重ねたユニークな経歴を総動員し、インターネットの“その先”をデザインしていく

フリービット株式会社は、設立以来「インターネットをひろげ社会に貢献する」ことを企業理念に掲げています。当社が次に挑む分野のひとつが「生活革命」。その事業に携わっている社員のひとりが、井口幸一です。システムエンジニア、コンサル、金融機関など多くの経験を持つ彼が、新たなステージとして当社を選んだ背景とは?
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“クリックひとつ”で変わった人生、思いがけずシステムエンジニアの道へ

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▲大学院の卒業式

井口は2015年、フリービットに入社。2017年4月現在、インターネット接続のインフラを提供しているYourNet事業部で、副事業部長を務めています。既存事業に携わる一方、最近グループ化しヘルスケア事業を運営する株式会社フリービットEPARKヘルスケアの「EPARKお薬手帳」というサービスの開発にも携っています。

 入社時、すでにシステムエンジニアとして10年以上の実績をもっていた井口。しかし彼は、もともとシステムエンジニアを志していたわけではありませんでした。「日本のエネルギーのために力を尽くしたい」という思いから、大学・大学院時代は原子核工学を学んでいたのです。

 原子核工学とは機械工学、化学工学など、さまざまな分野で構成される学問分野で、その中で彼が専攻していたのは材料工学。過酷な環境である原子炉。高温、高濃度の中性子環境において、炉材(原子炉を構成する材料)が適正な強度、耐久性を維持できるかを研究するため、材料の結晶構造のひずみを数値解析する、というものでした。

 2000年当時、研究室で代々受け継がれていたのは、大量のデータを解析するために、エクセルに数値をひたすら打ち込んでいく方法だったのですが……。

井口 「正直、気の遠くなるような作業でした。あるときふと、プログラミングを学んでいた同級生に、『これってプログラムでできる?』と聞いてみたんです。そうしたら、『これ、もう人のやる作業じゃないよ!』と、少し馬鹿にした口調で言われてしまって(笑)」

とはいえ、その友人にプログラム制作を頼むのは何だか悔しい。だったらいっそのこと、自分で作ってしまえ――。

井口はその後、独学でプログラミングを学び、解析作業のためのプログラムを完成させます。さっそく使用してみると、それまで何週間もかけて算出してきた解析結果が、クリックひとつで“ポンっ”と出てきました。

井口 「しばらくはその結果が信じられなくて、何度も何度も検算を重ねてしまったほどでした。しかしコンピューターが一瞬で出した答えは、どこからどうみても正しかった。それがわかった瞬間、IT技術がもたらす圧倒的なスピード感に魅了されてしまったんです」

同級生たちは、電力会社や原子力関連の研究機関に、当たり前のように就職していきます。しかし井口の目の前に広がる世界は、もはやガラリと変わっていました。

自分がこれまで学んできたことを投げ打ってでも、ITの仕事がしたい――そこで井口は卒業後、大手ソフトウェア開発企業に就職し、熱い思いを胸にシステムエンジニアとしての一歩を踏み出したのです。

さまざまな場所での経験を通して……「やっぱり、サービスを作りたい」

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▲2017年現在は社外での講演活動なども行なっている

思い切って飛び込んだ、ITの世界。そこでソフトウェアの開発に携わりしばらく経ったとき、井口はあることに気づきます。それはITの仕事が工程別にわかれており、その分業によって成り立っているということ。

井口 「私が入った会社は大手だったので、ある程度幅広い工程を担務してはいました。それでも私たちは、前の工程ですでに整理された要件をもとに、システムを作っていくのみ。次第に“もっと整理されていない段階から案件に関わってみたい”と思うようになりました」

新卒で入社してから7年半が過ぎた2010年、井口はIT事業の上流工程を受け持つ、大手コンサルティング会社への転職を決めます。

「何も整備されていない状態から、業務最適化のためのサイクルをイチから考える」――それはまさに、井口が手がけたいと希望していたことでした。コンサルティングの仕事を通して、彼は「事業そのものをデザインする」おもしろさに目覚めていきます。

井口 「たとえばクライアント先でシステムをひとつ導入するにしても、すべてをシステム化するのではなく、本当に必要な箇所のみに手を加える。そのためには組織全体を俯瞰しながら、業務や活動内容を一つひとつ整理し、定義したうえで、新たな運用方法を考え抜くことが必要です。それは非常にやりがいのある仕事でしたね」

ただ一方で地方への出張や駐在が度重なり、自身や家族への負担が次第に大きくなるように……。悩み抜いた末に井口が次に選んだ転職先は、転勤のない、金融機関のIT情報システム部門。しかし思いがけず、ここでの経験も井口の視野を大きく広げてくれたのです。

井口 「金融機関では、はじめて“運用する立場”でシステムに関わったんですよね。そこでユーザー視点でシステムへの投資判断基準となるリスクや償却の考え方、運用を設計するプロセスに関われたことが、非常に貴重な経験となりました」

