大手からベンチャーへDive。技術力不足に直面したエンジニアの新しい挑戦

Fringe81株式会社で新規事業プロダクトのエンジニアリーダーを務める廣井智一。前職の大企業で高い技術力を認められていた廣井でしたが、Fringe81に入社して初めてシステム全体を見通す経験をし、己の技術力の低さを痛感したと言います。挫折を経て見つけた、自分の真の強みとチームで成し遂げたいこととは。
  • eight

エンジニアなのに「飲み面接」。入社の決め手はFringeの“文化”

056684bbb3e6d9ad7b2d102940027d79dbd12706
▲新規事業プロダクトのエンジニアリーダー 廣井(写真右)。入社の決め手となったCTOの東山と

「自分は他の会社でも通用するのか」。この問いが転職の大きなきっかけでした。

以前勤めていた大企業では、技術力がある方でしたし、プロダクト設計の力も大きなチームで一番信頼されていました。しかしそれは、前職の企業でしか通用しないのかもしれない。そろそろ自分の実力を試そうと、ベンチャー企業に飛び込むことに決めました。

転職活動で出会ったFringe81(以下、Fringe)は、技術力が高い印象がありました。数多くのScalaのイベントに登壇していましたし、24時間止まらないシステムと秒間数百〜数千さばく配信サーバーを自社でつくって、コンテナ化もしっかり進めていたからです。でも、私にとって決め手となったのは“文化”でした。

Fringeには、新しい領域に飛び込んでまずやってみるといった、“Do” “Dive”の姿勢を重んじる文化があります。面接が進むにつれ、その文化にどんどん惹かれていきました。さらに、エンジニアには珍しい「飲み面接」では、現場のエンジニアたちと楽しく飲みながら、一緒に気持ちよく働けることをお互いに確認することができました。

最後に入社の決め手となったのは、CTOの東山友のインタビュー記事にあったこの言葉です。

「私がなくしたいのは、エンジニアの感じる“やらされ感”です。勉強会をやるために資料づくりにすごく時間をかけて、休日出社するなんて、本末転倒だと思います。『やりたくてやる!』そこが本質にあって勉強会という手段を使う。業務中にこっそりやりたくてやってる方がまだ面白い。そのために、学び・発信し・共有する文化を根付かせています。 (中略)

――文化のもととなる仕組みのポイントは?

エンジニアの苦痛になることを避けること。できるだけ業務内で完結するよう、上に立っている人間が仕組みとして取り入れるんです」

すごく、イイなと思いました。私も、仕組みによる解決が推奨されるFringeに身を置いて、イケてる仕組みをつくりたいという想いが生まれました。

自分が持っている武器は?技術不足の中、できることを探し続ける日々

57d5f8d3b39ba8de3bd412bfbb7c1be86fae7f8b
▲ 廣井は、2017年3月にFringeへジョイン。入社早々“壁”にぶち当たることになる

入社後、まず思い知らされたのは自分の技術力の低さでした。大企業にいた当時の私には、システム全体を見通すという力がなかったんです。技術に関しては、本当に井の中の蛙でした。

JavaやOracleについての知識はそれなりにありましたが、インフラ知識はゼロでしたね。当時、チームメンバーにアーキテクチャの説明をされたとき、「ロードバランサーってなんですか?必要なんですか?」と聞いたことを今でも鮮明に覚えています。今思うと、すごく恥ずかしい(笑)。

入社した当初は、毎日が発見ばかりでした。Fringeでは技術が学べるということを強く感じましたね。

「自分はこの会社に何を返せるだろう」。

Fringeで発揮できる自分の強みを考えて、最初にトライしたのは、ドキュメント整備とメンバーの顧客理解の強化でした。

最初に私が配属されたdocomoAdNetworkという広告事業部では、属人化した業務が多く、人に聞かないと仕様も何もわからないという状態でした。そこで、繰り返し使われる知識やノウハウは積極的にドキュメント化を進め、コミュニケーションコストを下げました。

また、当時の開発陣は顧客の業務を深く理解できていませんでした。そのため、プロダクトが提供する価値がわからず、エンジニアからプロダクトの改善案が生まれにくいばかりか、モチベーションも上がりづらい状態にあったのではないかと思います。

そこで、インターネット広告に関する業務テストをつくり、マネージャーや営業とともに業務を再現することで、エンジニアの業務への理解を深めました。

私は技術だけでなく、技術が生み出す価値にも興味があるため、つくりたいものを社内のビジネスコンテストのような場に持ち込んだこともあります。エンジニアにもそういった機会が提供されるのは、とても嬉しいです。

