会員数700万人超、3ヶ国に展開。M&A、CEO交代後のエウレカ成長の全貌・前編

恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」、カップル向けコミュニケーションアプリ「Couples」の開発・運営を行なっている、株式会社エウレカ。私たちは2015年5月、クロスボーダーM&Aによって、米IACグループに参画しました。M&A後のエウレカの成長について、CEOの石橋準也が語ります。
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立場を変えながら、エウレカの成長にコミットしていた2年間

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▲代表取締役CEO 石橋 準也

エウレカは赤坂優、西川順のふたりが2008年11月に共同で創業した会社です。ブログマーケティング事業、受託事業を経て、2012年10月に恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」をリリース。自分がエウレカに入社したのは、「Pairs」がリリースされてから約9カ月が経った、2013年7月のことです。

当時、自分は「Pairs」を開発するエンジニアのひとり。入社後はひたすらプログラミングし続ける日々が続きました。それから半年が経ったタイミングで、「Pairs」のリードエンジニアになり、開発環境・開発プロセスの整備のほか、チームづくりにも携わりました。

ありがたいことに、「Pairs」は順調に成長し続け、リリースから2年弱が経った2015年2月には会員数200万人、マッチング数830万組を突破。自分もリードエンジニアから執行役員開発責任者、執行役員CTOと立場を変えながら、「Pairs」の開発、そしてエウレカという組織とも向き合い、成長にコミットしてきました。

そして2015年5月、「Match」、「OkCupid」、「Tinder」など世界各国でマッチングサービスを手がける、米InterActiveCorp(以下、IAC)グループ傘下のMatch GroupとのクロスボーダーM&Aによって、IACグループに参画。グローバルでのサービス展開を加速させていきます。

気負わず、自分なりの経営スタイルを。僕がCEOになって意識したこと

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▲左:石橋 準也 右:エウレカ創業者 赤坂 優

その後、2016年3月に取締役COO兼CTOになった自分ですが、3ヶ月後、個人的に「まさか」と思うことが起きました。それは代表取締役CEOだった赤坂が代表を退き、取締役顧問に就任することに伴って、自分が新たに代表取締役CEOに就任する、というものです。

この話自体はM&Aから3ヶ月後が経過したころにでたものです。エウレカに入社するときは、自分がCEOになるとは全く思っていませんでした。また、カリスマ創業者の後を引き継ぐのは、相当なプレッシャーではありましたし悩みもしました。しかし、同時に創業者である赤坂が退任を決断するということに対する彼の覚悟も理解ができたので、承諾することにしました。

ただ、エウレカの文化を変えるつもりもなかったですし、CEOになるからといってあまり張り切りすぎず、誠実に事業を伸ばし続けていくなかで自分のスタイルを見つけていければいいかなと思い、会社を経営することにしました。

成長への投資、ユニバーサルに優秀な人材として成長し続けること

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M&A後、エウレカの売上・EBITDAは3年間で約5倍に成長しています。CEO交替後でいうと、会員数は1年半で約2倍。今でも事業成長率は高い水準で、停滞するどころかむしろ加速しています。その成長の源泉にあるのは、“人・経営・Match Group”の3軸だと考えています。

“人”は、人の優秀さ。エウレカのメンバーは、どこにいってもやっていけるような人材で構成されています。なぜなら、それがエウレカの人に対する根幹の考え方だからです。「ユニバーサルに優秀な人材」、いつどこでも働けるような人材を育てるというのがエウレカが大切にしている哲学のひとつです。経営としては一見不合理とも言えるほど、“人の成長”に投資しています。四半期に1回の役員を含む定期面談、短いスパンでの1-on-1、たくさんのインプットを得てほしいという意味での夏季冬季の長期休暇、快適かつ生産性を最大化するためのオフィスなど。

M&AというとPMIの過程で組織文化すら統一されるというイメージもあるかもしれませんが、僕らは経営の独立性を保っているので、この辺りはM&A後の組織づくりなどを通してむしろ加速している部分です。

メンバーに対して、数ある会社のなかからエウレカを選んでくれたことに深く感謝するというスタンスは、創業当初から今に到るまで一貫しています。だからこそせっかく一緒に仕事をする人たちに対して、エウレカはこの先もずっと活躍し続けられるだけの成長が望める環境を用意する責任があると考えています。

M&AはEXITではなく、スタートライン。M&A後も成長している理由

“経営”は、経営上の意思決定によるリソースコントロールですね。フォーカスすべきところにヒト・モノ・カネを集めること。古くは、受託から自社サービス事業に切り替えるときにそのタイミングを見計らい、一気に自社サービス事業へ集中したことがそれです。

中長期なサービス拡大のために短期的な開発に固執せず、フルスクラッチでシステムをつくり直し、プランニングからリリースまでのスピード=価値のデリバリーを加速させたこと。またデーティングは自分にあった人を探すという文脈で、ネットワーク外部性の強いサービスです。そのため、ユーザー獲得のための広告費用は、サービスがまだ小さいときから会社の利益のほぼ全額をつぎ込んできましたし、今も弊社のコストの大部分は広告が占めます。

カスタマーケアもそうですね。日本という市場はオンラインデーティングのイメージが、世界各国に比べてもひときわネガティブなので、信頼できるサービスであるということを名実共に示すために、カスタマーケアをインハウス化してクオリティを高めています。選択と集中をベースにしたリソースコントロールは経営の基本といえば基本ですが、この基本に忠実であることはひとつの強みだと思います。

最後の“Match Group”は、彼らのナレッジ活用です。彼らは20年もオンライン・デーティングを運営している会社です。そのナレッジは膨大ですし、経営者も含めて世界中のタレント人材を集めている会社なので、そういった人たちとすぐにつながれてアドバイスを受けたりすることができるのも大きなメリットです。

経営面でも、最終的な意思決定権をこちらに渡しつつも、数多くの意見をくれ、サポートしてくれる、“管理”ではなく“任せつつサポートする”スタンスは間違いなくエウレカの成長を支えています。

そして、2018年現在、国内だけではなくグローバル展開やオンラインデーティング文化の醸成に力を入れています。
後編につづく】

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