スペシャルな空間を提供する「ドトール珈琲店」

ドトールコーヒーが展開する「ドトール珈琲店(ドトール珈琲農園)」は、首都圏を中心に8店舗を展開しています(2020年2月時点)。「コーヒー農園主の邸宅のような上質な空間で、心ゆくまでコーヒーの味わいを楽しむ」をコンセプトに据え、ゆったり過ごせる空間づくりを行っています。

ドトール珈琲店では、これまでドトールコーヒーショップが提供してきた日本人の嗜好に合うバランスの良いコーヒーを、アップグレードして提供しているのも特徴です。

この新業態の立ち上げに携わったのが、新規事業本部・新規運営課課長の沼田好平でした。

沼田 「直火焙煎で焼きあげたスペシャルティコーヒーのブレンドを3種類取りそろえ、一杯ずつハンドドリップで提供しています。初めて来店されたお客様が、コーヒーがおいしいと感じたら実はスペシャルティコーヒーだった、という驚きを体験していただきたいと思っています。

それがお店に対する敷居を下げることにもなりますし、市場も広がると考えています。一度味わったスペシャルティコーヒーに魅了され、当店をリピートするようになったお客様も少しずつ増えてきました」

沼田の言葉には、一般に普及しつつあるスペシャルティコーヒーにおいても、ドトールコーヒーがリーディングカンパニーであろうとする意思が感じられます。カップ一杯のコーヒーへの情熱もさることながら、アレンジコーヒーやフードメニューにもこだわりが詰まっています。

ドトール珈琲店の商品企画から運営までを一貫して見ている沼田は、実際に店舗でつくる際のオペレーションまで考察しながらメニュー開発していると胸を張ります。

「好きを極めれば人生は楽しめるはず」将来を模索した学生時代

2007年に新卒入社した沼田は社内では珍しい工学部出身。

学生時代を振り返ると「留年をきっかけに、自分自身の将来が明確に見えてきた」と話します。

沼田 「留年期間中は、『自分はいったい何が好きなのか?』とあらためて問いかけるいいチャンスになりました。そこで行き着いたのが「食」と「人」というキーワードです。自分がこれまで魅力的に感じ、楽しく過ごせた空間や瞬間。そこには必ずこの二つがあったことに気付きました」

人生で半分以上の時間を費やすことになる仕事が楽しくないと、人生自体がつまらないものになってしまう──。そう感じた沼田は、「食」と「人」という2本の軸をベースに就職活動を開始します。さまざまな企業の説明会を訪れる中で、魅力的に感じた企業のひとつがドトールコーヒーだったのです。

沼田 「いろいろなジャンルの食に関わる企業を視野に入れて活動していました。こだわりの強さから、それぞれのジャンルの中で自分が一番好きなブランドの母体の企業を厳選して説明会を受けていました。

カフェの中では、僕はエクセルシオールカフェが一番好きで、ドトールコーヒーを受けてみることにしました」

就職活動を行う中で、沼田が重視したのはしっかりと対話しながら企業選びをしていくこと。しっかりと会社のビジョンやミッションを知り、どれだけ自分ごととして捉えられるかを意識したと話します。

沼田 「慎重な企業選びをしていく中で、きめ細かく私の話を聞いてくれたのがドトールコーヒーでした。面接日とは別に人事担当者との面談を設定してくれたり、さまざまな相談に乗ってくれたり……。

最終面接に臨む際には、『太鼓判を押しておいたから、自信をもって望んでね!』と人事担当者が面接会場まで見送ってくださったんです。内定はいくつかいただきましたが、好きな「食」を通してこんな魅力的な人たちと働くことができたらきっと楽しめるはずだ、と思い入社を決めました」

