いい会社から、強い会社へ。人が資産は変わらない──こだわり続けるトップの価値観

世界初のモバイルマーケティングを手掛けるD2Cから生まれたD2C R。スマートフォンを中心としたデジタルマーケティングの支援をしている広告代理店です。2015年4月。岡 勇基は取締役社長に就任しました。約4年の時が経つ今、岡が大事にしている組織づくりの価値観を、その原体験から紐解いていきます。
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「無難でそこそこ」からの脱却

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▲幼少期の岡

岡 勇基は幼少期についてこう語ります。

岡 「無難でそつなく、みたいな子だったと思う。いわゆるセンスだけでやっていた。どんなスポーツもそれなりにできたし、勉強も中の中とかだった。けど、そこそこ。小中高と野球をやっていたけど、全部副キャプテン(笑)何をやってもこなせちゃうというか、『あいつちゃんとしてるよね』『できるよね』と漠然と思われるようなタイプ。

実際、蓋を開けてみればそんなすごいわけでもないし、努力が長続きもしない。ポンと瞬間的に花開くけど、すぐにしぼんでしまうような子だった」

「そこそこ、こなせる」からこそ、これといった不安や不満もないまま、就職活動に突入。 

岡 「とにかく大手を受けていた。今思うと、何も考えずに就職活動をしていたかな。強いて言うなら、何をやるかより、どれだけ大きい会社で働くかに重きを置いていた。でも、それも深くは考えていなかったけど(笑)。
ただ、前職で衝撃の出会いがあって、こんなにすごい人いるんだなと。直属の 5つ上の先輩で、何もかも『やりきる』『なぜを突き詰める』という姿勢が相当な人。もちろん営業成績も良い。

資料のつくり方ひとつ、提案の仕方ひとつ、いかにして効率的に有意義に仕上げられるか、なぜそのお客様に提案しに行くのか。『それを考え尽くせるかで、今後のキャリアに雲泥の差が出るぞ』と言われたのを覚えている。

なぜそこまで突き詰められるのかを一緒に仕事しながら観察して、見様見真似で行動もしていた。そこで自分の未熟さを実感した」

そんな過去の経験を経て、岡にある価値観が生まれます。今の組織づくりにも通じている考えです。

岡 「やり切る、逃げない。やると決めたら成功するまでやり続けたい。それまでずっと『そこそこ』だったのって結局は自分のせいで、やり切ったっていうほどの努力をしていないってことだと気づきました」

意思表示することで、自身への風向きを変える

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▲D2C 担当部長時のチーム飲み会(写真下段左から3番目)

岡は新卒の会社で3年半働く中で、「このままでは自分の人生で自慢できることがつくれない」と危機感を抱き、転職活動を考えていたと言います。新卒の会社ではBtoCの形態で働いていながら、自分の性格的にBtoBの方が向いていると感じていました。が、そこまで転職先に関して、強く考えていませんでした。

岡 「とある中途採用媒体で D2Cの求人表を見つけて、そこの『電通 ×ドコモ』というワードに目が留まった。なんか大きな仕事が、やりがいある仕事ができるんじゃないかなという小僧の発想で。これまでで既に気づいていると思うけど、若いころは本当に何も考えてはいなかった(笑)。
ただ、働き方としての自分の考え方や意思は、しっかりと出したいと考えていた。組織のルールやカルチャー、営業方針があっても、それが自分の考えと異なれば、飲み込むことはしたくなかった」

その考えのもと、 D2Cに入社。D2Cではiモードに参画しているコンテンツプロバイダー(着メロやゲーム、デコメ)や大手広告代理店に対する営業に従事し、D2C Rが立ち上がる2013年のタイミングでは、その部署の本部長を務めました。その当時から会社づくりに興味があったと言います。

岡 「 D2C Rが立ち上がった当時は傍から見てて「大変そうだな」と(笑)。ただ、『俺にも同じようなことをさせてほしい』と当時の上司に伝えたことがあるのは明確に覚えている」

その意思を明確に示し、D2C Rも組織拡大の事業方針を迎えたタイミングで、岡自身もD2C Rに営業部管掌の取締役として参画。その1年後、取締役社長に就任します。

岡 「社長就任はいきなり伝えられて(笑)。会議室に当時の幹部メンバーが呼ばれて、ホワイトボードにつらつらと体制が書かれていって、『取締役社長 岡』みたいな(笑)。なぜ社長が僕なのか明確には聞いてないし、言われてないけど、会社の現状や方向性について一番厳しく言えるのが僕だったからじゃないかなと思っている。
『やりたい』『やらせろ』とは前々から思っていたから、必要以上の驚きはなかった。けど、そういう感じでの発表かと、違う意味での驚きはあった(笑)」