こうした取り組みを経て、入社から1年半が経った2018年10月現在は、ビジネス側とエンジニア側の架け橋を任せてもらっています。

「頑張る」は解決策じゃない。仕組みで解決するチームをつくりたい

4b2bbcb15f9a0b17c3a3d2883dfa1a2bc7501670
▲「頑張る」のではなく、それぞれが具体的な解決策を講じることができる。そんなチームを目指している

私は現在、新規事業プロダクトのエンジニアリーダーをやっています。主な業務は、2つあります。

1つ目が、チームがうまく回るような仕組みや環境を整えたり、チーム編成や仕事の割り振りを考えたりといった、いわゆるチームビルディングです。2つ目は、顧客が求めているものを理解し、システムにどう反映するか営業メンバーとやり取りすることです。

リーダーをやるにあたって、特に大事にしていることがあります。それは、仕組みで解決するチームづくりです。

私は「頑張る」という解決法が大嫌いで。なぜならそこに具体性はなく、やみくもに時間を多く使うアクションが多いからです。ただ時間だけを使っているだけではPDCAを回せないので、短期的な成果しか見込めません。仕組みで解決すれば、PDCAも回せますし、一度つくってしまうと長期的に成果がもたらされます。

たとえば「見積と実績に乖離が生まれ、予定通りに開発が終わらない」という課題に対して、ストーリーポイントによる見積方法を導入しました。個人の主観でかかりそうな日数を見積もるのではなく、他のタスクと相対化しながら共通の単位を用いて工数を見積もるようにしたんです。

これによって、見積と実績の乖離が、目に見えて減りました。属人化していた各メンバーのタスクの工数の見積を、客観的に見て評価できるようになったため、外部からのフィードバックを受けながらより精度の高い見積が可能になったからです。

ここでもし「開発が終わらないからもっと頑張ろう」という方針をとると、メンバーの負荷が高まるばかりだと思います。しかし仕組みをつくったことで、再現性が生まれました。今後、新しいメンバーが入っても、案件が変わっても、見積と実績のズレは起きにくいでしょう。

このように、解決方法が「頑張る」しかないチームより、仕組み化していけるチームの方がきっと強い。そんなチームをつくるために私は、メンバーみんなが積極的に意見を発信し、解決策を提示できるよう、心理的安全性の高いチームづくりを目指しています。

メンバー全員が仕組みをつくる。最強のチームで、最高の結果を

18c0f08355fc3469536749f1896e45324c2a3d01
▲「とりあえず試してみよう」というチームの雰囲気が大好きだと、廣井は語る

今チームでは、スクラムをベースとしたアジャイル開発をしています。チームが発足して1年足らずで、仕組み化できていない部分は多く、チームビルディングもまだまだです。

ただ嬉しいことに、上司や部下にかかわらずメンバーみんなが新しい取り組みに前向きで、“Do”を恐れず、いろいろな仕組みを一緒に考えてくれます。私は、こうした協力的でオープンなFringeの文化が大好きです。この文化があるのとないのとでは、メンバーのマインドもスピード感もまったく違います。

私には思いつかないようなアイデアを生み出すメンバーもいます。最近、印象的だったエピソードをひとつ。

期限通りに終わらなかったストーリーの原因究明をするミーティングがあるのですが、内容が内容なだけに、指摘する側が相手を問い詰める形になってしまいます。これでは「心理的安全性」が担保できません。

そこで、「オネエ言葉で話したらどうでしょうか」とある新卒メンバーが言い出したんです。とても突飛な意見ではあるのですが、他のメンバーもそれほど否定的でなく、面白そうだからと、とりあえずやってみることにしました。

すると、プレッシャーが強いミーティングが、なんだかちょっと面白いミーティングに変わったんです。確実に心理的安全性は高まりました。

このように、頭ごなしに否定せず「とりあえずDo!」というチームの雰囲気がすごく気に入っています。ボトムアップで生まれた意見から解決策が生まれれば、当事者意識も芽生えて仕組みづくりへのモチベーションも上がります。その解決策の必要性について腹落ちしないまま指示に従ってつくった仕組みよりも、廃れにくいでしょう。

今つくっている仕組みは、きっと他のチームにも広げられますし、実際すでに広まっていることもあります。これは事業だけでなく組織の成長にもつながります。

私は今のチームがすごく好きです。なんとかしてこのチームで事業を成功させたい。このチームで勝てたら、絶対嬉しい。絶対楽しい。

このチームで、一発何か残してやりたいという気持ちが、今は一番強いです。

関連ストーリー

注目ストーリー