元プログラマーで公認会計士、2つの経験を注入したフィンテック事業で未来を切り拓く

カウンティアは2015年3月に創業し、現在はフィンテック事業に参入。カウンティアの事業には、代表取締役の姥貝賢次が積み重ねてきたプログラマーとしての経験と、監査法人で得た公認会計士としての経験が余すことなく注入されています。姥貝賢次が歩んできた道のりを振り返りながら、その軌跡をご紹介します。
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公認会計士の延長には、自分の見たい未来はなかった

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▲公認会計士として入社した監査法人。社会的に価値の高い仕事ができるという喜びでいっぱいだった

カウンティアはベンチャー特化型のCFOサービス事業を中心に展開しつつ、フィンテックの専門集団として仮想通貨サービスを自社プロダクトとして開発しています。

起業する前の私は、有限責任監査法人トーマツで公認会計士として監査などの業務に携わり、さらにその前は、フリーランスのプログラマーとして活動していました。

さまざまな経験を経ても変わらずに好きだったことは、ビジネスを切り拓く「仕組み」づくり。

15歳のときにビルゲイツをTVで見たときに、「この人みたいに、先端技術でグローバルに未来を切り拓く、ワクワクする人生を生きたい」と強く思いました。この時に感じたワクワク感。それが、その後の私の人生を突き動かす原動力となりました。

高校生の頃は秋葉原でパーツを調達し、自前でPCを組み立てるほどのオタク少年。当時、一世を風靡していたNTTドコモのiモードに専用サイトをつくり、アクセスが集まることに快感を覚えたことをきっかけに、プログラミングにも心酔しました。

大学生になるとECサイトなどを受託制作するフリーランスとして活動するも、ひとりで仕事をすることの限界を痛感。しかし受託制作を通じて、お客様の悩みを解決できることに喜びを感じ、経済への興味も高かったことから、卒業後はチームで働けるコンサルタントを目指しました。

ただし、コンサルティングファームへ入るのは狭き門。それでも、公認会計士の試験に合格すれば、会計コンサルティンググループの監査法人に入れる道があることを知りました。

猛勉強の末に公認会計士の試験に合格すると、2008年に有限責任監査法人トーマツへ入社。社会的にも価値の高い監査という仕事に、やりがいを感じながら仕事をしていました。

それでも、公認会計士としての仕事を4年ほど経験すると、「自ら主体となってチャレンジし、ビジネスを切り拓く」ことが本当にやりたいことだと次第に気づきます。

青春時代に私の心を突き動かした想いが、日に日に強くなっていきました。

たどり着きたい未来像。それは監査法人キャリアの延長にはない。そう思い至ったときは挫折を感じました。それでも未来を向くには、起業するしかない。次に私が目指したのは、自ら仕組みづくりができる独立の道でした。

ITと金融の経験を融合し、新しい金融の仕組みをつくる

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▲フィンテックとの出会いが私の人生を一変させた

独立して最初に立ち上げようとしたのは、実はベンチャーキャピタルでした。しかし、10億円ほど資金提供を受けるまで話が進んだ最後の段階で、まとまらずに白紙撤回となってしまいました。

途方に暮れた状況のなか、ある先輩に相談しに行くと、

「ファンドビジネスは投資先の管理が主な業務で、監査の仕事と本質はあまり変わらない。きみはITが得意でしょう。新しい金融の仕組みで、事業をつくってみてはどうだろう?」

ITと金融をかけ合わせたもの。それはまさにフィンテックでした。先輩のアドバイスに腹落ちした私は、新しいビジネスの形を模索。そして、2015年3月に立ち上げたのが、現在のカウンティア株式会社でした。

この分野であれば国境さえも超えられ、マーケットサイズも大きい。また、ほかの業界よりも遅れていた金融業界のIT化がようやく整ってきており、絶好のタイミングだとも感じていました。

フィンテックで事業設計をすることこそが、私たちのサバイバル戦略として唯一の方法と言っても過言ではありませんでした。大事なのは、自分たちだけが知る専門領域を事業にすること。これまでプログラマーと公認会計士を専門領域とした経験が、注入された瞬間でした。

また同時に、「フィンテックなら、先端技術でグローバルに未来を切り拓きながらワクワクする人生を生きる」という思いが実現できるのではと、私の意識は次第にフィンテックへとフォーカスされていきました。

しかし、会社をつくってみたものの、仲間は誰もいません。プログラミングは10年のブランクがあり、最新技術も分からない。勉強会で知り合って声をかけた副業5人ほどのチームで、会計のソフトをつくりはじめましたが、事業は縮小の一方。結局、2016年末には力及ばずチームは解散となってしまいました。

