常に時代の最先端へーー創業時から18年間変わらない「人と人をつなぐ」ことの真意(後編)

「Empowering the people to connect」をミッションに、多くの事業と起業家を輩出してきたガイアックス。そんな私たちが、いま注力するのは「シェアリングエコノミー」。18年間の歴史を紐解きながら、代表執行役社長の上田の事業への想いをお伝えします。
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昔から変わらない「フリー・フラット・オープン」な社風

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いまでこそ一般化した「ソーシャルメディア」や「シェアリングエコノミー」という言葉。しかし1999年のガイアックス創業当初は、そのような概念はありませんでした。

私たちが手がけてきたことは、一貫して「人と人をつなぐ」こと。「つながることで人は幸せを感じるのではないか」。そう考えていた上田は、会社員時代より個人で口コミサイトを立ち上げたり、その後、グリーディングカードや個人ホームページサービスなどWEBサービスを立ち上げては、“実験”を繰り返していました。

上田 「つながることで人は幸せを感じる。その仮説は、ガイアックス創業前より確信していたことです。そして、インターネットの進歩によって、その実現性がさらに高まるということも」

ガイアックスでは創業メンバーしかり、社員しかり、設立当時から、自らビジョンを打ち出し、リスクをとって事業を生み出す人材を採用してきました。当時、まだはっきりした概念がない領域、つまり最先端であるインターネットビジネスで、世の中を変えるような会社になる。そのためは、優秀な人材の集合体でなければいけないーー。そのような上田の考えは、その頃の社風にも反映されていました。

上田 「社風は18年目(2017年時点)を迎えた今も変わっていません。『フリー・フラット・オープン』。効率的に仕事を進めるためには、オープンなコミュニケーションが欠かせないと思っています」

心の中も、手の内もすべてオープンにして、上下関係なく意見を言い合う。だから、インターン生であってもコミュニケーションに垣根は一切なし。経営課題も、包み隠さずオープンにしています。

それも全ては、常に最先端に進むためーー。私たちが18年間の歴史の中で、どのような道を歩み、シェアリングエコノミーに注力するに至ったのか、そしてどのような組織を作ってきたのかをご紹介します。

常に世の中の動きを見据えた、積極的な事業転換

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1999年、ガイアックスは法人化したのち、コミュニティサービスから広告収入が入るようになり、急成長。海外4か国にも拠点を持ち、16カ国でサービスインも果たしました。

しかし3年ほど経って、世界的にインターネットバブルが崩壊。経営危機といえる時期が訪れたこともありました。

そこで私たちガイアックスは、各企業に適したソーシャルメディアの構築を軸にして事業を展開。BtoCからBtoBに徐々に移行し、安定的な成長を遂げていきました。大手企業様を対象に、システム作り、サーバー運営、ユーザーサポートや掲示板監視などをフルサービスで提供。コンテンツ、占い、ニュースなどのコンテンツ制作も手がけていったのです。

上田 「それらの仕事をスムーズに受注できたわけではありません。オンラインコミュニティはまだまだ新しい概念だったので、大手企業に納得していただくには、当然時間も労力もかかりました。営業コストは、売上に負けず劣らず、でしたね(笑)」

同時に、新たなサービスもいくつか立ち上げました。たとえば、アバター事業。クライアントと共に海外視察に向かい、アバターにデジタル課金するというモデルが流行していることも知りました。そこで早速、アバターサービスを立ち上げ、アバターのアイテムを購入していただくというシステムを構築しました。

そして、2005年に名古屋証券取引所「セントレックス」に上場。しかし、順調に売上をキープしていたソーシャルメディア構築事業にも、徐々に同じような他社サービス・価格競争が生まれるなど、陰りが見えはじめます。

そこでガイアックスは、クラウド型の社内SNS事業を開始。受託開発ではなく、低価格で汎用型のクラウドサービスを提供開始することで、社内SNSでのトップシェアを獲得しました。

また、他にも、ソーシャルメディアの運用支援、投稿モニタリング、ネットいじめ対策事業などさまざまなランニング型のビジネスを開始し、結果、取引社数は約2,000社に拡大し、安定収益のある事業構造に生まれ変わりました。2017年現在は、創業時のBtoC事業でのノウハウを活かし、このようなソーシャルメディアやソーシャルアプリの運用・運営支援の事業を展開しています。

