多様な文化を尊重する組織風土に魅力を感じ、ボッシュにエントリー

▲モーターサイクル&パワースポーツ事業部門 製品広報の平野 亜実

2013年にボッシュ株式会社に入社した平野 亜実。大学では、文学部で西洋史や歴史学を専攻していました。まったく理系のバックグラウンドを持たない平野ですが、大学時代に他大学と共同でEUを研究したことが、ボッシュと出会うきっかけになります。

平野 「この研究で、ヨーロッパの歴史や文化、経済などに触れて、『ヨーロッパっていろいろな文化や歴史を持っていておもしろいな』と興味が高まりました。その影響から、ドイツへ交換留学に行って、そこでさまざまな国から来た人たちと出会い、一緒に学んだりするうちに、『多様な考え方を持つ人たちと何か一緒に取り組むのはとても楽しいな』と思ったんです。

それで就職活動をする際にも、いろいろな文化や背景を持つ人が働くグローバル企業に勤めたいと考えるようになりました」

「ドイツに留学したのも何かの縁」と、平野はドイツ系の外資企業のリサーチを開始。「多種多様な文化が混ざり合った環境で、かつ理念に共感できる会社はないか」と調べていく中で、ボッシュと出会います。

平野 「私が就職をしたときは、今ほど転職が当たり前ではなくて。だから、長く働き続けるためにも、企業理念に共感できる会社が良いと思っていました。その点、ボッシュは公式サイトで自社の特徴や考えを『知らないともったいない7つの理由』として打ち出していて、とてもわかりやすかったです。その中に『多種多様な文化と人を尊重する』といった、自分に引っかかるワードがたくさんあったことを覚えています」

他の企業も検討しつつ就職活動に取り組んでいた平野でしたが、「ボッシュを受けよう」と決心する出来事がありました。

平野 「学生向けのセミナーで、後に上司になる女性社員が講師として来られていたのですが、その方が、まさに自分が思い描く憧れの女性像だったんです。簡潔に言うと絵に描いたような『グローバルで活躍する働く女性』といった感じで。その方のようになれたらいいなと思ったのが、ボッシュで働きたいと思った決め手でした」

平野はその憧れの女性が働いていたシャシー システム コントロール事業部でキャリアをスタートさせます。

さまざまな国の文化を理解しながら仕事を進める難しさを経験

平野が配属されたシャシー システム コントロール事業部は、自動運転や横滑り防止装置(ESC)などの自動車のシャシー技術に関連する製品を開発、製造する事業部。平野は、そこのマーケティング部に配属され、製品広報を2年半担当することになります。

平野 「シャシー システム コントロール事業部での主な仕事は、製品の取材対応や展示会での説明や準備といった宣伝広報に関わること全般でした。この事業部のビジネスにおける本拠地はドイツなので、広報の担当エリアとしては日本とASEANという限定された地域でした。そのときは、日本のマーケットに特化した広報を、状況に合わせて考え、新しいアイデアを企画提案していくような仕事でした」

その後、平野は2015年に、モーターサイクル&パワースポーツ事業部門に異動します。この部門は、ビジネスの拠点となるグローバル本部が日本になるので、前部署と違って、今度は担当分野が一気にグローバル全域に。日本から各地域の状況を見て、それぞれにあった広報戦略を考える必要がありました。

平野 「同じ“製品広報”でも、どこの所属になるかで、業務範囲は大きく変わります。今のモーターサイクル&パワースポーツ事業部門では、日本にいながらさまざまな地域に対し、その地域の文化を学びながら、そこの市場に合った広報のやり方を現地のマーケティング担当と協力して進めています。日本とは違ったものの捉え方、価値観に触れられることにすごく魅力を感じています」

一方で、グローバル担当ならではの大変さも。各国でイベントの準備期間が重なると、一日中いろいろな国の広報担当と連絡を取り合うことになります。

平野 「朝はASEANのことを話していたのに、午後はイタリア、その後アメリカのことを話してと、時間に追われながらもどうにか形にしていく。それぞれ状況が異なるので、そこをどうまとめていくか、非常に難しさを感じていました。

また、『インドネシアではこうだから』とか『中国ではこうだから』と言われる場面が出てきたときに、自分にその国の文化に対する理解がないとどうしてもぶつかり合ってしまう局面も出てしまったりもして。最初のころは、自分の意見をそのまま相手に押し付けてしまうこともありました」

しかし、その状態では物事はうまく進みません。そこで、先輩社員などまわりに相談することで得たアドバイスを自分なりにかみ砕いて、アプローチの方法を変えていきました。

平野 「何よりも、まずは相手の意見を聞くことに徹しました。話を聞いて相手のことを理解することから始めて、相手が本当は何に困っているかをわかった上で必要な手を差し伸べる。そうすることで、信頼関係を築き、状況は少しずつ変わってきましたね。

やはりボッシュはみんな本当に個性的。自分の意見を押し付けようとするとだいたいぶつかりあってしまうので、まずは聞く。それが国をまたいでコミュニケーションをする上で、重要なポイントのひとつかもしれません」

