LGBT+支援のリーディングカンパニーとしてEY Japanが伝えたい理念と想い

EY Japanにとって「ダイバーシティ&インクルーシブネス(D&I)」は重要な経営戦略の一つです。LGBT+支援の制度整備や、イベントの開催、そして外部イベントの参加を継続してきた結果、私たちはLGBT+のリーディングカンパニーとして知られるようになりました。その経緯と私たちの想いについてご紹介します。

EYの「D&I」の理念がもたらす多様性の受容とLGBT+への支援

▲ Unity Japanのコアメンバー(左から、初代代表 王健智、デピュティ・エリア・マネージング・パートナー兼Unity Japan エグゼクティブ・スポンサー 貴田守亮、2代目代表 川村安紗子、副代表 小林みわ)

EY(Ernst & Young)は、全世界約26万人のプロフェッショナルを擁するアカウンティングファームです。

EYでは働いている一人一人が財産です。すべてのプロフェッショナルが最高の成果を出すことができる環境を実現するために「ダイバーシティ&インクルーシブネス(D&I)」を実践しており、その施策の一つがLGBT+の支援です。

EYにとってダイバーシティとは「違い」、そしてインクルーシブネスとは、これらの「違い」をうまく活用することです。

EY Japanでは「LGBT+」のほか、「ジェンダー」「マルチカルチャー」「障がい者」をD&Iの取組みの重点領域として位置づけ、積極的に支援しています。

タレント部(人事部)のD&Iチームのリーダーである紀本真由子は、EYが重視するD&Iは、EYの理念の実現に資する「企業戦略」として位置づけられていると説明します。

紀本 「かねてより EYは『 Building a better working world (より良い社会の構築を目指して)』という理念を掲げており、この理念が私たちの業務や企業戦略のすべての基盤となっています。そしてこの理念が重視するのは、EYがチームのメンバー一人一人にとって最高の成果を出せる職場であるか、ということです」

ダイバーシティは最近多くの企業から注目されていますが、ダイバーシティが意味するところの一人一人の「違い」を受容しうまく活用すること、つまり、インクルーシブネスがEYにとってより重要なのです。

紀本 「多様性を受容しながらチームを組成し率いていく行動の模範づくりは、人事戦略の一つです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが『誰もが自分らしく働ける職場づくり』これが私たちの目標です。そして、そのための施策を一つ一つ実現し積み重ねてEYの理念を実現することが、私たち D&Iチームの使命だと思っています」

EY JapanでLGBT+を支援する取組みをはじめた2013年、職場にLGBT+のメンバーがいることはほとんど認識されておらず、組織全体としてのLGBT+に対する理解は進んでいませんでした。

紀本 「私たちは誰でも『無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)』を持っています。多様性を受容し活用する職場をつくるためには、まず私たち一人一人が自分の考え方や判断に偏りがあることを認識したうえで、公正に物事を見て判断することが重要です。そのために、 LGBT+のメンバーと一緒にできることから一つずつ活動してきました」

2013年にEY Japanの税務部門に勤務する王健智がLGBT+をカミングアウトしました。

その後、EY Japanの税務部門における統括代表の網野健司や人事部長の一藤隆弘、EY JapanのD&Iリーダー工藤陽子、安藤勇らのサポートのもと、王のリーダーシップでLGBT+のネットワークUnityを社内に発足します。

それを機に、LGBT+への支援はD&I推進活動においてEY Japanが取り組むべき領域として、次第に可視化されていきました。

D&I WeekやLGBT+ネットワークUnity主催のイベントを開催

▲ LGBT+のサポーターであることを示すためのUnityアライシール(PCに貼っている)

Unity発足当時は、ランチ交流会など小規模な活動を行なっていましたが、その後、2015年にD&Iをテーマに行なわれた全社的イベント「D&I Week 2015」の開催と同時にLGBT+への理解を深めるためのセッションを開催しました。

D&I Weekは、イクメン、女性活躍推進、ジェネレーションギャップなど、さまざまな多様性と働き方をテーマに1週間にわたって行なわれたイベントでしたが、そのなかのテーマの一つとしてLGBT+への支援も選ばれたのです。

紀本 「D&I Weekの大きな特徴の一つは、メンバーの有志がイベント運営を支えるボランティアとして活躍していることです。役職や業種を超えて集ったボランティアは、イベント終了後も問題意識を持って行動してくれていると感じます」

イベントのテーマとなるスローガンを内部から募集し、わずかな時間でも参加できる有志メンバーは手をあげる。

イベントを通じて一人でも多くのメンバーに自分の身近にある多様性の一つであるLGBT+についても理解してもらえるよう、運営方法にはこだわり続けています。

紀本 「イベントの前後に必ず実施するアンケートの分析を通じて、どのような施策を展開することが重要なのか検討することも大切にしています。当事者や参加者の意見を直接聞いて対応していくことが、改善の近道と考えています」

