“未来の自分”に会いに行く。インターンが見た世界との働き方

2016年から始まった、ボッシュ株式会社によるグローバルインターンシップ。選抜された理系の大学生・大学院生たちは、東南アジアにある拠点で開催されるインターンシップに参加します。現地社員と共に過ごす2週間、彼らは何を学び、何を身につけるのか。海外研修ならではの気づきと成長を追いました。
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“グローバルで活躍する”とは何かーー海外を肌で知るために参加

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▲2018年のグローバルインターンシップに参加した学生たち

2018年8月、大学や大学院に籍を置く理系の学生21人が、ボッシュが展開するベトナムとタイの拠点に出発しました。

彼らが参加したのは、経済産業省や厚生労働省などが後援する「第1回 学生が選ぶインターンシップアワード」で優秀賞を受賞した、「グローバルインターンシップ」。

このプログラムは世界で活躍するエンジニアの育成を目的としており、学生たちは海外の現地法人で開発業務を体験します。

日本国内を拠点とする他のインターンシップと異なるのは、コミュニケーションがすべて英語で行われることと、研修先では学生が3人1組のチームとなって活動すること。

インターンシップ中には、チームごとにミッションが与えられ、最終日にはその結果をトップマネジメントに向けて英語で発表。優勝チームが決められます。

ミッションの内容は、自動車や二輪車の部品を製造するボッシュでの実務に即したもの。メンバーで役割を分担するなど協力し、チームで助け合うこともミッションの一部です。

すべてのコミュニケーションは英語で行われるものの、参加する学生の英語力には制限を設けていません。たとえ英語が苦手でも、“挑戦”することに価値があると私たちは考えているからです。そのため、これまで海外に行くチャンスがあまりなかった学生にもぜひ積極的に挑戦していただきたいと考えています。

エンジニアとして、グローバルで働くためには何が求められるのかーー。学生たちは自分で課題を見つけ、チームメイトの力を借りながら、お互いに補い合ってミッションを進めていきます。

参加者 「国籍や大学など、さまざまなバックグラウンドを持つ人と一緒に働くことで、世界で活躍するためにはどんな力が求められるのかを知りたいと思い、参加しました。
また私は、社会に出て実際の現場で求められるスキルは、大学の研究室で学ぶスキルとは全然違うだろうと感じていました。このインターンシップでは、社会で必要とされるスキルを身につけたいとも考えています」

海外での研修をより有意義なものにするため、学生たちは事前に3日間の国内研修でボッシュへの理解を深め、それぞれがインターンシップに参加した目的やどう成長したいかを発表し合うなど、準備を整えてきました。いよいよ、彼らのグローバルインターンシップが幕を開けます。

言語だけではない。学生たちが向き合う“価値観”の違い

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▲インターンシップ中は、3人1組でミッションに取り組む。各チームにはメンターとして現地の社員がサポートにあたる

ベトナムやタイに渡った学生たちは、日常生活では寝食を共にしながら、職場ではチームでミッションに挑みました。

与えられるミッションは、エンジンソフトウェアの適合やトランスミッションのCAN通信分析など、実際の開発プロジェクトに即した内容。現地社員がメンターとしてサポートにあたりました。

ミッションは現地社員のメンターと学生を中心に進められます。日本人社員も同行し、困ったときにはサポートします。

学生たちは海外研修で、英語でのコミュニケーションや、知識も情報も持たない状態からのミッションの完成など、数々の困難に立ち向かいます。

ミッションには、与えられた期間をフルに使わなければ完成できない難易度と、現地社員とのコミュニケーションが必須になるトピックが設定されています。参加した学生たちは、挑戦と失敗を繰り返しながら、自分なりの学びを見いだしていきます。

参加者 「ミッションは非常に抽象的で、完成するためのすべてのステップを、ゼロから自分たちで考えないといけません。どんな小さなステップでも深く考えることが求められ、考える力がついていくなと実感しています」

さらに学生たちはミッションを進めるなかで、現地社員とは言葉の違いより強固な、“価値観の違い”があることを学びます。

参加者 「海外で働くにはお互いを理解し、価値観の違いを埋めなければ仕事は進んでいかないと感じました」
参加者 「技術については基礎的な内容であっても、全員が同じ知識を共有していることは稀です。説明を聞いて考え、その場で質問して認識をすり合わせるという、日本人はあまり経験していない姿勢が、グローバルな環境では求められると感じました」

