ノム氏とマギー氏、ふたりのプロフェッショナルが日本に狙いを定めるまで

▲左:マギー・ソレク氏、右:ノム・エンゲルベルグ氏

ノム・エンゲルベルグ氏とマギー・ソレク氏。今回ギャプライズを開拓パートナーに選んだふたりのキャリアもまた、変化の多いバラエティに富んだものでした。

ノム氏 「大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得した後、Mercury Interactiveというスタートアップでキャリアはスタートしました。後にHP Softwareに45億米ドルで買収されるのですが、買収が発表された2006年当時、最大規模のものだったと記憶しています」

その後ノム氏は顧客志向のシナリオテストチーム「The COST Team」の立ち上げを主導。顧客が使用方法を理解し、ユースケースをチーム内で同じ方法でテストを行った後のQA反映業務をしていました。

ノム氏 「私は技術者ですが、顧客と直接仕事をするのが好きだったので、買収された後、Op Tierという別のスタートアップにキャリアを移しました。

Op Tierでは、数年間テクニカルサポートエンジニアをしていましたが、しばらくしてセールスエンジニアリングにジョブチェンジ。その後ニューヨークSisenseの立ち上げに参加しました」

ノム氏はセールスエンジニアとして最初の雇用者でした。その後ノム氏は、多くの成功事例を積み、現在はグローバルセールスエンジニアの管理に従事しました。

経営学の学士号と修士号を持ち、業務では主にマーケティング、パートナーリレーション、カスタマーサクセスを取り扱っているマギー氏。

そのキャリアは24年前に、イスラエルの大手携帯電話通信会社であるCellcomからスタートしました。彼女はそこで9年間営業担当者として働き、電話セールスなどで昇進。そこでは、技術およびコールセンターをすべて率いるまで役割を担うことになったのです。

その後、当時のイスラエルであった電話番号に関する大きな法律の変更という契機が訪れました。

マギー氏 「Cellcomでのキャリアを生かし、アメリカで当時33,000人いたカリガンという会社のイスラエル法人で、販売および顧客担当副社長に任命されたんです。その後7年間ほどMicrosoftでさまざまなチャネルやパートナーを管理する職務につきました。

そこで当時MicrosoftイスラエルCOOだったシェリーがSisenseに転職をするタイミングで一緒に連れて行ってくれたんです。パートナー開発のグローバルディレクターとしてEMEAおよびAPACの顧客成功を心より願いながら、毎日幸せな仕事をしています」

そんなふたりが市場開拓の地として選んだ国、日本。彼らは日本のどのようなところに魅力を感じたのでしょうか。

共通項と受容が、計り知れないシナジーを生む

▲社内でお礼を言い合う文化がありそれが可視化されている。四半期ごとなどで表彰されるしくみ

ノム氏は、日本で事業を成功させるために重視した要素は“スピード”であると表現しました。その背景には、日本のマーケットのある特徴があったと言います。

ノム氏 「米国などでは、当社の販売サイクルは非常に高速です。グローバルで見たとき、私たちのセールから受注までの時間は平均60日未満。

日本では販売サイクルにもっと時間がかかる想定です。担当者とより個人的な関係を築く必要があり、マーケット自体も保守的であることがわかりました。そのため、日本市場向けにカスタマイズ、ローカライズしたエンタープライズ版を開発したんです」

ノム氏は日本には、企業の文化を重んじたり、人間関係を必要としたりする傾向があると考えています。一方アメリカは消費ベースで考えるので、こういった考え方はあまり必要なかったとのこと。そして、これはマギー氏も感じていたことでした。

マギー氏 「こういった日本ならではの物事の進め方に合わせて、適切な人材やパートナーを配置することが重要かと考えます。日本、イスラエル、アメリカ、すべての場所で成功させるためにはお互いのギャップを穏やかに認識し、管理しながら進めていく必要があるなと。そのためにわれわれは過去1年半かけてファンダメンタルズを確立したんです」

