未踏に挑む会計士、仮想通貨のデータを会計基準に落とし込む

2018年4月よりカウンティアで会計・管理業務に携わる渡辺真紀。当社代表の姥貝とは、学生時代からの付き合いです。彼女がジョインする際に、第一優先とした条件は「子ども」でした。しかし一方で、代わりのいない「仮想通貨データの会計」というポジションを一手に引き受けています。彼女の奮闘をお伝えします。
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自分の専門領域を持ちつつ、ワークライフバランスも大切にする

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▲代表の姥貝(左)と渡辺(右)。2008年大学院の卒業式にて

私とカウンティア代表・姥貝の付き合いは、大学院の学生だったころからはじまり、十数年ほど月日が経ちました。私が公認会計士として働いていた、有限責任監査法人トーマツでも同期。それから結婚と出産、夫の転勤でニュージーランドへの移住を経て、また日本へ帰ってきて仕事を探すことになります。

帰国後の職探しでさまざまな方へ相談をする中、最もしっくりきたのが姥貝の言葉でした。 「子どもの第一優先は必ず約束するので、手伝って欲しい」

熱烈なラブコールを受け、一緒に働くことを決めたのです。

そもそも私は自分だけの専門領域を武器に生きていきたくて、公認会計士の資格を取得しました。一方で、キャリアが結婚や子育てによって中断されたくないとも、昔から考えていました。出産を経てもまた同じ仕事に戻れる、そのための資格取得でもあったわけです。その考えを、姥貝は尊重してくれました。

「手に職をつけなさい」というのが、看護師だった母の教えでもありました。会計の道に進んだのは、大学時代の教授が公認会計士へ進む道を勧めてくれたからです。

早稲田大学大学院会計研究科へ進学し、そこで姥貝と出会い、2008年12月にトーマツへ入社しました。

トーマツには、4年間在籍することになります。会計監査の仕事は大変でしたが、ほかでは得られないさまざまな経験をさせてもらいました。たまたま同期入社した姥貝とは、一緒に仕事をすることこそなかったものの、休憩時間には仕事の相談に乗ってもらったりしていました。

私は言っている意味がよく分かっていませんでしたが、姥貝はフィンテックという言葉もまだない当時から、ITと金融が融合した未来の話や夢を熱く語っていましたね(笑)。

そんな日々を経て、2013年3月に退職。その理由は端的に言えば、ワークライフバランスを見直したかったからです。

個のポテンシャルを最大化させるカウンティアの考え方との合致

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▲2015年にニュージーランドに移住した際に撮った家族写真

トーマツの退社後にカウンティアへジョインするまでのあいだは、独立して企業の財務会計や業務プロセスの改善などのコンサルティング業務を受託したり、妊娠と出産の期間中はニュージーランドで専業主婦をしたりしていました。

ニュージーランドには約2年間いたのですが、もともと帰国する時期は決まっていたので、2人目の子どもが生まれて3週間後には慌ただしく帰国の途に。

帰国してしばらくしてから「また仕事をしたい」と思ったのですが、その理由は主にふたつありました。ひとつは、子どもを保育園に入れて、社会性を身につけて欲しいと考えていたこと。もうひとつは、会計士としてブランクがあったことです。そのあいだに会計基準などの大きな改正がされたこともあり、実務経験にブランクが長すぎると復帰できなくなるのではないかという焦りがありました。

ただ、幸い会計士という仕事は売り手市場で、選択肢は多くありました。また、独立して裁量を持って仕事をしている方も多くいることを知っていたので、育児と仕事の両立はできると考えていたのです。

カウンティアにジョインを決めた一番の理由は先述したとおり、子どもの第一優先を約束してくれて、自分のキャリアの延長で働けること。姥貝は「個人個人の大事にしたいものが満たされていれば、その人のポテンシャルを最大限発揮してくれる」という考え方なので、自分のワークライフバランスの考え方とも合致しました。実際に、個性的な才能が多く集まっていて面白い会社です。

また、旧知の仲で安心感があったこともあり、青春時代を過ごしたあの頃と変わりなく将来の夢を楽しそうに話す姥貝の姿を見ているうちに、その夢を応援しようとも思えたのです。

