「人」ならではの価値を提供するために

当社グループでは、グループ中期経営計画として“Passion for the Best”2020を掲げています。そのうちの基本方針のひとつが「クオリティNo.1のコンサルティング力による付加価値の高いソリューションの提供」です。

これは、デジタルトランスフォーメーションが劇的に進展する中において、AIやロボットに置き換えることのできない「人」ならではのクオリティの高いサービスを追求し、お客様と真摯に向き合い、考え抜くことを徹底したコンサルティング提案の提供に尽力するという決意にほかなりません。

その上で、人生100年時代において顕在化する資産形成に対するニーズ、相続対策や事業承継に対するニーズに対しても、グループを挙げて取り組むことで、お客様や社会から認められる「超一流の会社」を目指しているのです。

当社グループでは、「人材の重視」を企業理念で掲げています。その内容は「大和証券グループの競争力の源泉は人材である。社員一人ひとりの創造性を重視し、チャレンジ精神あふれる自由闊達な社風を育み、社員の能力、貢献を正しく評価する」というものです。イノベーティブな発想やお客様満足度の向上は、社員の高いモチベーションがあるからこそ実現可能だと考えています。

そのために大和証券グループでは、さまざまな施策を実施し、社員の「生産性」 「活躍度」「働きがい」の最大化に取り組んでいます。付加価値の高い業務への挑戦、お客様や社会への貢献を通じて、とくに、これまで時代に先駆けて推進してきた「働き方改革」をさらに前進させ、「働きがい改革」を促進することに注力しているのです。

業界最高水準の人材が集い、高いモチベーションを持って仕事にチャレンジできる環境づくり、社員が「働きがい」を感じることのできる職場環境の整備を経営戦略として進めてきました。

女性活躍支援が企業の成長につながる

経営戦略の中で、「男性も女性も、若手からベテランまで、すべての社員がモチベーション高く働き続けることができる環境整備を進めること」を掲げています。中でも女性の活躍支援に関しては、2005年に「女性活躍推進チーム」を発足以来、精力的に取り組んでいました。

女性マネジメント層のさらなる拡大を図るため、育児休職期間の延長や短時間勤務制度の拡充、さらにはベビーシッター制度の導入など、女性が辞めることなくキャリアを継続できる環境を整備しました。

女性に限らず、夫婦が子育てをしながら共働きを続けるには、ワーク・ライフ・バランスが当たり前にならなければいけないという認識から、2007年より全社的に19時前退社の取り組みを開始しております。

2015年にはプロフェッショナル・ リターン・プラン(育児・介護などを理由に退職をした社員が、同じ処遇条件で再雇用となる制度)の対象者を拡充しました。制度を利用する社員も増え、ビジネスを支える優秀な人材の確保につながっています。

また、2014年度からは、女性向けキャリア支援研修(Daiwa Womanʼs Forum)、2018年からは女性管理職を対象とした研修(Daiwa Womanʼs Management Forum)を開始。女性同士のネットワーク構築にも寄与しています。

これらの施策によって、総合職・エリア総合職への職制転向を通じてキャリアアップを目指す女性社員が大幅に増加し、総合職などへの職制転向者はこれまでに1,300名を超えています。

そしてわれわれは、女性が「ただ働ける」だけで満足してはいけないと考えています。男女問わず、働きには正当な評価が与えられなければいけません。そんな考えから、女性の役員登用も積極的に行っているのです。

女性役員は大和証券グループ本社の取締役・執行役の4名を含め、グループ全体では取締役・執行役・執行役員として9名を登用。女性管理職数は年々増加し、2019年6月末現在ではグループで565名となっており、女性管理職比率はグループで2004年度末の2.2%から11.5%(大和証券では2.3%から14.0%)まで上昇しています。

2019年5月に日本で発足した30% Club Japanには、取締役会長の日比野 隆司と私がメンバーとして参画。30% Club Japanでは、TOPIX100を構成する企業の取締役会に占める女性割合を2030年に30%にすることを目標に掲げ、日本企業のトップ層に占める女性割合を向上させていくことを目指しているのです。当社グループは、日本の金融界をけん引する女性リーダーの輩出に向けて、さらに取り組みを加速していきます。

役割としてではなく、自由としてのキャリアを社員が描けるように

当社グループは、自分の仕事を好きになり、高い目標に挑み続ける真のプロフェッショナル集団を目指しています。プロフェッショナルとなるためには、今の業務に必要な要素を身につけることはもちろんのこと、自身が将来目指すキャリアに向けて不断の努力をすることが求められます。

