アルバイトでの経験が変えた将来イメージ

2013年に新卒入社してから現在に至るまで、第一線を走り続けている田中。その背景には、学生時代に大手飲食店の新店オープンに携わった経験が大きく関係していました。

田中 「大学生の頃、飲食店でキッチンのアルバイトをしていたのですが、僕が働いていたのは座席数が400席もある大きな店舗でした。当時、オープンしたばかりということもあって決まったルールがなく、自分たちでルールや効率の良い段取りを探っていくような段階でした。

しかし、大きな店舗とはいえキッチンはひとつだったので、400席分の料理をどのように提供すれば、お客様に快適に過ごしていただけるのか模索していましたね」

田中は、当時その経験が「社会人になっても必要な力になる」と学生ながらに感じていたと言います。

田中 「基本的に最初のオーダーから10分経っても料理が出てこなかったら、お客様も不安になります。ですから、まずはファーストオーダーで入りやすいメニューは事前に準備をしておいて、注文後すぐに提供できるようにしていました。

料理をするときは優先順位を考えて、お客様をお待たせしないように工夫する。その頃から、事前の計画立てや準備、そして物事の一手、二手先を読んで行動する力や突発的な事が起きたときの対応力が身についたと思っていますね」

学生時代から業務効率を考えて行動していた田中は、就職活動で大手企業を含め、数多くの内定をもらっていました。そんな彼が、FANTASに入社を決めた理由──。それは、裁量権の大きさでした。

田中 「大学受験の時期には、『生きていく中でいつか苦労するなら若いうちに苦労しておこう。いい大学に入って大企業に就職すれば、安定的な将来が手に入るはずだから今のうちに勉強しておこう』なんて安直に思っていました。

ですが、いざ就職先を決めるとなるといろいろ考えましたね。アルバイトでの経験も踏まえて、思いっきり仕事をすることの楽しさを知れたのは大きかったです。それに5年先、10年先の未来が想像できない人生の方がおもしろそうだと感じていましたね。

漠然といつか起業したいと考えていたこともあり、あえて当時内定をもらった中で、一番小さい規模であったFANTASに入社することを決めました。規模が小さいからこそ、実績を上げたら裁量を与えてもらえるのではないかと思ったんです」

効率化を重視する性格が生み出した可能性

こうしてFANTASを選んだ田中ですが、入社当初はなかなか実績を上げられず、苦戦したと当時を振り返ります。

田中 「僕が入社した頃は、お客様とのファーストタッチポイントが電話営業や名刺交換でした。毎日約500本電話をかけることを1週間続けて、やっとひとりお会いできる程度。行動では頑張っているつもりでもなかなか成果となるアポイントにつながらず、悩んでいました」

入社から数カ月経った頃、毎日電話を続けている中で、もっと効率的にできる方法はないかと考えるようになった田中は、ある行動を起こします。

田中 「代表取締役である國師 康平に、現在のデジタルマーケティング本部の前身であった営業推進部の立ち上げを提案しました。

当時から少しずつ自社でセミナーを開催していたのですが、セミナーへ来てくださるお客様は、自分たちが直接お声がけをして参加していただいた方ばかり。ですから、セミナーに参加していただく方々をWEB上で集めてみてはどうだろうか、と思ったのです。

突然の提案でしたが、國師はやってみようかと受けてくれて。まさかすぐに形になるとは思っていなかったので驚きましたし、何より大きな責任を感じましたね」

2013年10月、事業部を立ち上げたものの、当時WEBに関する知識もそこまでなかった田中は、ひとりで模索する日々が続きます。

田中 「まずはWEB広告業者の方から話を聞いてみようと考えました。最初は業界用語やしくみなど根本的なことを教えていただくと頃から始めて。どうしたらたくさんの方に足を運んでいただけるようになるのかを考えましたが、なかなかうまくいかない日々が続きましたね。

