ひとつ屋根の下で育まれる“絆”が、最高のクリエイティブを生み出す

モバイルゲームなどのコンテンツを数多く世に送り出してきた株式会社コロプラ。これまでにない取り組みとして、2017年に第二の開発拠点「COLONY箱根」を建築しました。IT企業である私たちが独自の施設を作るに至った背景には、「クリエイティブを育てるために必要なものは何か?」という問いがあったのです。
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“スマイル”を増やすため、根本から変えた組織体制

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▲人財本部長・緒方仁暁
「 “絆”の部分だったんです。課題に感じていたのは」――そのように振り返るのは、株式会社コロプラで人財本部長を務める緒方仁暁。2008年の創業以来、モバイルゲームを生み出してきたコロプラは、グループ全体で社員数が1,253名(2017年9月末現在)に成長してきました。

緒方 「会社の立ち上がりのころって、チームワークは自然発生しますよね。でも組織が拡大していくと、どうしてもほかの社員の顔が見えにくくなってしまう。でも、クリエイティブには、チームの意思疎通が欠かせません。コミュニケーション不足は社内の課題になっていたんです」

コロプラでは、毎期のスタートの際に全社員が参加する会議を行い、目標や課題を共有します。2016年の会議の際、社長の馬場功淳が掲げたメッセージが、「make smile」でした。そして私たちはエンターテインメントを生み出す源泉である社員が笑顔で気持ちよく仕事に向かえるよう、社内改革にとりかかりました。

社員からのヒアリング調査を通じ、課題として挙げられたのが、「開発環境におけるコミュニケーション不足」でした。

緒方 「それまでは、組織の構成をプロジェクト単位にしていました。ですから、違うプロジェクトのメンバーとは接点を持てなかったんです。しかも、プロジェクトが変わればメンバーも入れ替わりますから、しっかりと人間関係を構築できないという問題が起きていました」

こうした問題を改善するべく、それまでの組織体制を根本から改めることに。2016年11月、機能型組織とし、デザイナーはデザイナーでまとめ、エンジニアはエンジニアでまとめることで、同一職種の課題や悩みなどを共有し合う深い関係構築ができるようにしました。

組織体制の変更は、やがて目に見える成果をもたらします。毎週のように、それぞれの部署による勉強会が催されるなど、社内のコミュニケーションはより活発になっていきました。

こうした組織体制の変化が進むなか、緒方は新たな取り組みにチャレンジしていました。それが2017年4月に完成した、新たな開発拠点「COLONY箱根」の建築です。

“ただの研修所“ではない、クリエイティブを詰め込んだ施設

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新しい施設をゼロから作り上げるーー。それはITの世界でビジネスをしてきたコロプラにとって、未知の経験でした。土地探しからスタートした緒方は、都心からのアクセスが良く、しかも自然に囲まれた場所として、箱根に決定します。

緒方 「この土地に、“何かが生まれる“施設を作りたいと思いました。ただの研修施設ではなく、アイデアや人の繋がりが生まれるような。しかも、社員が自ら行きたくなるような場所にしたいと思い描いていました」

こうした緒方の想いを汲み取ったのが、コロプラが委託した建築家の岡部憲明氏(岡部憲明アーキテクチャーネットワーク)。同氏は、コロプラのオフィスを巡り、社員とコミュニケーションをとりながら、ユニークなアイデアを次々と生み出してくれました。

アイデアが「COLONY箱根」として形になった2017年4月。完成した建物を目にしたコロプラの経営陣は、一斉に驚きの声をあげます。

印象的な外観は、まるで「おにぎり」を思わせるユニークなデザイン。壁面の多くはガラスとなっており、建物のなかにいながら自然に囲まれている感覚を味わえます。さらに、巡るのが楽しくなる回廊や、露天の天然温泉などがあり、緒方も期待した以上の施設が完成しました。

施設完成にこぎつけた緒方にとっての次なるチャレンジは、COLONY箱根を積極的に社員に使ってもらうこと。先述したように、会社の強制ではなく自主的に使われる施設にしたいと考えていた彼は、社内に向けて“営業活動”を行います。

