国内外の出店開発を経験する中で見えてきた、ビジネス成功のために必要なチカラ

“本当に良い服”を世界中に届けることで、人々の幸せに貢献することを目指すファーストリテイリング。世界を舞台に仕事をする中で、もっとも重要となるスキルや素養とは一体何なのか──。国内はもちろん、海外での業務実績も豊富に積む、出店開発部部長 城戸直義の姿を通してお伝えします。
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世界を舞台に活躍する“商売人”を目指して

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▲出店開発部 部長の城戸直義
城戸 「お店をオープンし、お客様に喜んでお買い物をしていただくという、今も昔も変わらない “商売 ”の原点。それがやはりおもしろいし、自分自身の成長の糧にもなっています」

そう語るのは、2013年に当社へと入社し、2019年の今は出店開発部の部長を務める城戸直義。しかし前職では、ファーストリテイリングとは大きく異なる業態の企業で勤務をしていました。

城戸 「前職では、不動産開発の仕事をしていました。土地を見つけるところから、地主と交渉をし、建設する建物の企画、その後の広告展開や販売戦略の立案・実行まで、その一連の流れをすべて担当しましたね」

実際の業務はかなり泥臭い面もあり、毎日何百件という顧客リストに対してテレアポを行ったり、近隣地域を自転車で巡りながらチラシを配ったりといった業務も経験。しかし、それをつらいと感じることはなく、むしろ直接お客様と接していく“商売”の醍醐味を、ここで経験できたと振り返ります。

城戸 「当時の仕事には満足していました。しかし私には、昔から『海外でキャリアを積みたい』というもうひとつの目標がありました。当時の職場では、それをかなえるのが難しかった。これが、転職を決意する理由になったんです」

こうして転職活動を開始した城戸。その中で、ファーストリテイリングと運命的な出会いを果たします。

城戸 「当時、募集がかけられていた出店開発の仕事は、これまで培ってきた経験がある程度は生かせる環境でしたし、何よりも海外展開に積極的な姿勢に魅力を感じました。加えて、衣服という商材は、不動産よりもより身近で、多くの人に生活の豊かさや幸せを届けるものでもあります。服を通して、世界中の人々を幸せにする “商売 ”ができる。迷わずファーストリテイリングに飛び込みました」

ビジネスパーソンとして培ったすべての経験は、決して無駄にならない

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▲中国で出店経営業務を担っていたころ(前列 左から3番目が城戸)

ファーストリテイリングへ入社後、国内の出店開発業務を任された城戸は、持ち前のスキルで大きく活躍します。

城戸 「初めて任されたのは、宇都宮市内のジーユー店舗の出店プロジェクトです。自分が目を付けた土地で、綿密に交渉を進めながら、ようやく開店にこぎ着けた店舗が、オープンと同時に多くのお客様で溢れかえる。その光景は今でも鮮明に覚えていますね。ファーストリテイリングで仕事をする価値を、ここで味わうことができたのだと思います」

転機が訪れたのは2015年。中国での出店経営業務を任されたときでした。城戸にとっては長年の夢でもあった海外での仕事でしたが、その中身は、決して順風満帆だったわけではありません。

城戸 「私が赴任した当時、中国は組織の形や仕事のプロセスも、 8割〜 9割完成しているような状態でした。そうなると、私がこれまで培ってきた出店開発に関わる経験やスキルをどう生かしていったらいいのか悩みました。自分が何に貢献できるのか、自分にしかアウトプットできないこととは何かを考え続ける毎日でしたね」

手探り状態で自分の存在意義を探す日々。しかし、自分にしか提供できない価値は意外なところから見付かります。

城戸 「当然と言えば当然なのですが、いくら中国チームの組織や人材が充実しているとはいえ、日本にいる社長や経営陣との物理的な距離や言葉の壁というのは、どうしても存在してしまいます。ここに、日本から来た駐在員である私の役割があったんです。中国と日本の間に立ち、現場の状況や想いをしっかりと本部へと伝えること。それは、私が貢献できる大きな役割でした」

