紙媒体からウェブの世界への転身―― メディア事業の成長を影で支える、編集者の存在

株式会社キュービックの自社メディア事業を、コンテンツ制作の側面から支えているのがエディトリアルデスクのメンバーたちです。同部署を率いるマネージャーの物江亮は、10年以上にわたって紙媒体の編集者として活躍していました。彼はなぜ、ウェブメディアを手がけるキュービックに入社したのでしょうか?
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「書く」仕事から「編集」へ――編集者として総合的なスキルを身につける

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ノウハウやトレンドなど、社会に役立つ情報をメディアにのせて発信していく。そうしたコンテンツ制作の現場に欠かせないのが、編集者の存在です。

かつてそれは書籍や雑誌などの紙媒体、出版業界に特化した職業でした。しかし2000年代以降、本当に多くのウェブメディアが作られるようになってから、ウェブ媒体でも編集者の活躍する場が広がっています。

キュービックのコンテンツ制作を支えている物江亮は、もともと紙媒体の制作現場で経験を積んできた編集者でした。

物江 「学生時代から現代文だけはすごく得意で、誰にも負けない自信があって。いつか文章に携わる仕事ができればいいな、とぼんやり考えていました」

物江のキャリアスタートは出版社専属のフリーライター。東京中をバイクで走り回り、取材と執筆の日々を過ごします。とにかく、目の前の仕事に必死になって取り組んでいきました。

物江 「自分の書いた文章が“雑誌”という形になって日本全国で発売され、会ったこともない誰かに読んでもらえる……。すごくやりがいを感じていました。物作りをしているんだという実感がありましたね」

自分にはこの道しかない、書く仕事で生きていこう――3年ほどライターとして働き、そうした気持ちを強くした物江。一方でフリーランスという立場に危機感を感じ、小さな編集プロダクションに正社員として入社しました。

ここで彼は、書くだけではない「編集」のおもしろさに出合います。

その編集プロダクションは出版社からの依頼を受け、医療や教育などをはじめ、さまざまなジャンルの企画編集を手がけていました。内容のバリエーションもさることながら、ライターやイラストレーターなどへの発注からDTP、印刷手配など、枝わかれした制作プロセスの多くも経験。編集者としてのスキルを磨いていったのです。

物江 「僕はライターと編集の両方を経験しましたが、編集者は、よりさまざまなことに総合的に関われることを知りました。編集プロダクションで数年間働くうちに、その方が自分にはあっているんじゃないか、と思うようになったんです」

「ずっと書く仕事をしていきたい」時代の変化とともにフィールドを変える

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物江が「書く仕事」「編集」を軸として働き続けた15年の間に、時代は変わり、メディアを取り巻く状況も大きく動きました。そのひとつが、ウェブメディアの台頭です。

2010年頃になると、彼自身も生活の中で、そうした変化を感じていました。旅行の計画を立てるにも、何かを調べるにしても、もう自分はわざわざ雑誌を買いに行ったりしない――。スマートフォンこそまだ世に出ていなかったものの、情報収集の主役はすでにインターネットに移行していたのです。

物江 「ウェブメディアの需要が高まっているのを感じて、これからも編集者として仕事をしていくなら、フィールドを広げていかなければいけないな、と……。さらに紙媒体で経験してきたことを活かせれば、ウェブメディアの質の向上に役立てるのではないかと思うようになったんです」

「これからはウェブメディアの仕事をしていこう」。そう決意した彼が偶然出合った会社こそ、他でもないキュービックでした。

しかし彼がウェブメディアへの転職を検討していた2015年当時、業界内ではキュレーションメディアが大流行していました。どのメディアでも、編集者やライターの求人が一気に増えていた時期。そうしたなかで、なぜ物江はキュービックへの入社を決めたのでしょうか。

物江 「はじめに代表のブログを読んで、不思議な共感があったんですよね。考え方がスッと心に入ってきたというか。面接担当のマネージャーもすごく丁寧かつ熱心で、ここで仕事してみたいなと素直に思いました。そして何より、『これからのウェブメディアは質の高い記事を作らなければ通用しない』という志向が一致していたのが大きかったです」

ウェブメディアは歴史が浅いこともあり、その頃はまだ“質より量”で成り立ってしまうビジネスモデルが多く見られました。そんな中、キュービックは「今後のメディア事業はコンテンツの質で勝負することになる」と考えており、物江の思いと一致していたのです。