緒方 「社員としては、興味があっても、普段の業務があるなかでは気軽に行けないという状況があったんですね。そこで、各部署のマネージャーに話して、お試し的に使ってもらって感想を社内にシェアしてもらうなど、本当に地道に広げていきました」

利用者からの口コミが広がり、COLONY箱根の利用者は次々と増えていきます。経営陣や各部署のメンバーなどが自主的にCOLONY箱根に集まって、新規企画を生み出したり、チームビルディングに活用したりという動きが進んでいきました。

COLONY箱根が生み出したものは、社内のコミュニケーションだけではありません。新たなサービスの種となるアイデアが、この場所から生まれはじめました。

自然豊かな土地とユニークなデザインがもたらす、“無敵”の開発環境

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コロプラは、クリエイターが社員の8割を占める会社(2017年現在)。ものづくりに集中できる環境をつくることは、創業以来のこだわりです。こうした思いを反映させたCOLONY箱根は、他では得られない、クリエイティブに集中できる環境となりました。

緒方 「もちろん、東京のオフィスも環境は整えています。ただ、どうしても日常的な業務や来客があったりして、完全に集中できるわけではないんですよね。その点、箱根は都会の喧騒から離れた場所ですし、建物のデザインも工夫していますから、開発だけに集中できるんです」

COLONY箱根の完成以来、コロプラでは社員による研修や合宿を実施してきました。そのひとつが新卒4年目までの社員が参加する社内ブートキャンプです。5日間にわたり、日々の業務から離れて新規企画の開発を集中して行いました。

緒方 「参加した社員に話を聞くと、『無敵の環境だ』って言うんですよ(笑)。通勤もなく、チームのメンバーとはいつでも話せる、日中はずっとプログラミングに集中して、疲れたら、ご飯食べて温泉に入って眠る。こんな環境は、ほかにないですよね」

クリエイターの開発環境を整えることと、社内のコミュニケーションを活発化すること。コロプラが課題としていたこの2点を、COLONY箱根は大きく改善しました。緒方は、最近の社員の様子を見て、気がついたことがあります。

緒方 「同じ場所で飲み食いして、泊まって過ごすっていうのは、日本人気質に合っているんだなと再認識しました。最近はコミュニケーションもIT化されていますし、『保養所は時代遅れ』と言われていますが、人の温もりを感じられる距離感ってやっぱり大事なんですよね」

このように、社内の課題を解決しているCOLONY箱根ですが、外部に公開することで、さらに可能性を広げています。

COLONY箱根が、日本のクリエイティブのハブになる

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2017年現在、COLONY箱根は、一般利用者に向けてオープンとなっています。スペースの利用だけでなく、食事や温泉、宿泊など、コロプラ社員と同じようにフル活用することが可能です。

緒方 「COLONY箱根をオープンにすることで、コロプラに直接的なメリットはないかもしれません。ただ、会社としてクリエイターの業界全体に貢献したいという気持ちがあり、開放しています」

これまでに利用したケースとしては、「スマートフォンアプリジャム(SPAJAM)2017」の本選・表彰式の会場としてCOLONY箱根が活用されました。地方予選を勝ち抜いたクリエイターが箱根に集結し、モバイルコンテンツの企画立案から開発までの技術力を競いました。

また、コロプラ社長の馬場が理事長を務める「クマ財団」の初年度のイベント会場としてもCOLONY箱根を活用。クマ財団が支援する25歳以下の学生クリエイターが集い、先輩クリエイターから学んだり、交流を深める場として活用されました。

このように、COLONY箱根は、コロプラという会社の枠組みを超えて、新たな可能性を見せています。今後の企画として、ユニークな建物を活用した「展覧会」を開催など、緒方が想像していなかったアイデアも出てきています。

緒方 「今後は、『このサービスってCOLONY箱根で生まれたんだよね』と語られるような施設に育てていきたいと思っています。世の中にあるサービスやクリエイティブが、箱根を中心に生まれるようになっていけば、最高ですね」

COLONY箱根が、さまざまなクリエイターの絆を育て、楽しいアイデアを次々と生み出す拠点となるーーそんな未来が訪れるのが楽しみです。

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