育児と仕事の両立のために。あえて選んだマネージャーの道

「女性の活躍」を推進し、時短で働く子育てママ社員が数多く在籍するエン・ジャパン。その筆頭が、設立2年目より新卒入社し、結婚・出産を経て、今では育成企画グループのマネージャーとして6名のメンバーを束ねる田中麻衣。育児との両立が一見難しそうなマネージャーという要職を、あえて選んだ彼女の足跡を辿ります。
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「働くママ」のお手本社員。それでも当初は……?

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「お先に失礼します、お疲れさまです!」

時計の針が16時30分を過ぎた頃。テキパキと仕事を片付け、さっそうとオフィスを去っていく女性社員――。彼女こそが、2017年現在エン・ジャパンの企画部でマネージャーを務める田中麻衣です。

2017年現在、彼女は9時~16時30分の時短勤務。保育園へ子どもを迎えに行くため、メンバーと連携しながら効率的に働いています。

プライベートでは一児の母。一方で、会社では6名のメンバーを束ねながら新入社員の研修プロジェクトを進めたり、社内独自の資格取得制度を構築したりと、人材育成に向けた幅広いプロジェクトを推進。活き活きと働く田中の姿に、多くの女性社員が「自分もこうありたい」と勇気づけられています。

「育児も仕事もソツなくこなす女性マネージャー」

順風満帆なキャリアは、一部の優秀な社員のみが得られるもののように思えます。しかし、彼女がこれまで歩んできた道のりは決して易しいものではありませんでした。

2002年4月、田中は設立まもないエン・ジャパンに営業職で入社します。第一線の営業として活躍し、チームリーダーとしてメンバーを率いる経験もします。

田中「営業の仕事が板についてきた4年目に、大きな壁にぶち当たりました。『営業企画へ異動しないか』と上司から打診があったのです。今でこそ私は企画部門のマネージャーをしていますが、職種転換をして間もないころは本当に何もできなくて……毎日泣いていたことを思い出します」

築いてきた自信を、一気に失う

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▲メンバーに慕われる田中にも“初めての挫折“があった

営業として実績を上げ、リーダー昇格後もチームメンバーの売上に貢献した田中。『自分はできる』という確信を持っていた彼女ですが、営業企画への異動で瞬く間にその自信を喪失してしまいます。

田中「意気揚々と異動したは良いものの……それから数ヶ月間は苦難の連続でした。営業時代とは違う成果を求められる環境で、失敗を繰り返してしまうのです。営業活動を支援するため、売上実績などの数値を分析し、PDCAを回し、ツールやシステムを構築していく。それが営業企画の役割なのに、私は広報文面に脱字を起こしてしまったり、たった1枚の営業ツールを作るのにも多くの時間をかけてしまったり。基本的な仕事すらままならない。思いっきり鼻をへし折られた気持ちでした」

組織が発展途上だった当時、企画部のメンバーは田中ひとり。とにかく目の前の事務処理をこなすことに手一杯でした。少しずつ業務に慣れ成長し、約2年。会社とともに企画部門も拡大する中で、田中は営業企画部のマネージャーの肩書を得ます。

しかし、2008年のリーマンショックで組織の業績が一気に低迷。田中はマネージャーとして有効な打開策を講じることができずに、メンバーへ降格します。

田中「私は新しい人事に納得していました。なぜ降格したのか、なにがいけなかったのか……具体的な理由をハッキリと言われずとも、自身の力不足を自覚していたのです」

いちメンバーとして再スタートをきることとなった田中。落ち込みはしたものの、事態を打開できなかった以上は責任がある。そう考えた田中は、「とにかく自分にできることからやり直そう」と気持ちを新たにします。

田中「改めて振り返ると、以前は営業経験で得たものだけで成果を出そうとしていました。そもそも営業企画として成果を出すために必要な知識やスキルは、営業経験だけで分かるはずがないんです。もう一度学び直そうと、事業戦略・問題解決や分析・人材育成などの書籍を買っては読んだり、ビジネススクールで、社外の人と意見を交わしては社内でアウトプットしたり。自分への投資をはじめました」

挫折経験があったから得られた、年間MVPの栄誉

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▲2012年、年間MVP受賞。代表・鈴木よりトロフィーを受け取る

積極的な努力が奏功し、徐々に力をつけていった田中。リーマンショックの影響で低迷する組織の業績回復を目的としたプロジェクトにいくつも参加しました。

業績の上がらない営業グループがあれば、専門書籍での学びをもとに売上数値や訪問件数などを分析し、原因を抽出。自分のフィードバックで営業チームの業績が改善していくなど、外部での学習が活きている実感と面白みを味わいます。