こうして物江は、紙媒体の出身者としてはじめてキュービックに入社。経験豊富な編集者として、メンバーから大歓迎を受けることになりました。

紙媒体からウェブ媒体へ……そもそものカルチャーの違いに戸惑う日々

編集者・ライターとしてキャリアを積んできた物江でしたが、本格的にウェブメディアを手がけるのは初めて。キュービックに入社した直後は、紙とウェブの違いに苦戦する日々が続きます。

紙媒体の制作現場では、小さなミスも許されない独特の緊張感があります。印刷して発売し、書店に並んでしまえばもう、絶対に“やり直し”ができないから……。

しかしウェブは違います。あとから文章を修正することが容易にできるため、どちらかといえばスピード優先。そうしたカルチャーの違いに、物江も最初は戸惑いや葛藤を抱いたこともありました。

物江 「完璧ではないものを先に出す抵抗感、むずがゆさはありましたね。またウェブメディアに携わる以上、SEOの知識は必須でしたから、なんとか自分で勉強しました。知らない用語も多かったですし、最初の半年くらいは大変でした」

さまざまな困難があったものの、物江はとにかく“質の高い記事”を作ることに邁進してきました。そうした彼自身、そしてキュービックの姿勢は、編集者の採用方針にも表れています。キュービックでは、基本的に紙媒体の編集経験がある人を迎え入れることにしているのです。

物江 「決してウェブメディアがダメというわけではないのですが、やはりまだ、歴史の差が圧倒的に大きいと思います。紙媒体は印刷という後戻りできない工程をはさむ以上、ミスが許されない厳しい現場です。

だからこそ紙媒体の編集者は、一文字一文字の重みをしっかり理解していますよね。企画力やストーリー構築能力なども高く、編集者としての基礎がしっかり固められている印象です。だからこそ一緒に働き、キュービックの編集力アップに協力していただきたいなと思います」

より質の高い記事をユーザーに提供していくために、物江がいま課題だと感じているのは組織づくり。経験のある自分がイチから文章を書けば、良いものができて当たり前。しかし、いつまでもその方法では、効率よく良い記事を量産していくことができません。

その仕組みを作っていくために、自分がこれまでに培ってきたノウハウをメンバーに伝えていくのはもちろんのこと、外部ライターのマネジメント方法なども試行錯誤を続けています。

物江 「これからは質と量、両方を追求していきたいですね。もちろん簡単なことではないですし、正解が何かもわからない状況です。どのメディアでも苦慮している部分だからこそ、キュービックとしてやる意味があると思っています」

社内にコンテンツ制作専門のエディトリアルチームがある意味

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2017年3月現在、物江がキュービックに入社して1年半がたちました。

当初はたったひとりの編集者として入社し、ベンチャー企業の経営スピードに追いつくべく奮闘していた物江でしたが、今は3名のメンバーと「エディトリアルデスク」というチームでコンテンツ制作を行っています。

「読者のニーズにしっかり応えた記事作りこそが最良のマーケティング」という考えのもと、キュービックの組織内に独立して存在しているのがこの「エディトリアルデスク」なのです。

物江は、社内にこうした専門部署があることに対して、その責任の重みを実感しています。エディトリアルデスクである自分たちの存在が、他社との競争力の源泉になるべきだと考えているのです。

物江 「メディア業界ではまだまだ、ウェブの記事は質が低く、紙媒体の方が質が高いという認識があります。一日も早く、その差をなくしていきたいですね。そのために、当社のエディトリアルデスクが存在していると思っていますし、キュービックのメディアを読めば正確でタメになる情報が得られる、という状況にしていきたいです」

たとえば自分たちが編集した転職に関する記事を読んで、キャリアアップに成功する人がいるかもしれない。物江はそんな小さなきっかけを、これからも社会に提供していきたいと考えています。

エディトリアルデスクは決して、表舞台でスポットライトが当たる場所ではないかもしれません。でも誰かのライフスタイルの意思決定を支えたのが、実はキュービックだった……そんなあり方を理想としているのです。

物江 「キュービックの記事を読んだおかげで、幸せになれた――。ユーザーに対してそうした状況を生み出せるチーム、そして会社にしていきたいですね」

彼が目指すエディトリアルデスクのあるべき姿は、まだまだ先にあります。しかし良質なコンテンツを日々提供し続ければ、いつかそれが実現できるはず――物江が率いるエディトリアルデスクは、間違いなく現在のキュービックの成長を支えてくれています。

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