LGBT+の方の声を直接聞くことで、認識を改めたメンバーは少なくありません。

自分らしく生きるために自ら情報を発信し、それを聞いた他のメンバーは今後どのようにともに活動できるかを考え、自分ができる身近なことから実践する……例えば、LGBT+のサポーターであることを示すアライシールを自分のパソコンに貼る……そんな小さなことの積み重ねで徐々に理解と支援の輪が広がっていきました。

「Be Yourself~自分らしくいよう~」

▲東京レインボープライド2018のパレード参加者との記念写真(EYのシンボルカラーである黄色のTシャツを着ている)

D&I チームが主催する企画やイベントのほか、EY JapanはLGBT+をテーマとする日本最大のLGBT+の祭典、東京レインボープライドへの協賛と参加を続けています。

社内広報や参加者の口コミを通じて年々イベントの認知度が高まり、2018年のEY Japanからの参加者は200名を超えました。

紀本 「東京レインボープライドには、 EYのプロフェッショナルだけではなく、その家族や友人なども参加しました。参加者からは『(こういうイベントに積極的に参加して) LGBT+への理解を深めることは大切ですね』という言葉をいただきました。EYの理念である『 Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)』を実践できた有意義なひとときでした」

参加者はEYのシンボルカラーである黄色いTシャツを着てパレードに参加したほか、東京レインボープライドのフェスタ会場の代々木公園内に設置されたEY Japanのブースで、LGBT+やアライの来場者から意見を募る取組みも行ないました。

テーマは「あなたの声を届けよう」。当事者の声を大切にしたいと思っているEY Japanらしい企画です。

「カミングアウトした時にどんな言葉をかけられるとうれしい?」「LGBTとして快適と感じる職場は?」「LGBTとして安心して働ける職場づくりに必要なものは?」「アライとして普段どんな活動をしている?」「フリーメッセージ(想いの丈をどうぞ!)」という5つの質問に対する答えを短冊形のカラフルなカードに記入してもらい、そのカードはブース内に美しく飾りつけました。

紀本 「フリーメッセージのなかで多く見受けられたのは、『 Be Yourself』『自分らしくいられるように』という言葉です。自分らしく働ける職場の重要性は EYに限らず、そして LGBT+に限らず、すべての人にとって大切なことなのだと思います」

EY Japanが2017年に東京レインボープライドに参加した際に、ブースで来場者の声を集めて制作したビデオメッセージを『Be Yourself~自分らしくいよう~』というタイトルでEY JapanのホームページやYouTubeに公開しています。

この動画は、自分らしく生きるためにさまざまな悩みを抱えているLGBT+の若者に「未来はきっと明るいから希望を持って生きて欲しい」という願いを込めて制作されたもので、勇気と希望を持って諦めることなく前進してほしいと訴えています。

EY Japanはこうしたさまざまな企画とプロフェッショナルを巻き込んだ活動を積み重ねて、LGBT+におけるリーディングカンパニーとして認知されるようになっていきました。

LGBT+を支援するために企業同士で連携していきたい

▲EY JapanのD&Iチーム (左から、三國、丸山、安藤、紀本)とEY JapanのLGBT+ネットワークUnityの旗

紀本 「私たち EY Japanは今でこそ取組みを評価していただく機会にも恵まれるようになりましたが、やるべきことはまだたくさんあります。日本には、 LGBT+への支援を積極的に行なっている企業が増えてきており、今後は私たちも率先して、そうした企業の皆様と連携して活動していきたいと考えています。

引き続き、社内で LGBT+への支援のための施策を実施するとともに、社外とも連携し、互いに協力し合って日本全体で LGBT+を支援していかなければなりません。一つひとつの取り組みがやがて日本全国に広がり、私たちの想いが日本や世界中に広がることを強く願っています。そのためには、多くの人と連携し、また、メディアを通じて私たちの活動を知ってもらうことも重要だと思っています」

多様性を重んじる職場づくりや環境づくりは、日本の企業が抱える大きな課題でもあります。しかし、職場からメッセージを発するということには難しさがつきまといます。

紀本 「私どもの経営執行部の一人で、 LGBT+の当事者でもある貴田守亮は、『経営者や管理職の立場にある人々が LGBT+に対してどのように語ればいいのか知らないという課題がある』と述べています。私たち、 EY Japanはこうした課題も踏まえたうえで、社内の LGBT+の人たちが自分らしく働ける環境をどう築いていくべきか、今後も制度の見直しやイベントの開催などを通じて模索し、前進し続けます」

日本企業全体を巻き込んで LGBT+支援を行なっていくには、こうした上位層の立場にいる人たちへのアプローチも重要なのです。

まだ認知度の低い日本においてLGBT+のリーディングカンパニーとなったEY Japan。その背景には、強いEY Japanの理念から生まれた配慮と地道に積み重ねた努力がありました。

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