グローバルで統一した業務改革とシステム導入を同時に展開

ファーストリテイリングはものすごいスピードで変化している。売上3兆円を目指してグローバルへの展開を進める中で、それを支える基盤構築のため、ファイナンス領域でも業務改革を急ピッチで進めている。当社を取り巻くビジネス環境の変化はめまぐるしく、こうした状況の中で的確でスピーディな経営判断をするには、ヒト・モノ・カネの動きをリアルタイムで把握することが重要だからだ。

「GLOBAL ONEのファイナンス業務/システムをつくる」をコンセプトに、この業務改革を推進しているのが計画管理部の次世代ファイナンスチームだ。このチームを率いるのが、永江 竜太。企業内会計士であり、計画管理部 次世代ファイナンスチーム 部長とデジタル業務改革サービス部コーポレート領域 部長、 IT戦略室 室長を兼務している。

永江 「われわれは、26の国と地域で事業を展開するグローバル企業です。ファイナンス業務においても、それを支える業務システムにおいても、グローバルのすべての地域・ブランドで標準化を実現することと、それを全世界で一気に展開させるスピード感の双方が求められます。そこがこの仕事の難しさです。また、ファイナンス業務やシステムとひと言でいっても、実際の業務範囲は多岐にわたり、いくつものプロジェクトを同時並行で進めていかねばなりません」

ファイナンス領域での改革の土台づくりとして、まずは約8カ月というものすごいスピードでグローバル会計システムの刷新を進めた。永江が中心となって、計画管理部の経営計画、経理、財務の各チームと次世代ファイナンスチームが協業して実務における業務フローの標準化をはかり、兼務するIT部門と一体化したからこそ実現できたと言えよう。

永江 「今、ファイナンス業務のデジタル化が急速に進んでいます。それまでは各国・各地域がそれぞれ、大人数で対応することで切り抜けてきた部分もありましたが、それでは急拡大する事業に対応することができず、経営からの要請にもタイムリーに応えることができません。

しかし、今の技術ならば、業務のかなりの部分をデジタル化・自動化することができます。また、今後は新規国への展開や事業の拡大に合わせ、その都度イチから組織をつくることは人的資源の面で限界がやってくるでしょう。こうした数々の課題を同時に解決するには、業務改革とシステムの両輪で、リアルタイムな情報を一元化・可視化し、各拠点での業務をスリム化させる必要がありました」

当然、この業務改革では会計とITの両方でハイレベルな知識が必要だ。そこで企業内会計士として企業会計に精通し、前職で業務改革系のコンサルティング経験のある永江がこの一大業務改革を推進する責任者に指名されたのだ。

ファイナンス領域とIT領域を兼務する希有な経験

永江は新卒ではBig4系のコンサルティング会社に入社し、業務改革のコンサルティングやシステム構築のプロジェクトを経験。在職中に公認会計士試験に合格後、さらに会計領域の実務経験を積みたいと大手監査法人に転職した。

永江 「監査法人で何件も担当した企業再生の仕事では支援先の現場に行って、担当の方と一緒に汗をかきながら再生の道を見つけていきました。そういう経験を重ねるうちに、事業会社に転職して会社の内部の立場でやってみたいと思うようになりました」

ファーストリテイリングに転職した当初は、計画管理部の経営計画担当として、中期経営計画などの立案、PL管理、課題解決を行っていた。そんなとき、顧客体験から商品の企画・開発、サプライチェーン、社員の働き方まで、すべてを一気通貫で改革する「有明プロジェクト」が始動した。

有明プロジェクトはファーストリテイリングが「情報製造小売業」になるための全社挙げての取り組みだ。そして、実現のための重要なツールがITである。有明プロジェクトを支えるシステム基盤の一部として、グローバル会計システムの刷新をすることが決まった。

永江 「最初は計画管理側のプロジェクトマネージャーに任命され、進めていたのですが、プロジェクトの途中で、もっと業務側とIT側が一体となってプロジェクトを推進しなければ業務改革もシステムの導入も成功しないということとなり、私が両方の責任者を務めることになりました」

ファイナンス領域とIT領域を兼務するという希有な経験は、永江の活躍領域を広げる。現在は、デジタル業務改革サービス部 IT戦略室 室長として、IT全体の経営計画も任されている。

速いスピードでグローバル展開をやり抜くチームを育てる

これだけの一大業務改革プロジェクトを少数精鋭のチームで行っているわけだが、「もっとスピードとレベルを上げられる」と永江は言う。

永江 「次世代ファイナンスチームは特定のプロジェクトやシステムに特化した、一過性のチームではありません。私はこのチームをグローバルのファイナンス業務を常に改革し続ける、恒久的な組織にしたいと考えています。そのためには、組織を拡大して一緒に働く仲間を増やしたい。ここには挑戦できることも、活躍できる領域も、いくらでもあります」

永江には次世代ファイナンスチームをより強くしていくための展望がある。

永江 「私がそうであったように、定常業務と企画/計画立案をローテーションして実力を磨き上げていってほしい。すべては現場を良く知ることから始まりますが、業務改革の企画/計画立案を経験することで、実務では身に付かない視点を身に付けることや、経験をすることができます。

両方を交互に経験するようなキャリアが理想だと思っていますので、部内のローテーションは積極的に行っていきたいと思います。すでにローテーションを開始しており、過去に海外で活躍していた方に日本に帰任してもらい、このチームに参画してもらっています。反対にこのチームを経て、海外で活躍している方もいます。いろいろなバックグラウンドの方と仕事ができることは魅力のひとつですし、将来的には海外拠点のCFOなど、キャリアパスの広がりもあります。

今は、公認会計士の方の積極採用を進めています。健全な野心と成長意欲が旺盛な公認会計士、あるいはコンサルティングファームで業務改革系の仕事をされてきた方には、とてもやりがいのある仕事ではないでしょうか」

尽きることのない成長と新しいキャリアに挑戦する機会

永江は、「理想の姿」を考えて、フラットに業務のスクラップ&ビルドができるのは、新鮮な目で客観的に指摘できる外部からの人材だと考えている。

永江 「次世代ファイナンスチームは常に混成部隊でありたいと思っています。実務に詳しくて本当に業務が回ることを考えて実行できる人と、冷静で緻密な仮説を立てて理想の姿を目指す人の混成部隊です。このふたつの力が化学反応を起こし、これまで誰もが考えもしなかった、実現したことがない業務改革ができると考えています。

仮に実務経験が少なくても、専門知識とポテンシャルがあれば、チャレンジする機会が与えられるのがファーストリテイリングの魅力のひとつです。私自身、入社前に事業会社の社員として中期経営計画の立案をするような経験はありませんでした。

でも、この会社はそういう人間にも責任あるポジションを任せます。だから急成長してきたし、今も成長企業であり続けているのだと思います。ここには、まったく新しいキャリアへのチャレンジと成長の機会が豊富にあると直感して転職しました。その直感は間違っていませんでした。いや、それ以上だったと言っていいと思います」