年齢で自分を制限しないで──上司の言葉で決心したマネージャー就任

メンバーとときにはぶつかったり、うまくいかなくて挫折を感じたりしながらも、一歩一歩確実に成長していった平野。自分なりに問題解決に向き合いミッションを成し遂げ、自分の業務範囲にとどまらずに、どうすればボッシュとして、チームとして結果が出せるのかを考えて動くようになっていきます。そんな姿が評価され、平野は2018年に「マネージャーをやってみないか?」と打診を受けます。

平野 「親しい友人からは『マネージャー向きではない』と言われていたし、自分でもまだスキルも経験も足りていないと思っていたので、非常に葛藤しました。実は、一度上司にも『早すぎます』と伝えたんです」

主な取り組みのひとつとして「Drive Diversity」を掲げるボッシュ。ボッシュにとって、性別や文化などに関わらず誰もが活躍できる環境づくりは、役員や現場メンバーを交え“ワンボッシュ”として取り組むべき案件となっています。平野を含め、従業員の年齢や経験、性別などは昇進には影響しません。

平野 「相談した上司に『適した年齢のタイミングでマネージャーになるというのはあなたの固定概念に過ぎない。そんなことで自分の可能性を制限しないほうがいい』と言われたんです。そう言ってもらえたことで、『やってみようかな』と少しずつ思えるようになりました。自分に自信がなかったのですが、その上司のように私に期待をしてくださる人が周りにいるというのは単純に、嬉しかったですね」

マネージャーとして、世界中にいる広報担当を取りまとめる役割を果たすことになった平野。担当者だったころと大きく変わったのは、すべて自分でやろうとしないこと。

平野 「担当者のころは、全部自分でやったほうが早いし正確だと思っていたんですね。でも、『それだとチームとしての力が伸びない』と上司に指摘されたことがありました。だから、マネージャーになってからは、『いかに自分でリードをせずに、リーダーシップを取るか』を心がけるようになりました。全部の地域を自分ひとりで見ることはできませんから。せっかくチームがあるのだからチーム全員で活躍しないと、と思うようになったんです」

実際、チームメンバーからも「あのときは、そんなにサポートに入ってもらわなくても自分でできた」とはっきり言われることもあると言います。

平野 「そうやってフラットでオープンなコミュニケーションで正直に言ってくれるのはとても嬉しいですね。こちらも、『ごめん、仕事取っちゃったね』と次回から任せられますし。『あの人にはまだちょっと難しいから』と私が勝手に線引きをするのではなく、思い切ってやってみてもらう。自分はセーフティーネット的な立ち位置でいるようにしています」

自分が動く、自分がすべてを引っ張るのではなく、メンバーを信頼し、時には外から見て助言をしたり方向性を指し示すことに力を入れることで、全体をリードしていく。それが平野の大事にするリーダーのあり方です。

目の前の仕事の先に、次の道がある

マネージャーになって1年半。現在、平野がチームで目指しているのは「メンバーが自主性を発揮でき、もし突然リーダーがいなくなっても機能するようなチームづくり」です。

平野 「『上司が言ったからやる』ではなく、一人ひとり自分が『私はこう考えて、これが正しいと思うからこうやっていきたい』と自主性を発揮できる環境にしていきたいと思っています。そのためにも、まずは各地域にいるメンバーにいろいろな経験をしてもらい、それをチーム内で共有することで、バラバラな知識やスキルを向上させていきたいですね」

一方で、自分自身のキャリアについては、「今目の前に置かれている仕事に全力で取り組んだ結果、それが次につながっていけば良い」と独自の考えを持っています。

平野 「今の仕事や立場も、人や業務との出会い、縁があってつながってきたんだと思います。マネージャーになったのも、結局そういうことの積み重ねだったのかなと感じています。もちろん先の目標を立てることも大事だと思いますが、目の前の人や業務との縁をまず大事にしていきたいですね。そうすることでもう少し見えてくるものがあるんじゃないかと今は考えています」

その言葉通り、ドイツ本社の広報チームと仕事をする際に、時にはドイツ本社に直接足を運んで会話をするなど、平野の仕事ぶりからは、人とのコミュニケーションを大切にする姿勢が感じとれます。ボッシュには多様な文化やバックボーンを持っている人がたくさんいるからこそ、対面で話すことを大切にしています。

平野 「社内のメンバーと対話することで、『いろいろな人がいて、さまざまな働き方があるからこそ仕事は回ってるんだな』と感じることができます。自分にはない考えや価値感に触れることで次に自分がどんなことに取り組んでみたいかを考えるきっかけになります。今の仕事はそういう機会が多いので、すごくいい環境にいる。そういった環境の中でさらに将来のキャリアを重ねていけたら嬉しいですね」

ボッシュには性別・国籍・年齢などに関わらずチャレンジできる環境があります。互いの違いを尊重し、役割や組織、階層も超えて協力しあえる文化が財産であり、これからの時代の競争力の原泉となるのです。