このように、私たちの事業はBtoCから大型案件のBtoBへ。そして大型案件のBtoBから、ランニング収入のあるストック型BtoB事業へと転換していったのです。

シェアリングエコノミーという「新たな世界観」への投資

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2011年ごろ、すでにソーシャルメディアの知名度はかなりあがっていました。そこで、ガイアックスは、Facebook解析ツールの提供など、ソーシャルメディア活用支援に力を入れはじめます。2011年「働きがいのある会社」従業員50~249名の部門で5位にランクインするなど、企業としての在り方にも注目していただける機会も増えたころです。

そんな中で、徐々に注目されはじめたのがシェアリングエコノミー。これはガイアックスで突き詰めてきた「人と人をつなぐ」を体現している領域です。2016年には、一般社団法人シェアリングエコノミー協会を設立するなど、私たちには、業界を牽引しているという自負があります。

上田 「シェアリングエコノミーは、ソーシャルメディアのおかげで『他人』という境界線が薄れてきた今だからこそ、流行し、今後一般化していくものだと考えています。昔は友だちの言うことしか信用しなかったことでも、今は知らない人たちが『おいしい』と評価していれば、信じて食べに行くわけです。

つまり、今、『友だちだから信用できて、赤の他人だから信用できない』という観念が崩れてきています。だからこそAirbnbのように、知らない人を家に泊めることさえできる時代がやってきているのです」

ガイアックスでは、“赤の他人”同士をつなげることの意義は、効率化すること以外に「知り合いを優先しないということ」にもつながると考えています。その背景には、上田自身が危惧している、過度に知り合いを優先させることの「罪深さ」があるのです。

上田 「たとえば、電車で1席だけ空いているとします。そこに3人家族が乗り込んだときに、『おばあちゃん、ここに座りなよ』などと、席を譲りますよね。家族内ではコミュニティができあがっていて、“最適化”できているんです。

でも、おばあちゃんよりもよっぽど疲れている人が車内にいるかもしれないという事実が無視されている。それが、社会的にみると損失を出していると思うのです。本来は、電車中の人と人がつながって、最適解を導くべきではないでしょうか」

人と人がつながっているコミュニティがあれば、全体のハッピーを追求していくことができます。「これは私のものだ」とするから、「これはあなたのもの」になって、私とあなたが離れてしまう……。しかし、所有を曖昧にして、コミュニケーション量を増やすことで、感情移入をし合える。それがより多くの人の幸せを増やすと、私たちは考えています。

上田 「資本主義社会がなくなるとは思いません。しかしシェアリングエコノミーは、資本主義の中でいかに新たにビジネスとして利益をあげていくかというものではありません。今の資本主義社会エッセンスを使いながら、作っていく、新たな世界です」

世の中を変えるために欠かせない、アントレプレナーシップの養成

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どんどん若くて勢いのある企業が立ち上がり、ガイアックスはベンチャー企業としては、“老舗”になりつつあります。しかし、変化を止めるわけにはいきません。

世の中の変化と企業の変化を比べれば、往々にして、企業の変化の方が遅れてしまうものです。それを意識して時代遅れにならないよう、若手の意見を取り入れ、世の中の流れにぴったり寄り添うような体制が必要です。

そのためにも、「フリー・フラット・オープン」な社風であること、そしてアントレプレナーシップ(起業家精神)を私たちはとても大切にしています。

上田 「このご時世、安定的な報酬というのは、まやかしでしかありません。そのとき、最後の最後に頼れるものは、本人の想いの強さ。それは、社会問題を感じて『なんとかしたい』という気持ち。そしてライフプランを見返すことで『自分はなんのために生きているのか』『何を成し遂げるのか』を確信することです」

ガイアックスからは、多数の起業家や上場企業が生まれています。世の中にインパクトを与えて、世の中を変えるためには、「事業を支える想い」がもっとも重要。ずば抜けた「想い」があるからこそ、成果をあげることができると上田は考えています。

上田「『想い』というのは素晴らしいもので、仕入れコスト0で、かつ無限に拡大します。もっともインパクトがあるにも関わらず、コストがかからないんです。だからこそ、最大限にフルスロットルに突きつめるのが吉です。どんどん起業家を輩出して、世の中に貢献する人を増やしていきたいですね」

ガイアックスが掲げるミッションは、「人と人をつなぐ」。その言葉は創業時から変わらずとも、言葉のもつ意味は時代によって変わり、責任は大きくなっています。常に時代の最先端にいながら、社会にインパクトを与え、社会課題を解決するーー。それが、私たちガイアックスが担っている役割です。

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