これまでとは全く違う価値観、環境に触れた井口。しかしここから、彼はさらなるキャリアアップを目指し、再び転職を考えはじめます。

本来自分がやりたかったことは一体何だったのか。思い出すのは学生時代に魅了された、IT技術が持つ大きな可能性。再び作り手側に立って、新しい事業やサービスを構築することができないか。自社サービスを開発・販売している会社で、自分のこれまでの経験が活かせたら……。

そんなことを考えていた彼の目に留まったのが、他でもないフリービットでした。

事業の成長スピードを体感しながら、それぞれの仕事を“デザイン”していく

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▲サービス開発の打ち合わせ
ソフトウェア開発、コンサルティング、そして情報システム担当者――13年にわたる多様な経験を活かすため、2015年に新たなステージとしてフリービットを選んだ井口。一介のシステムエンジニアとしてではなく、35名(当時)の事業部を引っ張っていく立場での入社でした。

彼は、このステージでぜひ取り組みたいと考えていたことがありました。

井口 「ユーザーの視点からものごとを捉えたうえで、コストメリットを追求したオープンソースソフトウェアを活用し、上流工程からスキームも含めたサービスを“デザイン”すること。これまで自分が得てきた貴重な経験を、今度は組織に還元していきたいと思ったんです」

そして入社直後、彼がはじめに取り組んだのは、老朽化したサーバーのリプレイス。――その業務自体は決して、難しいものではありません。しかしそこで、井口はこれまでの知識や技術、ノウハウをフルに発揮し、プロジェクトのデザインをはじめたのです。

井口 「ただサーバーを移し替えるのは簡単です。でもクラウドの基盤を持っている隣の事業部に協力を仰ぐだけでは必要以上にコストがかかり、事業部としての業績は上がりません。そうならないためにはどうしたらよいか、いろいろな観点から考えていきました」

まず彼は、通常の方法でかかるコストを半分に収めることをゴールとして設定。それを達成できるように活動を重ねていきました。

関係者との交渉や調整、サーバーを移し替えた後の運用シミュレーション、適切なソフトウェアの選択――理想と現実とのギャップを、丁寧に埋めていく作業。それはコンサルタント時代に培ったノウハウから導き出したものです。

さらに最終的に出た結論を携え、経営陣に投資判断をしてもらう必要もあります。そこで活きたのが、徹底したリスクヘッジを求められた金融機関での経験でした。

またこのプロジェクトを通じて、井口は当社の企業風土を体感することになります。

井口 「意思決定も含め、非常にスピード感のある会社だと思いました。稟議があっという間に通っちゃうから、のんびりしているヒマがなくて(笑)。 事業が成長するスピードを実感できるのは、いいですよね。とても心地いいです。だからこそ、もっとかんばらないと……と思っています」

ITサービスを通した「生活革命」で、人々の生活をもっと豊かに

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▲社内の休憩スペースで。よく熱帯魚のエサやりをしてリフレッシュしている
井口の入社から1年後の2016年から、フリービットは新たなテーマとして「生活革命」を掲げることを発表。ヘルスケア領域などの新規事業に注力することになりました。

井口 「インターネットはすでに、個人にも法人にも普及しつくしている状態です。さらにスマホなどのデバイスが台頭している現代において、固定のネット回線を使用するユーザーは減少の一途をたどるでしょう。それは仕方のないことだと思っています。

でも当社の事業の本質は、サービスをプロバイド(供給)すること。だからITインフラを整備することだけに留まらず、ITサービスを通して、広い意味で人々の生活を豊かにしていきたいですね」

そんな思いを胸に、井口はいま、ヘルスケア事業を展開するグループ会社が運営する「EPARKお薬手帳」のプロジェクトにも携わり、チームビルディングなどを行っています。
インターネットは普及していても、ITサービスのメリットを享受できていない分野はまだまだあります。薬局に通う高齢者の方に活用してもらうにはどうすればいいか。どうしたらスムーズにデータの管理ができるか――視点を少し変えるだけで、フリービットとして取り組むべき課題は、まだまだあるのです。

井口 「エンジニアリングだけではなく、サービス内容もファイナンスもスキームも、もっと言えば人とのコミュニケーションも、すべてをデザインするのが好きなんです。まだ手つかずの領域に、秩序を与えていく感覚というか。

特にこのヘルスケア領域は、まだまだ黎明期。薬局サービスに「ITは不要」という従来の考えにパラダイムシフトを起こせる可能性も十分にあると思います」

このサービスをどうデザインしたら、会社の成長や社会に貢献し、人々の生活をよりよくできるのか――? これまで培ってきた経験を存分に活かし、「その先」にあるものを常に見据えながら、井口の挑戦はまだまだ続きます。

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