新しいことに触れられるITの世界へ飛び込んだ

▲ソリューション事業本部 ネットビジネス事業部 事業部長 垣谷 学

垣谷が富士ソフトへ入社したのは、2001年4月のこと。

ソフトウェアの開発に携わりながら、技術者としての腕を磨いてきた。

垣谷にとって富士ソフトは2社目で、新卒入社したのは小規模なITの会社だった。ITの世界に足を踏み入れたきっかけは、大学3〜4年生のころから徐々にインターネットが世の中に知られ始め、IT業界が伸びると感じたからだ。

垣谷 「子どものころから新しいものが好きで、中学生のときには親が買ったパソコンをいじらせてもらっていました。安直な考えでしたが、これから伸びるであろう IT業界へ飛び込むことで、常に最先端技術に触れられそうだと考え、 IT系の会社に就職しましたね」

そして入社2年後、たまたま縁があり富士ソフトへ転職することに。富士ソフトの門をたたいてから19年という歳月が経った2020年現在は、ソリューション事業本部ネットビジネス事業部で事業部長を務めている。

お客様に合ったECサイトを提供するのが、主な仕事だ。ECサイトで取り扱う商品や消費者属性は、会社ごとに大きく異なる。担当するお客様が変わると提供するECサイトも大きく変わるため、常に新しいことに関わるという垣谷の希望はかなえられているのだ。

もともと新しいものが好きだったことに加え、新しいことを知ると多様な発想ができるようになると実感している垣谷は、現在も積極的に新しいことに触れる機会を設けている。

垣谷 「限られたことしかやっていないと限定的な考えしかできませんが、全然違う考えを組み合わせることで、新たな発想ができるようになります。
イノベーションも結局は、既知の技術の組み合わせによって生まれるものです。どれだけ多くのことを知っているかで、出せる答えは大きく異なると思いますね」

技術者からプロジェクトマネージャーへシフトし、社員レベルの底上げを図る

現在の部署に異動してから、垣谷自身が開発に携わる機会はほとんどない。社内ではプロジェクトマネージャーとして、若手社員たちを正しい方向へ導く役割を担っているからだ。

8年前に異動してきた当初は、部署内にプロジェクトマネージャーがおらずトラブルが頻発していた。

垣谷 「当時は新たな仕事を取ってくる人と、その後のマネジメントをする若手社員との間に、ものすごいギャップがあったんです。トラブルが発生しないよう、若手社員たちに指示を出してあげる役割の人がいませんでした。だから私が呼ばれて、仲介役となって部署を回してくれと白羽の矢が立ったんですね」

このまま若手社員が自らトラブルへ飛び込み続けるのを放っておけば、仕事を取ってくるハイパフォーマーを生かすことができず、部署が崩壊してしまう。そう考えた垣谷は、若手社員に技術や仕事の進め方を教え、レベルの底上げを図った。

教育する中でとくに衝撃を受けたのは、若手社員たちがスケジュール感をきちんと把握していなかったことにある。

垣谷 「たとえば、あるひとつの機能をつくるのに少なくとも 1カ月はかかるはずなのに、みんな 1週間でスケジュールを組んでいたんです。理由を聞いたら、『わからないからとりあえず 1週間にした』と口をそろえていました。
そもそもつくるモノの規模に対する考え方を持っていない若手社員に、なんの指示もせずスケジュールを組ませていたのは問題です。だから、この機能をつくるためにはどれくらい時間がかかるかという基準を丁寧に教えていきました」

期限から逆算するだけでなく、どのように進めれば何日で終わるかをきちんと考えさせることで、トラブルを減らしてきた垣谷。完全に技術者からマネージャーにシフトしたが後悔はなく、コツコツと組織づくりを進めてきた。

