古の貿易文化によって根づかされた「よかよか」の精神ーー福岡地域が世界から熱い視線を集めるに至るまで

豊かな自然と食、利便性に恵まれ、移住先や創業地として注目を浴びている福岡県。60市町村からなるその土地は、地理・歴史・経済的特性から「北九州」「福岡」「筑後」「筑豊」の4地域にわけられます。今回は福岡地域の歴史的背景を紐解きながら、創業の土地としての魅力をご紹介します。
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福岡市を中心とした6つの圏域からなる、活気あふれるエリア

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九州の管理中枢機能が集積し、西日本のリーディングゾーンとして発展してきた福岡地域。政令指定都市の福岡市を中核として、10市9町1村で構成されます。福岡県の人口の半数以上にあたる約259万2,000人(2015年10月現在)が暮らす地域です。

福岡地域は6つの圏域に分けられ、福岡市圏域(福岡市)を中心として、西の糸島圏域(糸島市)、東の宗像・糟屋北部圏域(宗像市、福津市、古賀市、新宮町)と糟屋中南部圏域(粕屋町、篠栗町、宇美町、須恵町、志免町、久山町)、南の筑紫圏域(筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町)と朝倉圏域(朝倉市、筑前町、東峰村)があります。

都市としての活気があふれ利便性が高い一方で、少し郊外に行けば、豊かな自然や居住環境に恵まれているのが福岡地域の魅力なのです。

古代からアジアとの交流拠点として栄え、その後、商業やサービス業が集積

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▲JR新博多駅
では、福岡地域はどのような歴史をたどってきたのでしょうか。

このエリアは、古代に遠の朝廷とよばれた大宰府政庁や、外国使節の迎賓館となる鴻臚館が置かれ、日本と中国大陸、朝鮮半島が交流する重要な窓口を担っていました。中世になると博多の港が、中国や朝鮮半島はもとより、琉球や南海などとの貿易拠点として栄えました。

昭和30年代の高度成長期に入ると、県の工業生産は伸びたものの、エネルギー革命の影響を受けて人口が減少。その後、昭和40年代から福岡市を中心に商業やサービス業の集積が進み、5年にわたり減少を続けていた人口は増加に転じました。

2011年には、九州新幹線・博多~鹿児島中央間が全線開通。福岡空港は、国内・国際線ともに豊富なネットワークを有し、滑走路増設に向けた取組が進んでいます。さらに博多湾の整備など、国際交通の基盤も整えています。アジアをはじめ、世界各地の人・モノ・情報の交流拠点として、ますますの飛躍が見込まれています。

世界トップクラスの住みやすさと、手厚い創業支援を誇る福岡市

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▲シーサイドももち
2017年現在、多くの地方自治体が人口減少問題を抱える中、福岡地域には、全国的にも高い人口増加率を誇る市町村がいくつもあります。

その筆頭が福岡市です。2015年度の国勢調査によると、福岡市は政令指定都市の中で人口増加数・増加率ともに断トツのナンバーワン。若者率(15~29歳)19.5%も、政令市でトップとなっています。

福岡市は2010年、高島宗一郎氏が当時36歳で市長に就任。強いリーダーシップのもと、2014年には「グローバル創業・雇用創出特区」に指定され、「スタートアップ都市 “ふくおか”」 を掲げて、多様な創業支援事業を展開しています。

2016年にはイギリスのグローバル情報マガジン「MONOCLE(モノクル)」の「世界の住みやすい街ランキング」で世界7位にランクイン。世界的に“スタートアップシティ”としての認知度も上がっています。

福岡市は、若者が多くて活気にあふれ、世界的にみても住みやすく創業しやすいという、非常にエネルギッシュで魅力的な都市なのです。

2017年に登録された話題の世界遺産をはじめ、海岸線、森林など個性豊か

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▲遺産群全景
ほかの5つの圏域にも、それぞれ多様な魅力があります。

西の糸島圏域は“糸島ブランド”として今、全国的にも注目が高まるエリア。玄界灘に面し、脊振山地に囲まれた糸島平野と糸島半島から成ります。福岡市の中心部から車で40分ほどの距離ながら、美しい海と山が広がり、絶景にも食材にも恵まれています。おしゃれなカフェや工房、窯元などが点在しており、アーティストや子育て世代の移住先として選ばれています。

東の宗像・糟屋北部圏域は、福岡・北九州両政令都市の中間にあるエリア。長い海岸線をはじめとして自然が豊かで、古くから農業・水産業が発達しています。

この圏域のホットニュースは、2017年7月に「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」が世界文化遺産に登録されたこと。沖ノ島には古代祭祀の遺跡が手つかずの状態で残され、1500年以上の長きにわたり、この「神宿る島」への信仰が受け継がれてきました。行政は、これから世界遺産の活用を地域の人々とともに考えていきたいと表明しており、未来への可能性に期待がかかります。

糟屋中南部圏域は、福岡市の東に隣接して都市機能にアクセスしやすい上に、森林セラピー基地に認定された広大な森林や、篠栗四国霊場、旧志免鉱業所竪坑櫓などの名所旧跡が存在しています。

筑紫圏域は、福岡市の南に位置するベットタウン。風情のある太宰府市をはじめ、コミュニティのつながりが強い地域が多く、子どもが健やかに育つ環境がそろっています。

朝倉圏域は、北を山々に囲まれ、南を筑後平野が占め、農林業の盛んなエリア。九州一の大河・筑後川の水と肥沃な大地により、野菜や果物などの農産物が豊富です。しかし、平成29年7月の九州北部豪雨で甚大な被害を受けており、1日も早い復興に向けた取組が望まれます。

古から外交の拠点として発展し、今では商業やサービス業が盛んな福岡地域。そこに暮らす人々は、昔から明るく開放的で、面倒見がよく、チャレンジ精神が旺盛といわれています。それゆえ移住者が地域に溶け込みやすく、創業の地としても世界から注目されているのでしょう。

さらに、利便性の高い都心から少し行けば、豊かな自然が広がり、新鮮な食や歴史的遺産にも恵まれています。仕事はもちろんプライベートも大切にしたい人にとって、抜群の環境なのです。

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