隠れたヒーローに、スポットライトを――自社の課題解決から生まれたUnipos

ピアボーナス「Unipos」は、リリースから1年足らずで、100社以上に利用していただけるサービスにまで成長しました。このUniposの歩みのはじまりは、実はひとつの段ボール箱――自社の課題解決からサービス化にまでに至ったUniposのストーリーを、代表の田中の言葉とともにお送りします。
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日々流れゆく「素晴らしい貢献」を拾い上げるために

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▲Fringe81 代表取締役CEOの田中弦

「自分は日々の業務で、会社に貢献できているのだろうか?」

「誰かの役に、ちゃんと立てているのだろうか?」

働いているなかでこんな風に感じたこと、誰もが1度はあるのではないでしょうか。

たとえば営業のような役回りでは、定量的な“数字”上の成果を上げた際に、周りの社員から称賛されることも少なくないと思います。

一方でエンジニアや経理などのポジションは、個々の働きがどういった成果につながっているかが見えづらいため、誰かにその仕事ぶりを褒められたり、たたえられたりする機会は、一般的にあまり多くありません。

私たちの会社は、もともとエンジニア集団でした。しかし、業績の伸びや組織としての成長に伴い、6年ほど前から営業職の社員が増えていきました。売り上げの数字を伸ばす度にスポットライトが当たる営業チーム。

以前まで組織の中心にいたエンジニアのなかには「自分たちの肩身が狭くなった」と感じる者も出てきました。そして、その頃から離職が目立つようになっていたのです。

どんなに厳密な人事評価の制度を設計しても、その評価の枠では拾い上げきれない「組織にとって素晴らしい貢献」は、日々の会社のあらゆる営みのなかに、ひっそりと存在しているものです。

従業員数が増え、会社として拡大期の真っただなかにあった当時の弊社には、そうしたお互いの小さな貢献に気づく余裕が、だんだんと失われてしまっていました。

「このままではいけない。社内にいる隠れたヒーローに、スポットライトを当てよう」

業績は順調ながらも、現状に危機感を持った代表の田中は、4年前のある日、段ボールを抱えて「身近な人の素敵な行動を付箋に書いて、このなかに入れてくださーい!」と声を上げながら、社内を回りはじめたのです。

ここから、Uniposの原点とも言える、弊社の「発見大賞」の取り組みがスタートしました。

誰かの成長は、心を揺さぶるリアルなエンターテインメントになる

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▲発見大賞でMVPに輝いた新入社員。彼女の入社当初からの成長を全社員で実感し涙した。

発見大賞の仕組みは、とても単純なものでした。月に1度、社員全員が「自身が発見した、身近な仲間の隠れた貢献」を付箋に書き、投票して、そのひとつずつを皆で称賛する。いわば“他薦MVP制度”です。

“日々の安定稼働が当たり前”と思われてしまっている職種の活躍や、忙しさのなかで流れていきがちな小さくも気高いファインプレーに、あらためて皆で目を向け、大事にしていこう――。

そんな想いが込められた発見大賞は、田中の想像を超えるほどに、社内に大きな変化をもたらしていきます。

発見大賞をやっていくなかで、たくさんのエンジニアにスポットライトが当たるようになりました。事実として、この取り組みをはじめてから4年弱もの間、エンジニアの離職者はひとりも出ませんでした。

発見大賞がすくい上げたのは、エンジニアだけではありません。もっと広範囲で「一人ひとりの社員の人間性や成長が見えるようなドラマ」を、見出していったのです。

田中 「いまだに印象的なのが、 4月に入った新卒の社員が、 6月に発見大賞の MVPに選ばれた時のことで。いまだから言えますけど、入社後は慣れない社会人生活に苦労していたようでした。
配属先が決まってからは、思うように営業活動を進められず時には涙していた時期もあったようです。でも、彼女は話してみると根は素直な子で。いろいろ経験していくなかで、なにかきっかけがあれば伸びるだろうな、と信じていました。
そしたら、発見大賞で彼女が MVPになって。他薦コメントを読んでみると、やっぱり彼女自身が『変わらなきゃいけない』と奮い立つエピソードがあったようで。周りの先輩たちの力を借りながらビックリするくらい成長して、数字上でも大きな成果を出していたんです」