“人”をカルチャーのど真ん中に据えるという、確固たる覚悟

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▲D2C R代表取締役社長時。新入社員とともに富士登山

社長に就任する前からスマホ市場は伸びており、戦い方さえ間違えなければ成長する市場でした。プレイヤー・コンテンツが増え、広告や周辺領域が急スピードで成長していた環境で、特にゲームアプリが活況だったこともあり、D2C Rはそこに強みを持っていました。

その中で岡が大切にしていた価値観があります。

岡 「『リーダーの力量以上の組織にはならない』とは常々思っている。 これは野球の野村克也監督のお言葉です。自分の姿勢や考えがそのまま会社に映る。だから僕自身ももっと成長していかないといけないし、その “人間的成長 ”を取締役やマネジャーにも求めている。
すべての事象を自分事化していくことができるか、メンバーの失敗に対して自分にも非はないのかを追及できるか。自分のチームは自分の姿見になる。各々の力量を上げてスキルを磨いていかないと、組織としての成長は望めないと考えている」

その価値観のもと、特にフォーカスをしていることがあります。

岡 「代理店の資産は “人 ”であることを社長就任 1年経った頃に強く認識した。その頃は空回りしていたなと振り返って思う。事業のチューニングや新しい領域への挑戦、僕の考え方の浸透など、いろいろやりたいことがあってやったけれど、どれも中途半端だったなと。
その棚卸をしていたときに、自分がやれば成功確率が一番高いものにフォーカスをしようと思った。 ほかの取締役にも得意領域があって、それは任せる」

その中で着手したことが人でした。

岡 「自分がそこにフォーカスしたほうが確実に会社は伸びると考えたから。事業をチューニングする中で行動するのはメンバーだから、とにかく “人 ”に関わることにこだわろうと。それをカルチャーのど真ん中に据えようと思った。 人を増やすこともそうだし、制度づくりなんかもそう。働くメンバーを今以上に大事にしようと。人事をつくったのもその時」

ただでさえ人数が足りないのにと、人事をつくることに対しての反発もありました。

岡 「ただ、『ごめんな、俺のわがままでやるわ』と押し切って実行した。当時は D2C本社に人事を委託していたのでそこで業務は回るかたちではあった。けど、小さい組織だからこそ着手するべき事だと思っていたし、今後の組織の拡大には自社内に持つことが絶対的に必要だと考えたから」

「勝ち続ける強い組織へ」岡が見据える今後の展望

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▲2019年現在

岡には、ビジョンやカルチャーの浸透のための確固たる意志があります。

岡 「ビジョンやカルチャーの浸透って、率先して言い続けて、行動することでしか浸透しない。 もっと言うと、社長である自分含めて、経営に近いメンバーにそれを実行させること。まだ浸透の意味合いで弱い部分があるので、そのメンバーの習慣になるような取り組みを考えている。
今後もうちのカルチャーにあった制度を取り入れていく。 ほかの会社がマッチしていることでもうちにとっては合わないこともある。あくまでうちでやって意味があるか。 強い会社をつくるために必要な制度があれば取り入れたいと思っている」

人にフォーカスをしていきながら、現在の社員数は120名を超え、制度・カルチャーも徐々に浸透してきました。その中で、今後のビジョンについて岡はこう語ります。

岡 「いい会社にはなった。次は強い会社にしていく。強いというのは採用テーマでもある『自走自責』の人材が会社の中心となって活躍していく会社。方向性を示し、それに賛同して各々が自由に動いてくれる組織。
たとえば、僕はクリエイティブについてはズブの素人だけど、今『クリエイティブを強くする』と社内にメッセージを出している。そうすることで、クリエイティブに真剣に向き合って考えてくれる優秀な人材がうちにはいる。そういうことができるのは強い会社だし、今後組織としてのレベルを上げてくれるかどうかの鍵を握っていると思う。
ただ、ひとつ変わらないことは周りのステークホルダーに対しての “三方よし ”の精神。僕らのミッションは『コミュニケーションを追求し続け、顧客のファンを創造する』こと。僕らの介在価値を出すことはもちろんだけど、取引先はもちろん、その企業のユーザのことも考えられる広告会社でありたい」

社員メンバーにフォーカスを当てることで、それが結果クライアントのためにもなります。これからもD2C Rは人を大事にするカルチャーを継続し、より強い広告代理店へと成長していきます。

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