仕事に関する専門的な知識や経験も大切ですが、本当の意味で生かすことができたのは、もっと基本的な部分。ビジネスパーソンとして磨いておくべき、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力といった基礎的な力こそもっとも重要なスキルのひとつであり、求められる素養であったことに、中国での経験を通して気付いたのでした。

人と人とのつながりがあってこそ、ビジネスは動き出す

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▲シンガポールを拠点にASEANの出店を統括していたころの写真

ビジネスパーソンとしての基礎力こそが、仕事をする上でもっとも大切なことであると気付かされた事例はほかにもあります。それが、中国の次に赴任したシンガポールでの出来事。シンガポールを含むASEANマーケットを、中国に次ぐ第2の成長エンジンにすべく、組織づくりや業務プロセスの立ち上げをしなければいけませんでした。城戸は当時を振り返りながら、こう語ります。

城戸 「 ASEANと中国では、市場規模や状況など、ひとつとして同じものは存在しません。にも関わらず私は、中国の成功事例を見ていましたから、いかにその流れを踏襲していけるか、第 2の中国をつくるんだ、という気持ちばかりが焦っていました。言うなれば、これまで現地で積み上げてきたことへの配慮や現場の社員へのリスペクトが足りなかったんです」

当然のように起こってしまったのが現場からの反発。このままでは、優秀な人材を失い、チームが分裂しかねない。城戸にとっては、ファーストリテイリングで味わった、大きな挫折でした。しかし、この状況を救ったのも、小手先のスキルではない、ビジネスの基本となる考え方でした。

城戸 「どんな仕事であれ、それを遂行しているのは人間です。仕事というのは、人と人とのつながりによって成り立っているわけです。そこに信頼関係がなかったら、何も生み出すことはできません。そこで私は、現場の社員と徹底的にコミュニケーションを取ることにしました。まず相手の考えをしっかりと聴く。それから、自分の考えを伝える。 1年ぐらいはかかりましたかね。個人と個人がちゃんと向き合うことができて、やっと組織全体が同じ方向を向くことができるようになりました」

現場で人間同士がパーソナルな部分でつながり、しっかりとした信頼関係を構築することが、良い仕事をするために絶対必要な要素である。そして、信頼関係を構築するための裏技はなく、ただ地道にコミュニケーションを重ねていくことが大切である。その事実を、シンガポールでの経験を通して城戸は学んだのです。

ふたつのミッションを追求し、世の中に新しい価値を提供し続ける

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▲これまでに培った現場力を武器に、城戸は変革期を迎えるファーストリテイリングとともに挑戦を続けていく

今、ファーストリテイリングはかつてない変革期に差しかかっています。

城戸 「これまでのチェーンストア戦略から、個店経営へと変化をしていく中で、店づくりの概念も大きく変化していくでしょう。出店開発部の部長として、組織のあり方や業務プロセスのあり方を見直していく必要も出てくるかと思います」

しかし城戸は、こうした変化の激しいタイミングだからこそ、求められるのは類まれなアイデアや誰しもが驚く経験・知識などではなく、“共感力”であると語ります。

城戸 「ファーストリテイリングには、『本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します』と『独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します』というふたつのミッションがあります。これに強く共感し、ひたすら地道に追求していくことが、もっとも大切なことなんです」

時代に合わせ、人々が求める価値や幸せの定義というのは変化していくものです。だからこそ、ある意味でこのミッションが達成される瞬間というのはありません。ミッションの達成を目指し続けることが、新しい価値を生み出し続けることにつながり、社会に幸せを届け続けることになるのです。そこには、近道や裏道は存在しません。

城戸 「私がファーストリテイリングへの入社を決意できたのも、企業として掲げるミッションに感銘を受けたからこそです。このふたつを追い続けていけば、道に迷ってしまうことはなく、常に新たなチャレンジをし続けることができるでしょう。ミッションに共感できる人たちと、ファーストリテイリングの未来をつくっていきたいですね」

世界中の人々に幸せを届けるために。城戸の、そして私たちファーストリテイリングの挑戦はこれからも続きます。

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