そして、成果を出すための基盤となる部署内部を整えながらも、常に社外のお客様のことを考えながら動いてきたのが垣谷の功績だ。

知識と当事者意識を持ち、運用することを考えたECサイトを提供する

▲お客様向けのプライベートセミナーで登壇する垣谷

社外に対しては、カスタマイズ性が高いパッケージ商材を取り扱い、お客様の希望をかなえるECサイトを提供している。フルスクラッチの開発が中心の富士ソフトの新しい事業として誕生したパッケージ導入に、最初はとまどいもあった。

垣谷 「サイトの構築よりも導入コンサルが主な仕事なので、扱うパッケージの中身はもちろん、通販業務やお客様の業界についても知らないといけない。
ただ、『こういうメリットがあるからこうした方が良い』とお客様に提案するのは、今まで技術者として働いていたときには持っていなかったスキルです。新しいスキルを身に付けられるのは、すごく楽しいですね」

コンサルを行うためには、技術以外の知識も必要になる。全体を俯瞰した上で本当にお客様のためになることは何か深く考え、適切な提案をするのが重要だ。

垣谷 「技術的にできることを提案するのではなく、運用することを考えた提案が必要です。技術的には可能なことでも、お客様が運用するときに不要となる機能をつくっては意味がありませんから。
僕は若いころ知識を吸収するため、本を読み漁って勉強していました。若手社員たちにも、幅広く興味を持って勉強してほしいと思っています」

さらにコンサルをする上で重要なのは、当事者意識を持つことだと垣谷は考えている。

垣谷 「当事者意識がないと、責任感は生まれません。『 ECサイトの提供は終わったから、運用が始まった後に何か起こっても自分は知らない』という意識では、本当にお客様にとって良いものを提供できているとはいえませんよね。
失敗を繰り返すことで当事者意識が身に付いていくので、若手社員にはたくさん失敗してほしいです」

今は若手社員を打ち合わせに同行させ、コンサルの様子を横で見せるOJTメインの教育スタイルを採用している。早い時期からお客様との会話を体験させることは、当事者意識を持った社員の育成につながっているのだ。

お客様の成長が、富士ソフトの成長。答えは自分でつくり出していく

垣谷が仕事をするときにいつも考えているのは、本質に行き着くこと。お客様が求めているものの本質をとらえなければ、的外れなECサイトをつくることにもなりかねない。まずは自分たちが扱っている商材を知り尽くした上で、お客様が成長するための提案を心がけている。

垣谷 「 ECサイトは商品を売るためのものなので、最終的にお客様がもうけられるものをつくらなければなりません。イレギュラーな機能に 100万円かけるより、 100万円かけて商品がもっと売れる機能をつくる。そうしないとお客様の業務は飛んでしまうし、私たちがつくった ECサイトもクローズしてしまいます。
お客様が成長できなければ、富士ソフトも成長できません。だからこそ、お客様に利益をもたらすための提案をしていくのがポイントです」

また、お客様はシステム部門ではなく業務部門の担当者なので、「この機能を付けてほしい」という私たち技術屋にとっての「答え」となる指示ではなく、「こういう売り方をしたいんだけど、どうすればいいか」という「相談」が多い。そのため、お客様が最終的に求めているものを見極める読解力も必要だ。

垣谷 「私はもともと技術者なので、本を読めば知りたい答えは手に入りました。しかし、部長になってから本を読み漁っても、経営を成功させるための答えは見つかりませんでした。それは、コンサルでも同じだと思うんです。
コンサルでは、お客様の目的をきちんと把握し、自分で答えをつくって提案します。答えは自分でつくるものだという感覚を持ち、仮説を立てて修正するプロセスを繰り返すことで、結果を出せるようになるんじゃないかと思いますね」

正解とも限らない答えを自らつくり出し提案するのが、コンサルにおいて難しくもあり、おもしろいところ。正しいと証明された答えがある技術者の業務とは一味違う魅力が、コンサル業務にはある。

垣谷はこれからも若手社員たちを育てながら、お客様のためになるECサイトの提供に尽力する。