当社グループは、人材の能力を高め、磨きあげるための要素として、「知識・ナレッジ」「スキル・テクニック」「マインド」の3つがあると考えています。「知識・ナレッジ」とはお客様が抱える課題を解決するための高い専門能力。ふたつ目の「スキル・テクニック」とは身につけたナレッジを活用してベストソリューションを提供すること。最後に、最も重要ですべての土台になるのが「マインド」です。

これらを磨きあげることが圧倒的なクオリティNo.1につながるという考えのもと、数々の教育研修制度を用意しています。

当社の教育体系は、業務として明確に位置付けて取り組む「必須プログラム」と、自身の将来のために必要な要素を身につける「選択型プログラム」によって構成されており、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成の実現を後押しします。

まず、入社後の2年間を基礎教育期間と位置づけ、金融のプロフェッショナルとして必要な知識を徹底的に習得。そして次の3年間はクオリティNo.1に向け、本部ごとに高いレベルでのゴールおよび習得テーマを明確化し、若手社員の成長をさらに加速させる、というしくみ。計5年かけて必須プログラムを習得させます。

他方で、「選択型プログラム」により、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成の実現も後押しします。300を超えるeラーニングや希望制の研修、70を超える資格に対する費用補助制度、「大和リーダーシップ・プログラム」、「オンライン大学」、「TOEIC®スコアアップ集中プログラム」など、ビジネススキル、専門知識の習得機会を設け、すべての社員が自ら将来のキャリアに必要な要素を選択して受講できます。

そして、社内でのプログラムだけでなく、公募選抜によって多くの社員を海外のビジネススクールへ派遣した実績もあります。

ただ業務に必要な能力のみを習得させるのではなく、社員自身のキャリア形成に力添えするシステムが、当社グループにはあるのです。

これからも、「人」の価値を最大化する挑戦は続く

当社グループが中長期的な成長を目指すためには、すべての社員が自身の能力を発揮してモチベーションを高く働き続けられる環境を整備しなければなりません。

若手同様、経験豊富なベテラン社員がプロフェッショナルとして働き続けるための施策として、2015年度から、45歳以上を対象に継続的なスキル向上を目的とした研修プログラムASP(Advanced Skill-building Program)を実施しています。

また、この研修の受講状況や勤務実績などを踏まえ、一定基準をクリアすれば、55歳以降の処遇を優遇する「ライセンス認定制度」を合わせて導入しました。

さらに、意欲・能力の高い営業員の雇用上限年齢を廃止しました。より長きにわたりお客様に寄り添ったコンサルティングが継続できる上、社員にとってもライフプランに応じて働き続けることができます。

ベテランになっても向上できる環境がある──そして評価されるしくみがある。それは、“やりがい”という漠然とした言葉からは生まれないプロフェッショナルであり続けようという気概を生むのです。

また、障がいを持つ社員がよりいっそう活躍できるよう、制度の整備も積極的に行っています。2008年度から正社員(業務職)としての新卒採用を開始し、2011年度からは募集する職制を総合職、エリア総合職およびカスタマーサービス職に拡大しているのです。

入社後も、総合職・エリア総合職への職制転向の機会を設けるなど、障がいを持つ社員のキャリアアップを支援しています。さらに、2018年にはそれぞれの事情に配慮しながらその能力を引き出し、働きやすい環境を整備するための包括的支援として「Daiwa LEAP Plan」を導入しました。通院のための休暇や仕事上必要なサポートツールの導入、研修センターのバリアフリー化などを行っています。

その結果として、約190名の障がいのある社員が、全国の本支店、コンタクトセンター、本社などで幅広く活躍しています。

当社グループにとっての競争力の源泉は「人材」です。これまでも、すべての社員が活躍できる環境を整え、さまざまな人事制度の改善や人材開発への投資に積極的に取り組んできました。その成果のひとつとして、経済産業省と東京証券取引所が共同で主催している、「健康経営銘柄」および「なでしこ銘柄」を、6年連続で受賞しました。両方を6年連続で受賞したのは、 東京証券取引所の全上場企業のうち3社のみです。

これからも「クオリティNo.1のコンサルティング力による付加価値の高いソリューションの提供」に根ざした施策を堅実に行い、新たな価値を市場に提供できる会社であり続けられるよう、尽力していきたいと思います。