過去のエータイから読み解く寺院開発部

“お墓参りに行けない方に代わり、寺院が供養する”永代供養墓事業を展開している株式会社エータイ。もともとクレーベスト事業を手掛けていた当社は「従業員が年をとっても働ける場所をつくりたい」「お寺の未来に寄り添いたい」という会長の想いから現在の事業を立ち上げている。

しかし、お寺に提携していただけるようになるには一筋縄ではいかなかった。そこで、今までの経験から個々で特性が異なる寺院と事業をつくりあげていく上で、次の視点を大切にして寺院と接している。

(1)真心を持って接する
(2)お寺と利用者のために正義感を持つ
(3)モノではなく、エータイというしくみを売る

エータイのしくみづくりの根底には、より多くの人へ永代供養墓について正しい知識を広め、理解していただきたいという想いがある。一般のお客様が、自分のニーズに合ったお墓の妥当性や、何より大切な「永代にわたる供養に対する信頼性」の判断をすることは難しく、お寺と人の橋渡しをする必要性は創業当時から今も変わらない。それのお手伝いをしてきた結果として、2019年12月現在では50カ寺の寺院と提携するまでに成長している。

しかし、会長が進めてきた事業の裏には「会長しかできなかったことを誰かが継承できる形にしなければならない」という大きな課題があった。そこで発足されたのが寺院開発部。構成メンバーは、お墓の販売経験のある営業マン、葬祭業界の営業マン、1級建築士のデザイナー、衣食住業界の営業マンとさまざまな場所から集まった経験豊かな少数精鋭のスペシャリストチームだ。

エータイの寺院開発部だからできる工夫

こうして生まれた寺院開発部では永代供養墓の開発営業や計画、永代供養墓の保全管理を行っている。

その中で、たとえばお墓の設計では、デザイナーの熊野源によって「永代供養墓だからこそ味わえる “お寺の特徴 ”」のくみ取ったデザインを凝らしている。

熊野 「お寺には歴史的建造物や指定樹木、地域住民からの寄贈された文化財も多く、デザインの際は周辺環境を重要視します。石材の材料特性や土地の合理性を鑑みるとある程度形が決まってくるのですが、お寺の雰囲気や日当たり、住職の想いなどから墓石の色や材質等を選択していくことで寺院ごとの特徴が生まれるのです。弊社では永代供養墓の建立から募集および販売の事務代行・保全管理までを行うため、お客様のニーズや現地スタッフの動線や清掃等も考慮して計画しています」

一般的なお墓は高額だったり、民間企業のビジネス色が出てしまったりする傾向もあり警戒する顧客も多い。それに比べ、エータイが提供する永代供養墓は「お寺を守りたい」という想いから寺院での永代供養墓を提供している。ひとり10万円から用意があり、基本的に「宗教・宗旨・宗派」は問われず、誰でも申し込めるケースがほとんどで、敷居が低いことなどが魅力として挙げられる。

お墓に入るまでの事務手続きや金額面のやりとり、お寺と利用者の間で発生する直接聞きづらいやり取りを代わりに請け負っているのがエータイの永代供養墓だ。

「共有」から生まれたチームワーク

▲個々の仕事内容や疑問・改善点を部署全員で共有することで、互いに「気づき」を得られている

日々、互いの強みを生かしながら事業を進める寺院開発部だが、決して堅い雰囲気の中で仕事をしているわけではない。なかなか他では見られない特有のコミュニーケーション方法があるのだ。その方法を北原阿里はこう話す。

北原 「雰囲気を良くしたいと思い、休憩時間にみんなでお菓子を食べることがあったのですが、それをきっかけに『おやつタイム』ができていました。他にも、何かおめでたいことがあったときは写真などを使ってお祝いします。これに関しては、私と馬渡がアイドルの雑談をしたことがきっかけです」

異業種の経験者もいる部署だからこそ見えてくる消費者の目線。それを大事にして疑問点を共有しやすい環境づくりをしていたらいつの間にか生まれた文化だった。これらが功を奏して、今では改善点を指摘し合える環境になっている。

馬渡 「私も国民的アイドルのファンなのですが、寺院を誘致できた日に上司から『おめでとう』とそのアイドルの画像付きでメッセージが送られてきて、とっても嬉しかったことを覚えています。でも、最初に送られてきた画像は人違いだったんですよー。画像を見たときは落ち込みました(笑)」

メンバーの成果も共有して祝福する──みんなで笑顔に変えるのが寺院開発部流の祝い方。普段から楽しい雰囲気で仕事をしている。

メンバー自らが発言や行動をする空気やしくみを整えていくことは、最も重要なポイントで、現代のビジネスシーンにおいて情報共有は必要不可欠なものである。実際に世界的企業グーグル社のリサーチプロジェクトからも2016年に研究結果が発表されている。その研究結果では、チームとしてより相乗効果が生まれるための5つの鍵が紹介されていた。

(1)心理的な安心感
(2)信頼性
(3)組織構造と透明性
(4)仕事の意味
(5)仕事のインパクト

よって、寺院事業部チームとしてはこの文化を大事にしていくことが自身を成功へと導く鍵となりそうである。

これからのエータイ、これからの寺院開発部

これからエータイの寺院開発部が目指したいものや、自身が挑戦したいこととして、メンバーの橘 伸之介、熊野、北原、篠﨑 浩一はこう話す。

橘 「みんなでアイデアを出し合うことで、『グッドデザイン賞』を受賞できたら良いなと思います」
熊野 「石材業者でもなく、お墓専門のデザイナーでもないので、業界の風習やしきたりにとらわれることなく永代供養墓のあるべきデザインを追求していきたいです」
北原 「お墓がファッション誌で取りあげられるような身近な存在になってほしいと思っています」
篠﨑 「会社の看板を汚さないようしっかりとお客様と向き合っていきたいです」

もう一度、お寺に人を戻しお寺の生活を守る。

株式会社エータイは、永代供養墓のパイオニアとして、新しくできた寺院開発部を中心に自社の事業とライフエンディング産業をこれからも盛り上げていく。