太陽光発電所を開発し、「北海道メガソーラー私募ファンド」を組成

▲大和エナジー・インフラが運営する北海道・岩見沢の太陽光発電施設

北海道・岩見沢市に広がる13.2haもの広大な「岩見沢太陽光発電所」。その発電出力は、8,970kw。大和エナジ―・インフラが前身の大和PIパートナーズ時代に投資し、土地の造成からパネルの設置、そして稼働までこぎつけた自己開発・保有発電所のひとつです。

「岩見沢太陽光発電所」は2016年2月の竣工以来、安定稼働を続け、固定価格買取制度(FIT制度)の下で数年間の確かな売電実績を残してきました。

今後もFIT制度期間中の安定的な稼働・売電が見込めるようになったことから、大和エナジ―・インフラは2020年3月、北海道釧路にある他のふたつの保有発電所と合わせて「北海道メガソーラー私募ファンド」を組成。さらにそれを、大和証券グループを通じて「グリーンボンド」および「グリーンローン」として投資家に提供するようになりました。

松田 「私たちは、再生可能エネルギーやインフラ関連で、中・長期的に安定したキャッシュフローを生むアセット(資産)に投資を行います。ただそれだけでは、機関投資家や一般投資家の投資対象とはなりえない、非常に流動性が低い資産。それに付加価値を付けて、投資家が安心して投資できるように流動性の高い商品にしていくのが、私たちの使命だと考えています」

付加価値を付けて流動性を高めるために、「グリーンボンド」と「グリーンローン」は、日本格付け研究所(JCR)で格付けを取得。環境改善効果の高さ、また透明性の高さなどが評価され、グリーンボンド評価で最上位の「Green1」の格付けを得ています。

また、北海道という限定されたエリアの発電所を投資対象としている点も、付加価値のひとつと言えます。

松田 「北海道で電気をつくり、その電気を北海道の人たちが使い、ファイナンスも北海道の人たちが中心になってやるという、非常に珍しい“地産地消ファンド”です。災害などで大規模停電が起きたときに、地域で活用できる電源があれば影響を避けることが可能となります。さらにそれが再生可能エネルギーであれば、クリーンで環境にも優しいわけです」

「金融商品としての収益性と信頼性」+「CO2削減や防災への貢献という明確なコンセプト」――それにより投資アセットに付加価値を付け、流動性のある金融商品に仕立てあげた、大和エナジ―・インフラの事業の一例です。

自己資金投資、そして大和証券グループの商品組成力とネットワークが強み

▲大和エナジ―・インフラは英国で配電事業を展開する Electricity North West Limited へも出資

大和エナジ―・インフラが投資対象とするのは、太陽光や地熱、バイオマス、風力などの「再生可能エネルギー」と、交通、通信、送配電、航空機などの「インフラ」セグメントのアセットです。加えて一部、再生可能エネルギーやインフラ関連の成長企業への投資も行っています。

これらはすべて、自己資金による投資です。

松田 「自己資金投資なので、非常に機動性が高いのが特徴です。たとえば投資対象は、通常は事前に組み入れ制限などを明示しスポンサーの了承を得なければなりませんが、当社の場合は自己資金なのでその必要がなく、投資決定のスピードも早い。新しい有望なアセットが出てくれば、すぐに投資に動くことができます」

大和エナジー・インフラの特徴はもうひとつ。

松田 「先の例のように、流動性の低い資産に付加価値を付けて、流動性を高めていくときに、大和証券グループの商品組成力と販売ネットワークを大いに活用することができます。それがあるからこそ、お客様に新しい金融商品を提供することができる。大和証券グループであることは、私たちの大きな強みです」

大和証券グループの中で、大和PIパートナーズが担ってきたエネルギー投資部門を切り出して2018年に設立されたのが、大和エナジ―・インフラです。そのため設立以前から、太陽光やバイオマスなどエネルギー分野で一定の実績がありました。

その実績とノウハウを生かし、さらに投資対象をインフラセクターにまで拡大することで、大和エナジ―・インフラは、設立間もないながら投資残高を810億円(2020年3月)まで積み上げています。

2019年4月に社長に就任した松田は、大和証券グループのエクイティ投資部門、国際部門、企画部門などでさまざまな業務を歴任した、本人曰く「スーパーゼネラリスト(笑)」。中でもエクイティ投資部門のキャリアでは、三洋電機の経営再建という大型案件のディールヘッドを担当しました。

松田 「当時、3000億円を投資して三洋電機の経営破綻を回避し、事業の選択と集中を行って一定の業績回復を果たした後、パナソニックに売却することに成功しました。そのときの経験が、『資産や事業を適正に評価した上で付加価値を付け、投資家や事業家が安心して投資できる資産や事業に変えるのが使命』という信念につながっています」

