PM組織の構築に心引かれ、freeeへ

▲宮田(左)と佐藤(右)

宮田はこれが4度目の転職でした。DeNA・Accenture Strategy・SmartNewsなどで主に戦略コンサル・データマイニング・BtoCのPMを経験したのち、2019年3月にfreeeにやって来ます。

宮田「実は以前もfreee の面接を受けたことがありました。2018年、当時面接してくれたCFO・東後 澄人に『いいポジションないですか?』と聞いたところ、エンジニア組織からPM組織を切り離し、再構築に動いているとのことでした。

自分もPMをさらに深掘りしてみたいと思っていたし、freeeくらいの規模の会社がPMを再構築するような機会はあまり巡り合えなさそうだったので、何かサポートできないかと思い、あらためて受けてみたんです」

一方、佐藤はリクルートで教育系サービスのPMをしていました。そのときに転職サイト経由でfreeeのPMからスカウトを受け、カジュアル面談にやって来ます。

佐藤「freeeユーザーのビジネスや将来について話せたのがよかったです。とくに『ユーザーのビジネスを強く、スマートに育てる』というビジョンが刺さりました。

また、当時僕の中では『freee=会計』という印象でしたが、話していくうちに、会計はビジネスを強くするひとつの手段にすぎず、最終的にはスモールビジネスを育てるプラットフォームを包括的につくろうとしているんだとわかったんです」

freeeのビジョンに強く共感した佐藤。しかしオファーを受けた段階で、その先に茨の道が待っていることは覚悟しました。

それでもfreeeのPMを選んだのには、自分の目標とする社会の実現がありました。

佐藤「面接で皆さん口をそろえて『現状は、カオスです』と言っていました。でもその話を聞いてワクワクしたんですよね。僕の目標は『社会の挑戦の総量を増やす』こと。前職では『経済・地理的な格差を抱える子どもたちが、格差を気にせず挑戦できる機会を増やしたい』という想いで教育サービスに携わっていました。

話の中で、freeeは『アイデアさえあれば誰もが自由に挑戦できる』環境づくりに本気で取り組んでいる会社だと感じました。自分の実現したい世界と、freeeのビジョンが重なったんです。それで2019年の5月に、freeeに入社しました」

PMは『何を作るか』において責任が生じる

▲社内でプレゼン中の佐藤

freeeのPMは、会計freeeや人事労務freeeなどの企画設計・開発推進が主な業務です。

宮田「既存のプロダクトにどういった機能を追加するか、またすでにある機能をどう進化させるかについて方針を決めます。また新規のプロダクトをまるまるひとつ企画することもあります。

わかりやすく言うと、エンジニアは『どうつくるのか』に対して責任が生じますが、PMは『何をつくるか』において責任を持ちます」

freeeにはプロダクトごとに複数のPMがおり、機能ごとに責任者をアサインしています。

ふたりが入社し、PM組織が再構築されたタイミングで、PMを束ねるPO(プロダクトオーナー)という役職が誕生。2020年現在、宮田はプロジェクト管理freee(新プロダクト)のPOをメインに、佐藤は人事労務freeeのPOとして活躍しています。

佐藤「POは複数のPMをとりまとめ、プロダクトの進化の方向性を調整しています。またさまざまな部署と密に連携をとり、PO同士でも定期的にミーティングを行っているんです。

会社全体の課題を把握した上で、どうすればプロダクト全体のパフォーマンスが高まるのか考え、戦略を描き、『マジ価値を届けきる』のがPOの仕事ですね」
宮田「僕の場合はちょっと特殊で、入社早々『プロジェクト管理freee』という新規プロダクトの検討・開発を担当することになりました。プロジェクト管理は受託ビジネスやコンサルと相性が良いので、コンサルのバックグラウンドを持つ僕がアサインされたのだと思います。それから丸一年かけて検討・開発しました。

また2020年1月から3カ月間、会計freeeのPOも引き継ぐことになり、さらに4月からはプロジェクト管理、会計freeeのコア機能、受発注サービスのPO陣のマネージャとなりました。プロジェクト管理freeeについてはPOを担当しています」

トライアンドエラーが「未来のロードマップ」をつくった

▲エンジニアとの合宿時の集合写真、宮田は左から2番目

プロジェクト管理freeeの開発現場では主にふたつの点で苦労したと言います。

宮田「ひとつは、プロジェクト管理が新しい領域であった点です。社内で前提知識がないため、戦略コンサル的なアプローチでイチから設計し、自分で実施することが要求されました。