そうして事業の基礎を固めていく中で、マギー氏は「日本は最も有望な投資市場のひとつだ」と期待を寄せるようになりました。

マギー氏 「日本市場との担当間でのやり取りやギャプライズとのパートナーシップを通じて、今年は結果が見え始める1年になると確信しているんです」

ギャプライズの魅力は文化の違いを理解し、エンゲージメント管理できること

▲今回イスラエルに渡航したMI事業部部長奥原とセールス大田と記念撮影

日本を有望な市場であると評したふたり。そんな市場を開拓していく中で、Sisense社とギャプライズは確かなシナジーを生み出している実感があるのだと言います。

ノム氏 「Sisenseは本当にこのパートナーシップに頼っています。お互いの目標を理解し、お互いに輝けるウィンウィンの場所を本当に見つけるという点で、私たちは力強いスタートを切れました」

Sisenseとギャプライズ両者がファンダメンタルズの点で非常に顧客主導型であり、販売主導型であるという、似たような性質の企業であること。それは提携先として大きな魅力でした。

ノム氏 「われわれはふたつの異なる企業ですが、最終的には戦略、PNL、収益、1+1=3にするための、さまざまな議論ができる関係性で、正しい議論ができていると感じていて。それはきっと根本の方向性が似通っているからなのだと感じています。こだわるところが同じだから、ストレスなくシナジーを生み出せているんです」

また、日本とイスラエル間での文化の違いにも積極的な対応を見せていることも魅力であるのだと、マギー氏は考えているのです。

マギー氏 「ギャプライズ社は、他のイスラエルテクノロジーカンパニーと手を組んで協力関係でいる。だから、イスラエルの文化にもある程度の理解があるんですね。

イスラエルの文化は階層的でなく、形式的でもありません。つまり私たちは非常に率直で透明性があり、チャレンジフルなところがある。ギャプライズが他のイスラエル企業と仕事をしており、日本市場と文化の違いを理解してエンゲージメント管理ができているのは大きな利点だと思います」

データドリブンな市場のリーダーであり続けたい

▲ビリヤード台など、社内でオフの息抜きをするツールもたくさんありました

Sisenseとギャプライズ。国境をまたいだ二社が行った業務提携の経験を経て、ノム氏とマギー氏は思考を新たにしました。

「アジャイル開発で進めるわれわれがこれからのリーダーである」──そう語るふたりの目はしっかりと未来を捉えています。

ノム氏 「市場ではデータドリブンにならない企業は、最終的に生き残れないと考えています。そのためには、ビルダー(物事を構築する能力があり、かつ機敏に洞察を共有できる人)にとって使いやすいものにしていくということ。

そのためにBIを活用しながらアナリスト分析をし、データ主導の意思決定ができる組織になる必要があるなと。私たちはそのための最新のプラットフォームであると考えています」

日本では、過去20年~30年のBIの歴史を見ると、いわゆる複雑な実装が必要だったレガシーシステムが一般的。それらのプロジェクトの多くは失敗をし、実装と展開までに非常に多くの計画と時間が必要で、変更を行うのも長い時間がかかりました。そこで、低価格でクリックビューを兼ね備えた第2世代のBIソリューションが生まれました。

ノム氏 「当時は優れたソリューションでした。しかし、処理できるデータの複雑さ、利用できるデータのスケールがすでに追いつけず……。とくに2017年以降は扱うデータが莫大に広がり、より複雑なデータを迅速かつ高速に処理できる新しいテクノロジーが必要になりました。そこでわれわれの出番です。アジャイル開発で変えていきたいなと」

またマギー氏には、市場をけん引できると考えうるふたつの根拠があると言います。

マギー氏 「パートナーエコシステムとギャプライズとの関係のような、世界中に堅牢なチャネルおよびプラットフォームを構築していこうかなと。データストーリーは巨大なストーリーであり、最終的に顧客とパートナーが成功するための、エンドツーエンドソリューションを目指す必要があります。

また、われわれがハイブリッドソリューションを提供しているという、BI市場におけるユニークなポジショニングを認知してもらうことも大事です。どのクラウドプラットフォームを選択したとしてもわれわれは影響を受けません。

つまり来年AWSからAzureに移行することを決定した場合でも、システムは引き続き機能し、ソリューションの将来性も保証することができるんです。こういった形でマーケットリーダーとしての存在感を増していきたいと考えています」

データを武器に、どんな世の中でも世界をけん引するほどの存在感を放つ──そんな壮大な企みの第一歩は、もうすでに踏み出されているのです。