして自他ともに認める“ワーカホリック”。入社2年目で結婚したものの、家庭を顧みることもなく、仕事に没頭する日々を過ごしていました。システムを作るということの面白さに夢中だったことと、どこか「常に前に進んでいなければならない」という強迫観念も感じていたようです。そんな黒澤の中でもっとも大切な価値は「成長」。自分の知識が増えることが何よりもの最優先事項だったのです。

そんな日々に異変が起き始めたのが、入社10年目を過ぎたあたりのこと。自分が向き合ってきたテクノロジーが“一周してしまった”と感じるようになります。ITの世界は異常ともいえる速度で進化を続け、次々に新しいテクノロジーが登場しているかのように見えます。ところが世の中が求める根幹的なニーズにはいくつかの軸があり、それらはバラバラの振り子のように、同じところを揺れているだけなのです。分散か集中か、システムを所有するか借りるか、専有か共有か、etc.その時々のニーズの集合に合わせたテクノロジーが現れますが、「あのときのアレを今のやり方で焼き直しただけなのでは?」と感じることが多くなりました。

一周したテクノロジーの世界を目の前にして、黒澤は「この先何がきても問題ない」と思うと同時に、“新しい刺激がなくなってしまった”とも感じるようになります。新しい刺激がなくなり、知識の吸収がなくなる。それは「成長」に重きを置く黒澤にとっては、苦痛の日々の始まりに他なりません。

その苦痛から逃れるように、黒澤は新たな領域を求めるために、社内の留学制度にトライ。しかし、激務の合間を縫っての試験勉強は、想像以上の負担になりました。これまでの無理もたたってか過労で入院し、同時に家庭も崩壊。これまで全力で突っ走ってきた日々の代償が“無”という、とても残酷な結果を生み出したのでした。

休職後に再スタートするも、またしても現れた障壁

黒澤は1年強の休職期間の間に様々な思いを巡らし、自問自答を繰り返します。「自分は今まで何が楽しくて仕事をしてきたのか?」「仕事の中に自分は何を求めていたのか?」そんな根源的な問いかけが続きます。

その自問自答の中で、自社のサービスを作るわけではないシステムインテグレーターでは、システムを作った先が見えないというストレスがあったことに気づきます。そして自分が作ったシステムが世の中に対して何ができるのか。そこに価値があると考えはじめます。

もちろん離婚に対する反省もありました。「身体を壊すまで仕事をする必要があるのか?」。答えは否。家族で過ごす時間も大切にしたいし、そもそも長い時間を費やして仕事をすることで価値が高まるわけではないのだと、自らの経験を通じて実感します。

そして当時の黒澤は、顔の見えない同志が罵詈雑言を並べ立てあう殺伐としたインターネット上のコミュニケーションに胸を痛めていました。そこで自分が有するスキルを社会に向けてアウトプットすべきと考えていた矢先、タイミングよくネット上の投稿監視をする会社からのスカウトがありました。自身が求める方向性と合致したと感じた黒澤は、その会社で再スタートを切ることになります。

仕事は順調でした。自らが構築したシステムがどのように社会に寄与しているか、それを目の当たりにすることができました。再婚も果たしましたし、双子の子供が産まれるという嬉しい出来事もありました。夫婦ともに実家が遠いなかでの双子の子育ては大変でしたが、会社は理解ある環境で、ある程度の時短を認めてもらえたのでなんとかやっていくことができました。一方で、基本的に人材の稼働時間に比例した売上となる業種だったため、黒澤一人が優遇されているような気詰まりも感じていました。

子どもが生まれてハッキリした“理想の働き方”

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入社してから4年、始めに期待された役割はほぼ果たしたという満足感がありました。それとともに、奥さんが職場に復帰するタイミングで、今度は自分が子育ての多くを担ってみたいと思うようになり、転職あるいはフリーランスになることを考えるようになりました。