実業と金融を結び、大和証券グループの業容のウィングを大きく広げる

▲木質バイオマス発電分野にも取組み、金融からほど遠かった林業の世界と金融の世界を、発電事業を介してつなぐ

大和証券グループが、コアである証券ビジネスから周辺分野へと業容を拡大し、ハイブリッド総合証券として「新たな価値」の提供を目指す中、大和エナジー・インフラの役割は、「業容拡大のウィングを広げること」と松田は明言します。

松田 「たとえば、バイオマス発電。建材などに使用しにくい森林未利用材を主な燃料とするバイオマス発電を開発するために、私たちは林業に携わる人たちと日々話をしています。木材はどこから運び、どう乾かし、いかに燃やすか。そして燃やしてタービンに蒸気を送り発電する――これは完全に林業の実業そのものと直結しています。

金融からほど遠かった林業の世界と金融の世界を、発電事業を介してつなぐことによって、証券本業のウィングが大きく広がります」

そうして適正な利益を上げるのが、大和エナジー・インフラの事業目的。

しかし松田は、それだけにとどまらない意義を感じています。

松田 「バイオマスに挑戦しようという林業に関わる方々とお話をしていると、皆さん『林業をなんとかしたい』という情熱を持って林業の未来を真剣に考えています。私たちは金融の力で、林業の振興を少しでもサポートしたいと考えています。しかもバイオマス発電であれば、それが林業だけでなく日本のCO2削減にも貢献できるわけで、もう良いことづくめです!(笑)」

さらに、仕事の醍醐味についてこう続けます。

松田 「バイオマスであれ、太陽光であれ、再生可能エネルギー事業は、CO2削減に貢献できるのが大きなやりがいです。後は実際に人間が介在し努力している実業は、やはり努力の成果が目に見えておもしろいですよね」

実業に深く関わる業務の特殊性から、大和エナジー・インフラには、さまざまな経歴を持つ多様な人材が集まっています。

松田 「大和証券の人間とさまざまなバックグラウンドを持つ人間が融合していて、業務も人材もハイブリッド。まさにハイブリッド型総合証券を体現しているような組織といえるかもしれません」

ハイブリッドな人材集団が、ハイブリッド型総合証券グループのウィング拡大を担っているのです。

夢は再生エネルギー関連でクオリティNo.1の商品を。そして一兆円ファンドへ

▲大和エナジー・インフラ株式会社 代表取締役社長 松田 守正

大和エナジー・インフラが投融資対象としている再生可能エネルギーやインフラの市場について、松田は確かな将来性を感じています。

松田 「日本が2030年までに非化石電源比率44%という目標を達成し、今世紀後半の早い時期に温室効果ガスの排出量ゼロを実現するためには、再生可能エネルギーを増やしていくしかありません。

太陽光発電は2018年度実績で6%程度で、まだまだ伸びしろがあります。バイオマス発電は林業の振興や森林涵養などの国策維持の観点からFITも継続されると期待しており、引き続き当社の強みとして注力していきます。

インフラ分野では、交通などのトラディショナルなインフラについては海外に活路を見いだすとともに、国内では5Gタワーや宇宙などの有望分野に注目し取り組んでいきます」

こうした市場見通しの下、大和エナジ―・インフラが進む道とは。

松田 「設立からの一年半は、“目利き力”を磨きながら、アセットを積み上げることに注力してきました。これからはそこで蓄積した知見を生かし、商品化していくことにも比重を置いていきたいと考えています。それによって外部資金を呼び込むことができ、私たちの自己資金だけでは到底実現できないような大きな事業の実現が可能になります。

私たちは、外部の投資家の資金を再生可能エネルギーの世界、インフラの世界に呼び込む“触媒”になりたいと願っています」

それにより日本の再生可能エネルギーやインフラのマーケットが拡大し、開発がさらに進んでいくことに。そしてCO2を削減し、SDGsへの貢献をはたしていきます。

松田 「目指すのは、クリーンで良質なキャッシュフローを生み出すアセットを積み上げて、それを金融商品にしお客様の新たな選択肢として提供するという点で、『クオリティNo.1』の投資会社。その結果としての残高の規模を追求していきます。

そしていつか、再生可能エネルギーとインフラ関連だけで一兆円規模のファンドをつくりたいですね。たとえば投資家の方が年金資金を安心して投資できるようなわかりやすい金融商品にすれば、それも不可能ではないはずです」

ハイブリッド型総合証券グループの翼の先端を担う大和エナジ―・インフラは、大和証券グループの中で、また社会の中で確かな存在感を放っていきます。