田中の活躍は社内の至るところで評価され、メンバー降格から2年半後の2010年、再びマネージャー昇格の話が舞い込みます。

田中「プライベートでは結婚もして、以前とは生活リズムも変化していましたが、再度マネージャーになることに迷いはありませんでした。前回できないことが多かったぶん、次こそは組織に貢献したいという思いが強かったですし、いただいたチャンスには飛びつこうと意識していたので」

以降、田中は目覚ましい活躍を続けます。生産的な営業活動を支援するべく、自身のノウハウや考えを企画部内で共有。営業メンバーが日々の活動やトレンドを共有できるシステムの企画・運用に携わるなど、数々の実績を残します。

そして2012年には、社内表彰でもっとも栄誉ある「年間MVP」の受賞を果たすのです。

田中「受賞にあたり評価されたのは、当時の私のマネジメント手法です。自分の成功体験をメンバーに伝えることにいちばん力を注いでいました。これまで学んできたこと、苦労や失敗、考え方などをエンの理念や考え方に沿って分かりやすく説明したり。私個人が培ってきた業務知識やスキルを、誰でも活用できるように資料化・ツール化したり。私がいないときでもメンバーが私と同じ判断や行動ができる状態を生み出しました」

マネージャーとしての立ち位置を確固たるものにした田中。一方で、プライベートでは待望の第一子を授かります。産休・育休を取得後、いちメンバーとして現場復帰を果たしますが、そんな彼女を待ち受けていたのは育児と仕事を両立する難しさだったのです。

数々の壁を乗り越えて「働くママ」マネージャーは生まれた

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▲2017年現在の部下たちとのミーティング風景
田中「復帰してすぐのころは、任されるプロジェクトもそれほど多くはなく、いちプレーヤーとして久しぶりの仕事を楽しんでいたんです。けれども、一つまた一つとプロジェクト数が増えていき、徐々に余裕がなくなっていきました。
たとえば時短勤務で16時30分に会社を出ても、その後トラブルがあれば、当然ですがカバーできる人がいない。結局は、0~10までをひとりでこなさなければならないのです。追い打ちをかけるように夫の仕事も忙しくなり、気付けば公私共にキャパオーバー。辛かったです」 

徐々に育児・家事とのバランスを取り戻していったものの、ひとりで取り組める仕事の幅に限界を感じた田中。しかし、彼女のなかには「もっと多くのプロジェクトに携わりたいのに」という漠然としたもどかしさがあったのです。

そんな矢先、田中は事業部長からある打診を受けます。それは再びマネージャーにならないか、というもの。なんと田中はこの提案をふたつ返事で引き受けたのです。

田中「子育て中で仕事のキャパシティが限られているにもかかわらず、責任ある立場も兼任するなんて、普通は選ばない道かもしれません。ですが昇格の話があったとき『これだ』と思いました。
マネージャーとなれば、メンバー全員の強み・弱みに合わせてフォーメーションを組めますし、サポートし合える。MVP受賞の際に評価されたマネジメント経験も活かせる。自分自身のキャパシティを広げるだけでなく、インパクトの大きい仕事で組織に貢献できる……って。要職に就くことで、今のもどかしさから抜け出せるんじゃないかと感じました」

2017年、再びマネージャーポジションに舞い戻った田中。「子育て×管理職」を選んで数ヶ月が経ちましたが、彼女の予想通り、良い変化が起こっています。

田中「みんなでサポートしあう環境を作ることで、育児や家事とのバランスをとりながらスケールの大きな仕事を手がけられている実感があります。
たとえば、昨年は新卒社員の育成企画にしか着手できていなかったところが、中途社員、リーダー向け、マネージャー向け……と、企画の幅がどんどん広がっています。もちろん、そのためにはスピーディーに連携をとったり、的確に情報を共有したり、個々のスキルを高めたり……継続的な努力が必要ですが」

家事や育児は、必ずしも自身のキャリアや仕事の範囲を狭めるものではないと語る田中。その考えは、間違いなくこれまでの彼女の仕事人としての足跡が生み出したものです。

田中「たとえば、若手のうちからマネージャーに挑戦させてもらえる。そこで失敗しても、再びチャンスをいただける。さらに時短勤務をしながらマネジメントに就く選択ができる。チャレンジを歓迎する風土をもち、それだけの規模を備えた組織だからこそ叶ったキャリアのように思います。これまで取り組んできた一つひとつが、今につながっていると感じます」

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