コミュニケーション改革!デザイナーが手がける社員巻き込み型マネジメント

“ちょうど良い”サイズのWEB制作を行う、株式会社フライング・ハイ・ワークス。クライアントに寄り添ったサポートが強みですが、社員同士のオフラインコミュニケーションがほとんどないことが課題でした。その環境を変えるべく動いたのが、デザイナーの藤村千夏。彼女の行動とマネジメント観についてお伝えします。

会社に新たな風を吹き込んだ“革命家”デザイナーの歩み

「あのときの藤村さん、制御不能で困ったよ(笑)」

そんな言葉が、ある日同僚からこぼれ出ました。

株式会社フライング・ハイ・ワークス(以下、フライング・ハイ・ワークス)のArt Directorである藤村千夏(以下、藤村)は、入社してから周りが困惑してしまうほどの勢いで、社内環境を改善するための企画を次々と打ち出しました。

殺伐とした雰囲気の会社に新しい風を吹き込む姿はまさに革命家。独自のマネジメントスタイルで、職場の雰囲気づくりに貢献しました。

そんな彼女のデザイナーとしてのストーリーは、美大卒業後、グラフィックデザイナーからはじまります。

サイトを提案することも増えてきたなか、見積りの作成や、flashなど動く技術のことなど手探りでの作成が難しいと感じ、ウェブデザインを行う会社に転職しようと決意。

そこで出会ったのが、フライング・ハイ・ワークスだったのです。

転職を決意したものの、多くのWEB制作会社ではデザインだけでなく、コーディングのスキルも必須。当時はリーマンショックの影響でどの会社も即戦力を求めていたため、コーディングの基礎を練習した程度の実力では、転職は困難でした。

そんななか、フライング・ハイ・ワークスはデザインとコーディングを分業しており、デザイン専門の藤村も活躍する機会を得られたのです。制作会社ではめずらしく残業代が出る、サイトのページが充実していてきちんと学べる雰囲気があるなどの魅力もあり、転職を決めました。

デザイナーとディレクター、2足のわらじで会社を支える

藤村が入社した当時のフライング・ハイ・ワークスは、社員数が12〜13人。即戦力としてデザインの仕事に携わりました。入社してから2018年現在まで、10年ほどデザイナーとして働いてきました。

社内のディレクターが辞めてしまったこともあり、入社数年後からはデザイナーをしながらディレクターも兼任。自ら前に出て会社を支える役割も果たすことになりました。

主要メンバーの退職などで大変な時期に自ら進んで会社を支えていこうと考えたのは、フライング・ハイ・ワークスの仕事のやり方が好きだったからです。

藤村 「代理店を介さず、クライアントと直接取引できるのが大きな魅力ですね。クライアントとの距離が近く、良くも悪くも反応がダイレクト。自分の影響範囲も目に見えるので、それがすごく気持ちいいですね」

アウトプットの精度は、情報量によって決まる。直接クライアントについて知る機会を得られれば、それだけ正確に表現できる。そう考えてデザインをする藤村にとって、直接取引の仕事スタイルは自分の制作物のクオリティを高めてくれるものでした。

デザイナー兼ディレクターとして成果を上げてきた藤村。実は彼女は、もうひとつ会社で重要な功績をあげています。

それは、職場の雰囲気改善。藤村は職場環境をマネジメントすることで、仕事の成果にも大きな影響を与えました。

コミュニケーションロスは制作の質を下げるーー大奮闘のマネジメント

藤村が入社してから大きく変わったこととして、コミュニケーション不足の大幅な解消が挙げられます。

藤村が入社した頃は、社員一人ひとりがそれぞれ、自分の仕事をきちんとしていればそれで良いという考え方を持っていました。

連絡事項は、なんでもメール。メールを読めば全て書いてある。オフラインのコミュニケーションがなくても仕事が出来るといった環境でした。

藤村 「それまで私が働いていた会社は、グラフィックだったこともあり、モノを介して対面でのコミュニケーションばかりでした。だからこそオンラインツールを使った、あまりにもあっさりしているコミュニケーションにカルチャーショックを受けました」

