ファンとブランドをつなげるコミュニティの生まれた背景

▲オートモーティブアフターマーケット事業部広報の増田 かおり

この「Bosch Night」に集まった方々とボッシュをつないでいるひとりが、オートモーティブアフターマーケット事業部広報の増田 かおりです。 きっかけは、現在カー用品店で販売されているバッテリー、ワイパー、フィルターなどボッシュのアフターパーツの認知を拡大するために企画された「ボッシュプレミアムアンバサダー」プログラムでした。

この「ボッシュ プレミアムアンバサダー」プログラムは、ボッシュのことをあまり知らない国産車オーナーの皆さんにボッシュを知ってもらうために、さまざまな関心レベルのボッシュファンの皆さんに年3回のミーティングで製品の裏話やブランドストーリーを学んでいただき、率直な感想や学びをSNSを通して発信していただくことを目的としていました。

HPの公募を通して1年間一緒に活動していただくアンバサダーの皆さんに集まっていただき、このプログラムを2年間行いました。この活動を通して、アンバサダーの方々に新しい発見による多くの発信をいただき、新製品の認知向上につながりました。

その中で次への課題となったのが、3年目となるとひとつの事業部では提供できる新しい情報に限界がある点と、出席されるボッシュファンの皆さんの中には「日々の生活に役立つ楽しい情報を知りたい」方々と、「ボッシュの技術の知識を深めたい」というふたつの異なる目的が存在しそれぞれの興味の中心が異なるという点でした。そのため、継続するためのコンセプトを見直そうとしていました。

そんな中、アンバサダーのひとりで、個人的にもコミュニティーマーケティングについて学ばれている松本 昇さん(普段はIT・通信のコンサルティングに従事)から、アフターパーツに限らず「知識を深めたいボッシュファン」は知的好奇心と行動力が高いので、同じ興味を持つ方々同士でつながり語り合えるミートアップイベントを行いたいというご提案をいただきました。

松本さんは昔からボッシュブランドのファンだったと語ります。たまたま個人のSNS でボッシュロゴが入ったアイテムを投稿した際、国内外のコミュニティーマーケティングの伝道師である小島 英揮さんから「そこまで好きならば、ボッシュのコミュニティやってみては?」と提案を受けました。

コミュニティ運営をやってみたい、そう思っていたところに背中を押されたことがきっかけだったそうです。ボッシュはこれまで企業としてB2C向けのイベントを活発に行ったことがなかったので、一事業部の増田は、他事業部やコーポレートの協力を得つつ継続して開催できるか不安がありました。

しかし、長い間ボッシュを応援してくださるファンの皆さんとのつながりを、強めることがブランドとしてのロイヤリティーであり、ブランド力を高めるサポートとなることをコーポレート広報チームや、テーマとなる事業部に説明し賛同を得ることができました。そして、運営の協力を得て2018年末に「Bosch Night」が立ち上がりました。

知的好奇心、車やバイクへの熱量の高いファンたちが自立的に活動する理由

▲コミュニティメンバーの「知りたい!」に応えてバイク技術について語るボッシュ社員(Photo by Toya Ageishi)

Bosch Nightに集まるファンは自動車・バイクが好きな方、IT関連の方々です。ほかにもテクノロジーへの興味のある男性、女性、学生の方など、開始から1年後の現在では約40名が参加されており順調に参加者が増えています。

イベントでは、各回のテーマを元に、ファンの方が体験したボッシュシステムや製品のお話を熱く語っていただき、ボッシュからは、実際現場で活躍しているエンジニアからのホットな情報などを紹介しています。

このイベントを通して参加された方に多くの発見をしていただき、SNSで発信いただくことで今後も新規の参加を増やしていきたいと考えているそうです。

このコミュニティを運営するコアメンバーはボッシュスタッフも含め約15名。Facebookでグループをつくり、イベントの企画やコアメンバー同士の意見交換はメッセンジャーで楽しく行われている。

小島さんからは多くの経験からアドバイスをいただきながら、コミュニティーを大きく、持続可能なイベントとできるようにそれぞれの回のテーマと企画を練って、次回はどうしたらもっと良くなるかを話し合っています。

テーマはコアメンバーや参加者の方からヒアリングを行い、ボッシュ側のスケジュールと調整しながら構成しています。第1回は「EDR(Event Data Recorder) とCDR(Crash Data Retrieval)」 、第2回は「ボッシュの2輪に関する最新技術」、第3回は「自動運転、自動車の標準化」がテーマでした。

松本さん 「とくにボッシュの提供している自動車、バイク向けのシステムや製品は、直接ユーザーの目に見えにくいため、Bosch Nightはファンにとって学び、知ることができる貴重な機会だと思います」

ファンがファンを呼び、自然と拡大していく

▲Photo by Toya Ageishi

イベントの最中は参加した方々がTwitterなどで、ボッシュについて新しく学んだことや感じたことを熱い想いとともにSNS上に発信することで、参加できなかった方もあとからタイムライン上で追うことができます。それを見て次回参加をしたい方が集まってくることもあり、ファンがファンを呼ぶことでコミュニティが広がっていきます。

松本さん 「本当にイベントが実現できるのだろうかと開催までは不安でしたが、チャレンジしてみてボッシュの従業員の皆さんや、ご協力いただくコミュニティメンバーのおかげで『参加して良かった』と感想をいただき、実施したかいを感じました。

リピーターの方々も数多くいらっしゃって感謝しています。今後も継続的に続け、このコミュニティから仲間を増やしていきたいです。今後は、コミュニティのイベントを東京以外で開催することや、他のコミュニティとのコラボレーションを実現したいと思っています。

個人的な希望はモーターサイクル事業部のテストコース見学とか、いつかボッシュのドイツ本社訪問なんかできたら夢のようです」

ブランドとファンが共に成長できる場

▲café 1886 at Boschの店前に並ぶイベント参加者のバイク(Photo by Toya Ageishi)

こうしてファンによるコミュニティが自立的に活動を続けていますが、イベントが継続する理由を増田はこう語ります。


増田 「一番大切にしていることは、各回のコンテンツのクオリティーを高め、一緒につくり上げ参加してくださっている方に『参加したかいがあった、楽しかった。』と思っていただける機会をつくることです。

立場的に自分の事業部の製品紹介やイベントのKPIなど社内的に求められる要素は理解していますが、それを軸にすべての運営を行ってしまうと運営グループや参加される方のプレッシャーになり、テーマが偏って参加される方の興味が薄れ結果的に持続可能ではなくなってしまうと考えます。

また、ブランドを広く知ってもらうためには、一事業部だけの働きでは限りがあるんです。他事業部やコーポレート、また国内外でも活動を理解し応援してくださる方々など、社内で協力を得られる環境にとても感謝しています」

ユーザーに対して良い製品をダイレクトにアピールすることは大切です。一方で、長年応援してくださるファンの方々の熱意に応え、ファンの皆さん同士のコミュニケーションが盛り上がるよう裏方としてBosch Nightに携わることが、ボッシュへの理解を深め、また信頼を築く機会になるという象徴的な取り組みでした。