そんな頃でした。妙にタイミングよく、「BizGround」(現在はBizer株式会社に社名変更)を起業したばかりの畠山(代表取締役社長)から連絡が来ます。投稿監視の会社にいた時代、当時GREEに在籍していた畠山は、黒澤のクライアントでした。といっても、面識があった程度の仲。しかし黒澤は、畠山に自身にはない魅力を感じていたといいます。

黒澤 「ミーティングで訪問した時に、受付前の待合スペースで、すべての人に気さくに声をかけて楽しそうにしていました。一気に場の空気が変わる。そんな存在感がある人だと感じていました」


畠山も当時から黒澤が率いるチームの仕事ぶりを高く評価していました。だからかもしれません。起業したばかりでエンジニアを探していた際、「黒澤さんを通じてなら、誰か良いエンジニアと出会えるかもしれない」と感じていたのです。黒澤が転職をしようとしていたことなど、当然知りもしませんでした。

黒澤 「評価されていたことが何よりも嬉しかったし、オフィスに遊びにいってみると魅力的な社員の方が揃っていました。すぐに『この人たちと一緒に仕事をしたい』と思いましたね。2つの会社に勤めていた経験の中で、“誰と仕事をするか”の重要性を強く感じていました」


黒澤は自身の置かれている状況と、仕事と子育てへの考えを畠山に話します。すると「それで全然いいっすよー」と驚くほど軽く、そして早く回答が返ってきます。実は畠山や田中(取締役)も、家庭と仕事のバランスを大切にしており、会社としてそのように舵を切ろうと考えている最中だったのです。

黒澤にとっては、自らが実現したい“働き方”と「BizGround」の方向性がマッチした瞬間。渡りに船と入社を決意します。

ここは自分が“なりたい姿”を実現する場所

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こうして黒澤が入社をしてから、「BizGround」のオフィスワークのコアタイムが正式に10時~16時に決定。オフィスも社員それぞれの自宅の中間地点である、神保町に移転しました。

もちろんそこには、畠山の“経営者”としての考えもありました。働ける時間が限られている社員こそ、その時間を最大限有効に使ってくれる。子どもがいることで責任感も大きく、「なぜ出社するか」を明確に意識してくれる。だから畠山は社員たちに絶大の信頼を寄せています。それもあってか自然と、採用条件は「35歳以上のパパ・ママ」になったといいます。

子育てと仕事の両立って大変じゃないの? と聞かれることもあります。しかし黒澤は、「自分の仕事はいつでもどこでもできる。子どもの面倒を見ながらPC作業をすることも可能なので、大変だなんて感じたことはありません」と答えているといいます。保育園の送り迎えをするために、会社にいる時間は基本的に10時から16時。その他の時間は自宅で作業。子供が病気になった際は在宅勤務ができます。

黒澤は、最近よく言われるような子育てに参加する“イクメン”という言葉には違和感を持っていました。“子育てを『手伝う』とか『参加している』とか、 そんな自由参加みたいなものは子育てとは言わない。自分は主役ですよ”と。
かつての黒澤にとって、職場という環境こそが自分が“主役”として立つ舞台でした。しかし今は、子育てこそが、黒澤のメイン舞台なのです。

しかし「成長」を大事にする価値観は変わりません。女性が子育てでキャリアが途絶えてしまう現状に疑問を感じ、この「BizGround」という環境で、そして「Bizer」というサービスを通して、「新しい働き方」を作っていきたいと語ります。そんな今だからこそ、

黒澤 「僕にとって『Bizer』は、新しい働き方を支援するもの。そして僕自身も新しい働き方を実践している一人です。自分が作りたい、実践したい世界観と会社のビジョンが一致している。そういった世界ができあがっていく段階を今、経験しようとしているのです」


黒澤自身が今もっとも感じていたい「成長」は、この「BizGround」というベンチャー企業の「成長」とリンクするものです。働き方も学び方も、社員の幸せを自分たちで追求することができる。その幸せを全国の中小企業に提供していくことができる。

黒澤にとって「BizGround」は、自分が“なりたい姿”を実現する場所なのかもしれません。

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