同じミッションに取り組んでいても、前提としていた環境や条件は全然違っていた、ということも少なくありませんでした。学生たちは言葉を交わし、お互いの違いを認識したうえで作業を始めることが、実務では非常に重要なプロセスであることも学びます。

多様な人たちと働く経験が、人生の選択肢を広げた

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▲最終日には、学びのアウトプットの場として、英語でのプレゼンテーションを行う

2週間に及ぶカリキュラムの最終日、学生たちは自分たちが取り組んだミッションについて、現地のトップマネジメントに向けて、英語でプレゼンテーションを行います。

2018年にベトナムで1位を取ったチームは、ボッシュの製品である電気ブレーキブースター「iBooster」の性能評価のミッションを担当。自動車メーカーの要求水準を満たしているか、状況別に調査しました。知識だけでなく、チームでのコミュニケーションやプレゼンテーションの構成、話し方なども評価の対象となります。

優勝チームの学生 「今回のインターンシップでは、英語で業務を進め、どれほどのアウトプットができるかが私にとっての挑戦となりました。普段はチームメイトに迷惑をかけることもありましたが、最後のプレゼンテーションでは自分の役割を果たせたのではないかと思います。
また新しいことを学び、毎日楽しい気持ちで仕事に取り組むことの大切さに気がつけたことも、大きな成果だったと感じています」
参加者 「ミッションは達成すること以上に、どう達成するかというプロセスや、取り組み方が大切だと感じました」

参加者のなかには、2週間かけ、異国の地で初めてのミッションに取り組む研修に、不安を感じていた学生もいました。けれど最後のプレゼンテーションを終えた彼らの心を満たしたのは、自身の成長や発見、課題を乗り越えたときに感じるやりがい、チームで働くことの難しさとおもしろさでした。

私たちボッシュは、多くの学生たちにとって、このインターンシップを「挑戦や失敗、気づきや成功など多くの経験をもたらし、自己成長を促すものにしたい」と考えています。

その想いのとおり、学生たちは数々の試練に立ち向かいながら、目の前にあるミッションだけでなく、自身の働き方や人生の選択にも目を向けていました。

その過程でもまた、「自分たちとは違う国籍とバックグラウンドを持つメンターが、今までになかった生き方や選択肢について話してくれた」と参加した学生は振り返りました。

関わった人たちとの絆が、大きな成長につながった

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▲現地の社員や寝食を共にした仲間との出会いは、学生たちにとってかけがえのないものになる

グローバルな業務環境、多様なバックグラウンドを持つチームメイトとのコミュニケーション、仲間への信頼、そして仕事へのやりがいーー。

帰国した学生たちからは、「“世界を相手にものづくりをするエンジニア”に、どのようにアプローチしていけばいいかをあらためて考え直すことができた」「(将来の)目標が見えてきた」「以前より自分に自信を持つことができた」といった前向きで力強い声が聞こえてきました。

海外での経験によって成長の大きな一歩を踏みだした学生たち。そしてその成長を支えたのは、一緒に参加したメンバーと、参加者を支えたメンターの存在でした。

参加者 「インターンとして参加したメンバーがとても優秀で、強い刺激を受けました」
参加者 「チームのメンバー 3人がそれぞれの役割を担って作業を進め、最後にそれらを組み合わせて完成した UIを使ったとき、すごく嬉しかったことが印象に残っています」
参加者 「出会ったエンジニアの方々は皆さんとても親しみやすく、仕事に対するパッションがあり、いきいきと議論し、活躍されていました」

また、このインターンシップを担当した人事部門長の新井信行は、インターンシップの意義をこう語ります。

新井 「グローバルな環境は、日本にいるよりも実際に海外に出た方がより深く味わえます。海外に出ると、最初は受け身だった学生も、はっきり話し、積極的に聞く姿勢がないと仕事が進まないと気づくのです。
自分から積極的に現地のメンバーと関わることで、多くの学生が考え方に影響を受けたと話しています。この研修が国際感覚だけでなく、学生同士や国境を越えた人との相互理解を深めるきっかけとなっていることを、私たちボッシュも嬉しく思っています」

2017年のインターンシップに参加した学生の7割以上がボッシュの新卒採用に応募。プログラムに参加してボッシュのことを深く知るほど、多くの学生がボッシュで働きたいと感じていました。

また、インターンシップでの経験がきっかけとなり、海外へ短期留学に行く学生も少なくありません。

インターンシップの固定概念を打ち破る研修は、学生たちの新たなスタートの大きなきっかけとなりました。今後も私たちボッシュは、このインターンシップを通して学生たちが新たな自分に出会える機会を生み出しつづけます。

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