彼女が表彰される様子を見て、その場にいた社員は「あの子があんなに変わるとは!」「すごく頑張っていたもんね」と、口々に言いました。

推薦した近しい先輩たちは、周囲をはばかることなく涙を流しながら、彼女を称賛しました。その場はとても温かく、かつてないほどの一体感に溢れていました。

田中 「あの時、『この体験は極上のエンターテインメントだな』と感じたんです。それは決して、誰かの成長を他人事のようにコンテンツとして消費するような意味合いではありません。
むしろ、誰かの成長に関与して、そこで起こるドラマを自分事のように感じられることが、フィクションよりも人の心を揺さぶるエンターテインメントになりうる。発見大賞は、そういった“自分事 ”化を促していくツールになっていました。
会社勤めは、ともすれば自分のデスク周りの 5人くらいと必要なことだけを話して、それ以外は人付き合いせずに帰る……みたいな働き方もできてしまいます。
けれども、それだとやっぱりおもしろみに欠けると、私は思うんです。せっかく人との関わり合いのなかで働いているんだから、そこに楽しみを見い出せたほうが、仕事はグッと魅力的な行為になるはずです」

発見大賞のシステム化で生まれた、ピアボーナスプラットフォーム

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▲Uniposは田中がはじめた「発見大賞」の段ボール箱から生まれた

社員がお互いを認め合い、たたえ合う文化を、組織が拡大・成長しても維持していきたいという想いから、弊社では約2年前に、それまでアナログで集計を行なっていた発見大賞のシステム化に踏み切りました。

その際に「皆の前で同僚に感謝、称賛の言葉を贈る」という、ちょっと気恥ずかしい行為の建前になるように、少額のAmazonギフト券のボーナスと紐づけるよう設計するなど、運営にも改良を加えていきました。

そうした試行錯誤の末に完成したのが、従業員同士が日々楽しく気軽に感謝の気持ちを伝え合うことを実現したピアボーナスプラットフォーム「Unipos」です。

弊社でのUniposの利用率は、従業員数が160名を超えたいまでも毎月80%超で維持されており、リアルタイムに感謝や賞賛の言葉が飛び交い続けています。

システム化して運用コストが軽減できたことで、発見大賞の対象ではなかったアルバイトのメンバーもUniposに参加できるようになり、結果的に雇用形態を超えたチームビルディングにも寄与しています。

田中 「私はもともと人や組織の成長のプロセスに興味があって、そういった話題をよくブログに書いていました。そんなこともあってか、周りのベンチャー経営者からよく『どうしたら社員のエンゲージメントを上げられるんでしょうかね?』と相談を受けていて。
その度に『発見大賞をやるといいですよ』と勧めていたんです。
ただ、実際にやってくださった方から『とてもいい取り組みですね!』とは言っていただけるものの、『運営に手間がかかるから、なかなか続けられない』という声も多くて。だから、自社で発見大賞のシステム化を進めていく過程で、私は感じたんです。
これを世に広めていけば、他社さんでも発見大賞のような取り組みを無理なく続けていけるのではないか、と」

ピアボーナスを促すサービスは、多くの人たちの“働きがい”を生み出すことに貢献し、あらゆる組織の成長を後押しできるのではないか――

そんな期待を胸に抱きつつ、2017年6月より、私たちはUniposの社外への提供を開始しました。ありがたくもご好評をいただき、現在は100社以上の企業でUniposが導入されています。

田中 「たとえば、出社した時に眠たそうな社員を見つけたとします。何も知らなければ『だらしないな』と感じてしまうかもしれない。けれども Uniposがあると、そこに『あの案件、○○さんが夜遅くまで緊急対応してくれて本当に助かりました』と書いてあったりする。
そうか、だから彼は眠そうにしているのかと。そしたら『昨日は大変だったね、ありがとう』と声をかけられる。それって、お互いに気持ちがいいですよね。
会社の規模が大きくなればなるほど、『誰がなにをしているのか』は見えづらくなっていきます。頑張って気にかけようにも、やはり限界はある。
Uniposはその限界を取っ払って、個々の頑張りを可視化し、感謝の言葉で人をつないでくれるんです」

働くすべての人たちが報われる世界に

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▲2018年に開催されたユーザー会。こうした活動を通して、これからもコミュニティを拡張していく

ピアボーナスには、組織の文化を育て、従業員のエンゲージメントを向上させる力があります。私たちはこれからも「すべての働く人にスポットライトを」をミッションに掲げ、Uniposを通して“嬉しさの伴った新しい給与体験”を提供することで、たくさんの組織の成長にアプローチしていきます。

田中 「実体験として、これは断言してもいいんじゃないかなと思っていることが、ひとつあります。それは『感謝の言葉で人をつなぐと、会社は強くなる』ということです。 Uniposは、立場の上下や雇用形態などの壁を超えてポジティブに人をつなぎ、新しい組織や社会の在り方をつくっていけると、私は信じています」

Uniposとともに、ピアボーナスという概念を世に広めていくことで、働くすべての人の貢献が報われる世界をつくりたい――これが私たちの想いです。

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