もうひとつはアサインメントです。freeeにはすでに会計/人事労務freeeという基幹プロダクトがあり、新規プロダクトよりそちらにリソースを張ったほうが短期的なROIがいいのは明らかです。その中で、今回の案件の立ち位置や、どのようなインパクトが中長期的に出せるのかを整理して、社内を駆け回り、プロダクトとしてインパクトを出しうるチームができました」

4カ月間、企画を揉みながら地道にメンバー集めを行った宮田。苦労させつつ完成させた雛形を役員の前で発表し、開発へのGOサインをもらいます。こうして具体的な企画、開発へとコマを進めることになりました。

宮田「開発を進める意思決定にともない、新たにエンジニアがチームに加わりました。そこから半年かけてプロダクトをつくりあげ、ようやく2020年の4月20日にリリースにこぎつけたんです。

CEO佐々木 大輔からは『freeeのビジョンを踏まえて、このテーマを僕たちがやるべきなのか』という意見を、COO尾形 将行からは事業化を踏まえたその後のスケーラビリティに関して厳しいフィードバックを毎月もらいました

おかげでこの企画検討・開発を通して、あらためて新規事業の立ち位置や、進め方に関して哲学ができたように思います。大変でしたけど、やりがいはありましたよ」

宮田の開発を隣で見てきた佐藤。宮田が残したものは、freeeにとって計り知れないレベルのインパクトだと言います。

佐藤「何がありがたいって、宮田が新規事業をリリースするためのリストをつくり、フレームワークにしてくれたんです。カオス状態の中、次に新規事業を立ち上げるメンバーが同じ壁を感じないようにと」
宮田「僕は同じことを2回やるのが死ぬほど嫌いなので、会社としてもそうならないようにしたかったんです。次また新規事業を立ち上げるときは、クリエイティブなことに時間を割いて、革新的な企画をしてほしいと思います」

「クラウド会計のfreee」で終わらせないために

BtoBのPM経験のなかった宮田。freeeで挑戦を始めて1年が過ぎ、BtoCとはPMが重点を置くポイントが違うのだと気付きます。

宮田「BtoCでは何が流行るかわからないので、アウトプットを出しまくって、ユーザーのアクセスログから解析して、本当にいいものを残すという手法でした。

一方BtoBは、サービスを使う方々がプロフェッショナルです。だから普段どう使っていて、どこに課題感があるのか、データとユーザーの意見の双方から見定めるのが大切ですね」

課題を見つけて優先順位をつけるまで、ふたりには大切にしている考え方がありました。

佐藤「失敗はしたくないけど、どうせするなら『早く・安く』がいいと思っています。一番いいのは、つくる前に失敗すること。

一度エンジニアと『つくり込む』と決めたら、実装開始からリリースまで、内容によっては膨大な時間を費やすことになってしまいますから」
宮田「優先順位は、個々の案件のビジネスインパクト、freeeのミッションへの整合性、必要な工数という三軸で決めています。

エンジニアは部下ではないので命令権はありません。だから失敗を繰り返していたら信頼もなくすし、そっぽを向かれます。そうならないために、根拠を言語化して情熱を持って伝えないといけないんです」

緊張感を持った意思決定が続く毎日で、PMとしての喜びを感じる局面もあります。

宮田「リリース後にダッシュボードを見て、戦略が思い通りにハマったとき、反対にまったくダメなときも気持ちがいいですね。中途半端は一番ダメ。インパクトを出して大きな成長曲線をつくり出したいです」
佐藤「エンジニアが自分で数字を見始めたときに喜びを感じます。結果が見たくなるのはそれにかける想いがちゃんと伝わっていたってことなので。

またリリース後にユーザーから新しい要望が届くのも嬉しいです。ひとつリリースした後に未知の課題が見えて来たりして」

リリースされたプロジェクト管理freeeは、freeeのミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」の実現のため、またふたりの思い描く社会の実現に向けての大きな一歩でした。

宮田「今はまだ会計・バックオフィスのイメージがあるfreeeから、『業務アプリケーション全般・クラウドERPのfreee』と言われるように持っていきたいと思っています。

携帯に入っているアプリって8〜9割が海外製じゃないですか。これはPM力の差だと思うんです。だから海外水準でプロダクトマネジメントを行って、日本発のグローバルレベルのアプリを生み出したいですね」
佐藤「引き続き、『社会の挑戦の総量』を増やすという目標に取り組んでいきます。一人ひとりが『やりたくてもできなかったこと』『やれると思っていなかったこと』にトライできるように。日本の人口が減っても、挑戦を増やすことはできると信じています」

これからもプロダクトの、そしてfreeeの価値を最大化するためのふたりの挑戦は続きます。