どんな局面でも、打開するためのキーワードはやっぱり「人」

入社後、スタッフとして店舗に立った沼田は、23歳で店舗責任者に抜てきされます。自身の強みのひとつでもあるヒューマンスキルは、このころに養われたと話します。

沼田 「最初に配属された店舗では、わからないことだらけでしたし、共に業務を行うパートナー(アルバイトスタッフ)が自分の考えを理解してくれないことに不満を感じ、大変な思いもしました。

でもそうしてパートナーとぶつかり合ううちに、『お店で起こった問題は、相手ではなく自身の責任なんだ』とマインドを入れ替えられるようになり、それを機に状況も好転していきました」

結果的には、ばらばらだったベクトルを同じ方向に向け、社内の店舗評価で「オールA」を達成できました。沼田の異動が決まった最終出勤日に、集まってくれたスタッフが店頭で胴あげをしてくれたことは、今でもいい思い出になっていると振り返ります。

そうして、入社4年目にマーケティング室商品計画チームへ異動することとなります。

沼田 「販売実績の分析、商品導入効果のシミュレーション、ドトールコーヒーショップのスイーツやエクセルシオールカフェのMD計画。さまざまなプロジェクトを担当しました。

知らないことばかりで、実力不足を痛感する日々でしたが、勉強を通じて身に着けたことは今でも自分の基礎スキルになっていると感じます」

入社6年目に商品統括本部商品推進室に異動。より責任ある立場としてチームを引っ張っていくことになります。業務では、商品導入や販促企画を進めていくためにスケジュールMTGの起案をし、みずから司会進行を務めるようになります。同時にPRプロジェクトの起案、PJリーダーを務めるなど、販促と広報との連携を進めていきました。

沼田 「その後、8年目からは社長の直下で、ブランディングPJ(「ドトール、のち、はれやか。」)のリーディング、ドッグカフェの推進など、新業態の企画立案に関わるようになりました。

店長時代、マーケティング室時代、商品推進室時代。すべての部署で、上司や先輩、後輩に恵まれたと実感しています」

夢はお客様の生涯にドトールのある暮らしを提案すること

さまざまな部署を経て経験値を上げた沼田。2020年2月現在、新規事業本部で店舗運営の実務リーダーとして、ドトール珈琲店をはじめさまざまなプロジェクトを統率しています。

沼田 「この3年間で梟書茶房、ドトール珈琲店(農園)、神乃珈琲の3業態を設立し、ドトールコーヒーの新たな柱になる業態をつくりあげている最中です。
2年目からは企画だけでなく運営も兼任することになり、店舗の業績改善という使命に難しさを覚えましたが、店長をはじめメンバー全員の協力のもと乗り越えることができました。やっぱりいつでも私は『人』に支えられていますね」

常に新しいことにチャレンジしてきた12年間を振り返ると、一つひとつの経験が会社の成長にもつながっていると沼田は話します。

「一杯のおいしいコーヒーを通じて、お客様にやすらぎと活力を提供する」というドトールコーヒーの理念は、自身の実現したい夢でもあると話します。その夢をかなえるため、ドトールコーヒーとさまざまな人々の接点をさらにつくり、“ドトールのある暮らし”を実現していくことが目下の目標です。

沼田 「多くのお客様がドトールコーヒーショップを日常使いしてくださっていますが、たまには気分を変えて非日常体験のようなコーヒーを飲むことだってあるでしょう。

もちろんご家庭の中やオフィス内でだってコーヒーは飲まれている。そのあらゆるシーンにドトールがあるのが理想です。今あたためているアイデアはいくつもあります。

まずはドトール珈琲店の多店舗展開。そして、ドッグカフェを進化させ公園に併設された店舗を増やすこと。また、すでにある病院併設店経営のノウハウを生かして、介護施設併設を増やしていくこと……。

一生涯にわたって“ドトールのある暮らし”を提案していきたい。そして個人的な目標は、いずれ会社を統率するトップに登りつめることですね」

熱い眼差しで語る沼田とドトールコーヒーの挑戦はこれからも続いていきます。