今考えると相手(当時付き合いのあった業者)にこちらの目的を正しく伝られておらず、そもそも手段が合っていなかったんだと思います。

ですが、その経験を生かして試行錯誤した結果、SNS広告によってセミナーに参加していただく方を集めることに成功し、さまざまなことがプラスに動き出しました」

新設部署が担う未来

事業部を立ち上げるなど着実に実績を積み上げて、数十名のメンバーを抱える本部長を経験した後に取締役に抜擢。

組織が大きくなっていく中で、田中の感じていたことはどんなことなのでしょうか。

田中 「これまで手が回らなくてできていなかったことを、形にできるようになったのは大きいと思っています。ここ数年で専門性の高い中途の方も続々と入社しているので、学ぶことも多いですし、その中で自分がどのように価値を出していくかを、より強く考えるようになりました。

何より、働いているメンバーの未来を背負っているという意識があって。それはお客様に対しても同様で、人生に深く関わっているという責任を常に感じています」

そして2020年2月、田中が執りまとめるDX本部が新設されました。DXとは、デジタル技術の浸透により、既存の価値観や枠組みが根底から変化し、人々の生活がより良いものになっていくという概念です。その実現のために、FANTASの事業の基本となるのはOMO(Online Merges with Offline)の世界観。実生活とインターンネットの間にボーダーがなく、シームレスな状態となっていくという考え方です。新事業部誕生の理由は、このOMOによる顧客満足度の向上だと言います。

田中 「これまで当たり前だった、欲しいものがあるときは買い物に行くという行動も、今ではインターネットでどこにいても手に入れることができますよね。さらには自分に合ったおすすめ商品がネット上に表示されて、さらに追加で買ってしまうなんてこともあると思います。

弊社では、基本的にオンラインの動きはマーケティングの部署の担当領域で、われわれDX本部は、オフラインの動きをどのようにオンラインとつなげて物事を見ていくのかを考えています。

さまざまな動きをすべてデジタルで解析することで、お客様の持つ日頃のお悩みや、資産形成に関する疑問に最適なアドバイスができるようになり、顧客満足度の向上につながっていくと信じています」

DX実現のためにFANTASは新しいシステム開発に取り組んでいきます。

田中 「DXの実現には、新しいデジタル技術に対応していけるよう既存システムを適合させることが重要だと言われていますね。

今後は、テクノロジーデベロップメント本部(FANTASの開発エンジニアチーム)のメンバーが自社システムのアップデートや、新しいシステムの開発などを進めてくれる予定です。

なので、そのシステムを最大限に生かしながら、しっかり分析をして、お客様のニーズに合った提案やコンサルティングができるようDX本部から推進していきたいと考えています」

踏み出した第一歩。始まった挑戦

まだ走り出したばかりのDX本部。田中には、これから共にチームをつくっていくメンバーに伝えたい想いがあります。

田中 「今後いろんな施策を講じていく中で、自分たちが行っていることへの意味付けをしてほしいと考えています。この施策はなんのためにやっているのか、私たちに何ができるのか、常に考え抜くということを意識してほしいです。

会社全体が取り組んでいることを各セクションが自らのこととして捉え、この先の未来がどうなっていくのか理解できるように私自身も動いていきたいと考えています」

社内に対してもそうですが、それ以上に、お客様の満足度向上を考えるDX本部。彼らが、これからつくっていく世界観を次のように話します。

田中 「不動産データと顧客データの最適マッチングを実現し、お客様に価値ある商品をお届けしたい。そして何十年と不動産を所有していただく中で、お客様それぞれのニーズの変遷に合わせて、私たちのサービスを改善させ続けていくことが、私たちの使命だと考えています」

お客様一人ひとりにとっての価値を最大化するよう取り組んでいくと言う田中。そして今後大切なのは、FANTASのファンになってもらうことだと言います。

田中 「当たり前のことですが、メンバーの一人ひとりがお客様からファンになっていただける人であることが、ファン創造の連鎖につながっていきます。ですが、これからは個人だけではなく会社全体として、お客様の満足度を高めていけるように動いていくことがとても大切です。

会社としてお客様への提供価値を高め、『FANTAS』のファンを増やしていくことこそ、私がDX本部として大切にするべきことだと強く思っています。

長い人生の中で、『FANTASに出会えてよかった』と思っていただける組織であり続けたいですね」

オンラインとオフラインをつなぎ、お客様とFANTASの結節点となる──DX本部の挑戦はまだ始まったばかりです。