服を通して、サステナブルな社会の実現を目指す

「服のチカラを、社会のチカラに。」 これは、ファーストリテイリングが掲げるサステナビリティステートメントだ。

ファーストリテイリングのビジネスは、『人(People)』『地球環境(Planet)』『地域社会(Community)』の持続的な発展の下に成り立っている。

従って、事業戦略の中核として、これら各領域における課題解決に向けた具体的な目標やコミットメントを定め、その達成に挑み続けていく。代表取締役会長兼社長の柳井 正もこのことを公言している。

ファーストリテイリングのサステナビリティ活動が社会への責任を果たすだけでなく、独自路線を貫きながら変化を遂げてきたのは、こうした経営トップのコミットメントが何より強いことにある。

監査法人系コンサルティングファームから転職してきた上田 愛子は、同社のサステナビリティ活動の草創期からその変化を体験してきた人物だ。

上田 「私たちのサステナビリティ活動は、従来CSR活動とされていた、コンプライアンス活動や社会貢献活動を超えるものを目指しています。服のビジネスを通して、『ビジネス上の課題』と『社会が抱える課題』を共に解決する活動です。

良い服をつくり、良い服を売ることで、世界をより良い方向に変えていくことができる。そういう信念を持って活動を推進しています」

ファーストリテイリングは、日本で生まれたユニクロを筆頭に、グループ全体で世界26の国と地域に3,500以上の店舗を出店している(*2019年11月現在)。同社の服が世界中で支持され、成長を続けているのは、主要ブランドであるユニクロの服づくりのコンセプト「LifeWear」への共感や賛同があるからかもしれない。

「LifeWearとは、あらゆる人の暮らしを豊かに、より快適にする服」とユニクロは掲げている。そこには製品としての服だけでなく、服づくりにおいても、あらゆる人の暮らしを豊かに、より快適にする取り組みが行われている。

ファーストリテイリングでは、企画・製造・販売までのサプライチェーン全体で資源を有効に使い、過剰な生産や余計な労働を生み出さないことを目指しているのだ。服づくりという同社の根幹に、サステナビリティが確実に息づいている。

ESGやSDGsには、グローバル規模で積極的に取り組んでいるが、こうした国際社会の要求に対応しているだけでなく、「本業である服のビジネスを通してのサステナビリティ活動」に徹底しているのが当社サステナビリティの大きな特徴だ。

サステナビリティは事業戦略の中核。ビジネスとの連動をさらに追求する

エネルギー会社のサステナビリティ部門を経験した井上 正秀も、政府系の国際研究機関から転職した宮澤 郁穂も、当社独自のサステナビリティ活動に惹かれて入社した。

井上 「グローバルで3,500以上の店舗とECを通じて、年間約13億点を販売する当社には、世界中にお客様がいらっしゃいます。

これだけお客様と接点を持つ会社が、本気でお客様と向き合い、コミュニティとのつながりを深めて事業の中にサステナビリティを落とし込もうとしています。

こんなに世の中にインパクトを与えられる会社はないと思います。まさに服のチカラで、社会を変えていくチカラがあると考えています」

宮澤 「当社では、13.7万人以上の従業員が働き、世界各地にある工場で服を生産しています。2019年度は585の工場で労働環境モニタリングを実施しました。

こうした労働環境の実態への定期的なモニタリングで、働く人の健康、安全、人権を守り、多様性を尊重することで、一人ひとりがいきいきと働き、成長できる環境の実現を目指しています。

様々な国連機関とグローバルパートナーシップを結んで取り組みを進めているのも特徴の一つです。

一例として、UN Women(国連女性機関)とグローバルパートナーシップを締結し、主要生産拠点であるアジアの取引先工場で、協同で開発した教育プログラムを用いて教育研修を行い、そこで働く女性の自立を促進しています。

このように、人権を尊重してつくられたLifeWearをお客様へお届けしていきたいと考えています」

ファーストリテイリングでは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)ともグローバルパートナーシップを締結している。

井上 「声を大にしてお伝えしたいのは、当社は事業と密接に結びついたサステナビリティ活動をしており、それをさらに追求していくということです。

当社ではサステナビリティが事業戦略の中核に位置づけられています。そのため、サステナビリティ部のメンバーには、ビジネスマインド、そして社内外の多様なメンバーとワンチームでプロジェクトを成功させる気概と実行力が必要です」