こうして2018年4月より、カウンティアで働きはじめました。

膨大な仮想通貨のデータ量を未整備の会計基準に落とし込む、やりがいと責任

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▲カウンティアは誰一人として替えのきかない存在だからこそやりがいと責任がある

カウンティアでの主な業務内容は、経験のある会計監査に関連する経理財務業務のみではなく、ほとんど経験のない給与計算などの人事労務管理、契約書の管理などの総務業務を含めた管理業務全般です。

ジョインして半年。日々の業務の中でも、特に苦戦しているのがCoinOnという新サービスの会計・集計業務です。

CoinOnは、ひとことで言うと「レンディングに特化した仮想通貨のサービス」なのですが、最大の難点は、法律の整備が追いついていないため、使える会計基準がほとんどない点。

何万件というインターネット上での仮想通貨の取引データ(トランザクション)を集計し、最終的には円ベースでの会計処理に落とし込んでいきます。トレンドの面で新しい動きも多く、エラーが出るたびに計算式を見直し、さらに正確性を検証し……というトライ&エラーを延々と繰り返して、未知の領域を切り開いて進んでいかなければなりません。

また、仕訳が実行されるタイミング、たとえばプログラム上でいつ承認が実行され決済が発生し、それがどのようにトランザクションとして出てくるのかなど、ITの知識も必要になります。そのあたりの知識はほぼなかったので、常にキャッチアップして独学しながら進めているんです。

文字通りファイルが動かなくなるくらい膨大で重たいデータ量を整理して、十分な整備がされていない会計基準に落とし込んでいく。ITの課題と会計の課題を同時にクリアして進めているイメージです。

仮想通貨に関する会計基準はありますが、その基準を超えた事象が起こっているので相談する先もなく、詳しい人もいません。逆に他社からフィンテックの会計に関する相談がカウンティアに来るくらいです(笑)。ビジネスの現場は常に動いていて、しかもフィンテックの業界は特に進化のスピードが早いので、すごく大変な思いをしています。

それでも、監査業務ではないにしろ自身のキャリアの延長で会計の仕事ができているし、このポジションは社内に替えがきく人がいません。重要で自分にしかできない役割を任され、信頼されていることにとてもやりがいと責任を感じています。

カウンティアの世界展開に向けて、管理部門の標準化を進めていく

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▲これからもカウンティアを管理業務の面から下支えしていく

うまくリモートワークを活用しながら出社もして、子育てとの両立はできています。しかし、そのための工夫は当然必要です。

子どもは1歳と2歳なのですが、すぐに熱を出していつ緊急事態が起こるか分かりません。そのため、常に「明日はない」という気持ちで、その日に終わらせるべき業務範囲は必ず終わらせて帰るようにしています。

また、リモートワークがOKとはいえ、それは「いざというときのためにリモートでも働ける環境を用意してくれている」と解釈しています。というのも、カウンティアははじまったばかりのスタートアップ企業です。毎日顔を合わせてメンバー間の一体感や信頼感を醸成することが、まだまだ必要な段階にあると思っています。

そのため、できる限り渋谷のオフィスには毎日出社。姥貝は社外に出ていることが多いため、「自分が会社の顔」くらいの気持ちで、社内にはなるべくいるようにしています。そもそも出社したほうが楽しいですしね。

スタートアップ企業ではありがちだと思いますが、カウンティアで課題に感じていることは、すべての管理業務が属人化してしまっていることです。今後はマニュアルやシステム構築を通じて標準化を進め、カウンティアが大きくなっていった際に、私がいなくてもちゃんと回る仕組みと誰にでもできる体制を整えていきたいです。

フィンテックもカウンティアも進化の流れが早いので、管理部門がその急成長についていけるようにしていきたいですね。

また、海外進出に向けての動きもあるので、その夢を支えていきたいと思っています。私にできることは、自分らしい働き方をしつつ、フィンテックのビジネスを世界中で展開していくカウンティアを管理業務の面から下支えしていくこと。それに携われることが、今からすごく楽しみです。

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