入社数カ月後にバレンタインデーがあったため、なにかイベントをしようと女性社員に声をかけてみたものの、返ってきた反応は藤村が期待したものではありませんでした。ほとんどの女性社員から、「会社の人にそういうのはちょっと……」と断られてしまったのです。

ただひとり乗ってくれた先輩社員と、バレンタインは会社のみんなでくじ引きをして、全員にお菓子を配ることにしました。

そこから社員全員を巻き込んで積極的なコミュニケーションを促す、藤村流のマネジメントがはじまりました。

数々のイベントを実施しましたが、なかでも効果的だったのがレビュー会。一人ひとりが手がけたWEBサイトをモニターに映して紹介したり、印刷物を発表します。どういうシステムを使ったのか、工夫した点や、どこが大変だったのかなどの情報を発表するものです。

会議室で飲食をしながら行うことで、参加した社員に堅苦しさを感じさせなかったこともポイント。レビュー会は、定期的に開催される会社の恒例行事となりました。

藤村 「少人数のうちは大体の案件が把握できても、人数が増えてくるにつれてどのようなサイトを作成しているかをみんなが把握できなくなってきます。納品が済んでしまうと、時間の経過とともに流れてしまいます。


数カ月に1回レビュー会を行うことで、ほかの社員が参考にできる部分を発見できる。今後のためのナレッジ共有としても、みんなで参加するイベントとしても有効でしたね」


社員参加型のイベントを連発する藤村に、戸惑う社員もいました。しかしそれでも藤村が行動し続けたのは、職場環境が制作に大きく関わると考えていたからです。

藤村 「制作物は、どれだけ多くの情報量を持っているかによって出来が変わってくる。だから良いものをつくるためには、コミュニケーションロスがあってはいけないと思っています。
周りに遠慮していると、良いものはつくれない。なんでも言える雰囲気をつくることは、過ごしやすい職場に整えるというだけでなく、クライアントにより良いものを提供することにもつながるんです」

一人ひとりの価値観を大切に。年齢を重ねて変化したマネジメント観

社内のコミュニケーション不足を解消するために、次々とイベントを実施した藤村。同僚に制御不可能とまで言われるほど、矢継ぎ早に提案を続けました。

藤村 「当初はあまり気が付きませんでしたが、最近になってようやくついていくのが大変だったという話を聞くようになりました。基本的に義務感よりも、自分が楽しかったからやっていたという感じですね」

変化に対応するのが大変だと感じた社員もいたのは事実です。しかし代表取締役社長の松田治人からは、藤村の入社によって会社の雰囲気が変わったと言われました。

藤村 「今までコミュニケーションを重視して企画を放り込んでいくような人がいなかったので、代表はすごく嬉しかったみたいです。
まだまだコミュニケーション不足なところはありますが、なんだかんだ企画を考えるのも好きなので、雰囲気づくりは続けていきたいですね」

入社当時から意識を高く持ち、会社をより良いものにしたいという思いが強かった藤村。コミュニケーションを重視することに加え、会社を支えるために自己啓発本を片っ端から読み漁っていたこともあります。

しかし年齢と経験を重ねたことで、もっと本質的なことが見えるようになりました。

藤村 「フライング・ハイ・ワークスは制作会社なので、クリエイティブさが絶対に必要。会社がクリエイティブであるためにコミュニケーション不足を解消する必要があったので、たくさんイベントを企画してきました。
でも、良い会社にしたいからといって、自己啓発本に書いてあることをそのまま取り入れる必要はないと気付いたんです。そもそも人をどう変えるか、ということがおこがましいと思うので。
人をどうこうしようとするのではなく、一人ひとりの性格や価値観を大切にする。それぞれが過ごしやすいと感じる職場をつくって、成果をあげてもらう。そんなマネジメントをすれば良いと今は思っていますね」

あらゆる企画を提案し、職場環境に革命を起こした藤村。積極的に行動してきたからこそ、組織づくりの本質が見えてきたといえるでしょう。

これからもフライング・ハイ・ワークスは、クリエイティブな会社としてお客様に合わせた解決策をご提案します。

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