新しい発想で、志を共にする優れた個人や企業と取り組む

▲社会や環境に配慮した商品開発はロンドンで開催されたユニクロの展示会「The Art and Science of LifeWear」でも大きく取り上げられた

日常的な事業そのもので環境への負荷を減らすために、革新的な技術の導入にも積極的だ。ジーンズづくりでは、加工工程の水使用量を従来比で最大99%、平均90%以上(※)削減する技術を開発し、順次生産工程に導入している。(※2017年メンズレギュラーフィットジーンズと2018年同型商品との比較)

宮澤 「お客様は地球環境や社会に負荷をかけない商品を積極的に選ぶようになっています。そうしたお客様からも、私たちの服を選んでもらうための商品開発が必要です。

たとえば、ユニクロでは2020年春夏シーズンから、回収PETボトルからつくられるリサイクルポリエステルを使用した『ドライEX』ポロシャツの販売を開始しました。

また、ダウン製品を回収し、そのダウンを再利用した製品を2020年秋冬から販売します。どちらも機能と品質を維持し、適正なコストで生産できるのは、戦略的パートナーとワンチームで取り組んでいるからです」

こうした商品開発やリサイクルの取り組みが可能なのも、ファーストリテイリングの事業規模と市場の大きさがあり、サステナビリティの活動が事業と直結しているからだ。

その活動はグローバルヘッドクォーター(日本にある本部)だけが企画・実行するのではなく、グローバルで展開・実行している。当社のサステナビリティ部は単独で活動をする閉じた部署ではなく、社内外のステークホルダーを巻き込み、実活動として推進されていくのが特徴であり、魅力なのだ。

上田 「私たちサステナビリティ部は今までとは違う発想で新しいチャレンジをすることを強く求められています。

当社がより高いチャレンジをして、世の中のスタンダードをつくり、さらには社会をも変えていくことが、サステナビリティ部のミッションです。

たとえば、当社だけでは解決や改善が難しくとも、先端テクノロジーや優れた才能を持つ個人や企業との連携で、服を通して新しい価値を生み出し、サステナブルな社会の実現に貢献したいと考えています」

こうした発想と着実な実行で、ファーストリテイリングにはサステナビリティ活動をビジネスと融合させ、実際の成果まで落とし込んでいく組織力と人材力がある。

サステナビリティという軸で会社と社会に貢献する

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」が、ファーストリテイリングの経営理念だ。このステートメントからもわかるように、従来型のサステナビリティ活動、もっというとCSR活動の考え方から離れられないと、サステナビリティ部での活躍は難しいかもしれない。では、どんな人材を求めているのだろうか。

上田 「私たちがサステナビリティ部の新しい仲間に求めるのは、私たちの理念に共感し、経営者と同じ視座で、変革を推進する当事者として、課題解決に取り組める方です。

そのため、サステナビリティ領域の実務経験者に限らず、マーケティングや商品企画、生産部門などで何かの変革をハンズオンで推進した経験を発揮してくださる方を歓迎します」

宮澤 「ファーストリテイリングという事業体を活かして、柔軟な発想で新たなものにチャレンジし、人を巻き込みながらプロジェクトを動かしていきたい方にはうってつけの環境だと思います。

私自身もコミュニケーションや情報開示のバッググラウンドがあったので、以前よりも広く発展させた活動ができています。

いつでも新しい取り組みを提案できる雰囲気があり、本当に実現させたいという気概と粘り強さがあれば、何でもできる。そういう社風です。私自身もそこに惹かれて入社しました」

井上 「自分の成長への貪欲さは必要です。環境変化への対応力・柔軟性も求められます。

これまでの経験・スキルにとらわれすぎず、未知の分野や新しい課題にも果敢にチャレンジし、サステナビリティを軸に会社と社会に貢献したいという強い思いがある方には、こんなにやりがいのあるフィールドはないと思います」

「世界を良い方向に変えていく」。それが私たちの目指すサステナビリティの姿だ。ビジネスを通して、サステナブルな社会の実現への貢献ができる環境がここにはある。