同時期に、ベンチャー企業の成長にコミットするCFO(最高財務責任者)業務にもチャレンジしていて、それが生活の糧となっていました。そんな折、お手伝いしていた新規事業の立ち上げプロジェクトが頓挫しチームが解散。路頭に迷いかけたメンバーに、「一緒にやりませんか」と声をかけたことから賛同者が集まりました。

2017年3月、これが新生カウンティアの誕生の瞬間でした。

「ワクワクする新しい仕組み」――仮想通貨ウォレット事業の胎動

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▲切望したワクワクするような新しい仕組みづくり。Coin Onはその思いが詰まったサービスとなった

新生カウンティアの発足後、まずは会社を成立させるためにさまざまな“サバイバル活動”を行ないました。今も主力事業である「CFOサービス」も、この時期の成果です。それまでCFOとして携わってきたノウハウは、資金調達フェーズにあるベンチャー企業にとってニーズが高く、会社は急速に成長曲線を描きはじめました。

軌道に乗りはじめて安定してきたころ、本来やりたかった「ワクワクするような、新しい仕組みをつくること」にチャレンジしたいと本格稼働を開始。

それこそが、仮想通貨の研究開発でした。ブロックチェーンと呼ばれる分散技術を用いた仮想通貨ウォレット(仮想通貨の保管場所)の開発に力を入れ、セキュリティ面で最先端の技術を取り入れるだけでなく、財務管理アルゴリズムに対しても議論を深めながら進めました。

仮想通貨事業を立ち上げる場合、一般的にネックになるのは金融規制や法律、会計や税務、監査、国際情勢、そしてIT技術です。私たちはその点における知見の面で要件を満たすことができ、セキュリティ面での強みも持ちながら開発することができます。

一方その頃、メディアとアドテクノロジー事業を展開するVOYAGE GROUP フィンテック室の室長を紹介いただく機会があり、私の描く仮想通貨事業の戦略と世界観に興味を持っていただきました。後に代表ともお会いして合弁会社をつくることになり、2017年11月にカウンティアバンクが設立。

「仮想通貨事業はリスクが高く、IPO(新規株式公開)を目指すには不確実性が大きい。出資を受けて進めるべき事業かどうかは正直わからない」。その、私の会計士としての感触にも真摯に耳を傾けてくださりつつも、「チャンスを掴みにいく」という共通の目標を持って意思決定を進めることができました。

2018年8月現在、仮想通貨ウォレットのサービス開発は、8合目まで進んできました。もちろん、今もっとも競争の激しい分野であり、その先の未来を見据えて引き続きチャレンジを続けていきます。

金融の未来を切り拓き、新しい産業をつくるチャレンジを続ける

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▲金融の未来を切り拓き、新しい産業をつくっていく。新しいことへのチャレンジ精神は決して忘れない

今後カウンティアでは、「資金需要」に対するサービスの展開をイメージしています。

金融の機能は、決裁と為替、金融仲介に大きく分類できます。金融仲介とは、余剰資金と資金需要をマッチングさせること。仮想通貨ウォレットのサービスは、余剰資金サイドへアプローチするサービスです。

一方、資金需要サイドとは「事業チャンスを実現するために必要な資金」のことで、CFO業でスタートアップ企業の財務課題と向き合ってきた知見を活かすことができます。この分野をフィンテックによって解決する。そうすれば、余剰資金サイドと資金需要サイドの両方のサービスが、プラットフォームとしてつながる未来も描けます。

これからもフィンテックによる産業インフラをつくっていきますが、フィンテックはあくまで機能。各界の産業を根底からアップデートできる可能性を秘めた機能ではあります。しかし、現時点では課題も山積しています。それでもフィンテックが魅力的な理由のひとつは、金融を民主化できる点にあります。

高い維持コストを前提にした中央集権モデルの銀行や証券会社と違い、分散型モデルの仮想通貨は運営者の維持コストの負担が少なく、少額の投融資や資産運用に利用しやすいことがメリットです。小さな文化や文明が芽吹き、貧富の差をなくせる可能性も生まれると考えています。

そして、私がもっともワクワクするのは、こうした「実現可能なフィンテックの未来が見えたとき」です。新しいビジネスのアイデアが湧き、それを事業戦略に落とし込み、実現する機会に巡り合えたときに、深く喜びを感じます。

私はプログラマーから公認会計士へキャリアチェンジを経験しました。そういう局面ではいかに過去に固執せず、新しいことへチャレンジできるかが重要だと自らの経験から考えています。

これからもカウンティアは、金融の未来を切り拓き、新しい産業を作っていく。経験則だけに固執せず、常に新しいことへチャレンジができる会社であり続けます。

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