港町で夢見た海外でのワークスタイル

▲お父さんの船で手伝いをする学生時代のEvan氏

Evan 「私は、バンクーバーの港町で生まれました。父は漁業を営んでいて、若いころから手伝いで一緒に乗船をしながら漠然と海外での仕事に憧れを持っていたんです。獲った鮭の多くが日本に輸出されていたこともあり、日本で仕事をすることに興味が湧きました」

学校が終わってから自身でマーケティングの勉強をしていたEvan。来日してまずは英会話教室を開業する。

Evan 「自分自身でホームページを作ったりメールマーケティングやTwitterを使っての集客をしたりしていました。その中で、市場での自身が行っていることの潜在ニーズに気づきマーケティングの会社を札幌で立ち上げました。」

当時多言語対応できる外国人を有するエージェンシーは北海道にはほとんどなかったため、多くの発注に恵まれ、とくに海外の旅行者の多かったニセコからは多くの仕事の相談があり、事業は順調なスタートを切った。しかし忙しい日々を過ごす中、属人的な業務への限界も感じ始める。

Evan 「時間売りをする仕事はあまり生産性が高くない上、多言語対応できる優秀なスタッフもなかなか募集できないので、徐々にレポーティングやデータを扱う業務にシフトしていきました。

Webサイトの解析や、コンバージョン改善などに付随してソフトウェアの販売も同時に行う中で、ライセンス業務に特化していこうと判断をしまして、いったん自分の会社を閉じて大きいエージェンシーに入る選択をしたんです」

そうして入社した大手エージェンシーではセールスマネージャーや海外ベンダーと自社の橋渡しなど、幅広い業務の経験をする。そして国内マーケットのエントリー事業として、ABテストツールの販売担当を担っているときに紹介されたのがDynamic Yieldだった。

よりユーザーにマッチしたマーケティングを──パーソナライズという視点

Evan 「Dynamic Yieldはデータ解析からエンドユーザーが見えるコンテンツの最適化まで、ひとつのプラットフォームで実行できる強力なテクノロジーです。他のツールはレコメンドだけだったりABテストだけだったりとポイントソリューションが多いですが、すべてをワンストップで展開できるこのツールはとてもおもしろい。

自信の興味にもぴったり当てはまり、現在もやりがいを感じながら楽しく仕事に取り組めています」

しかし、その中で感じたのはパーソナライズに対する世間の誤解だった。

Evan 「多くの方はパーソナライズを誤解していて、いわゆるリターゲティング広告やオプティマイゼーションとほぼ同義のような印象を持たれています。しかし本質はまったく異なっており、個別最適化されたマーケティング──真の快適なユーザー体験ができる概念なのです。

オプティマイゼーションとは、テストでオーディエンスの反応を見て反応のよかった方が選ばれるもの。しかし選ばれなかった方が好みの人もいれば、そもそも話題に上っていないニッチなものが好きな人もいる。

つまりユーザー体験の中で潜在的なロスが生まれてしまいます。ですが、パーソナライゼーションは個人にフォーカスしているので全員が満足できる概念なんです」

もちろんすべてがすぐに実現するものではない。しかし日々進化し続けるテクノロジーは理想の世界に近づいている。そしてEvanはDynamic Yieldがその一助になると考えているのだ。

Evan 「Dynamic Yieldの優れた点のひとつにAIが最適化を施す点があります。今までは最適化を実行する際、実行したくてもエンジニアが必要なケースが多々ありました。とくにeコマースの業界では専門的なエンジニアリソースが不足しているのが問題だったのですが、このツールはその大きな問題を解決できます」

ギャプライズには真のパーソナライズが出来る会社に進化して欲しい

▲コーポレートサイトにはInspiration Libraryとして豊富なケーススタディが掲載されている。

Dynamic Yield の強みはAIが組み込まれていることだけではない。インフラがワンストップでそろっていることも市場を拡大していく上で非常に重要な要素となっている。これによってかかるコストが大きく抑えられるのだ。

Evan 「我々のいるテクノロジーの分野、とくにアジア市場が抱える課題も同様で、システムやツールを連携させるシステム会社や高度なスキルを有するエンジニアが介入する必要があるため、時間、コストが膨大にかかってしまっています。それらがあいだに入らずに、スムーズに改善が実施できるこのプラットフォームは市場の拡大に貢献していくことでしょう」

このようにEvanは常にパーソナライズの課題と向き合い続けている。そして2020年でEvanが来日してから15年ほど経つ。その中で感じた、パートナービジネスにおける重要な要素は、「関係構築」だと言う。

Evan 「今まで15年位日本に来てパートナービジネスをしてきましたが、他国のツールが日本で成功するためには、最初の1年でどれだけパートナーネットワークを構築できるかが重要だと感じています。文化や言語の壁をクリアするために、直接セールスを行うのではなくパートナーとともに動くことが大事なんです。私自身も1月にカントリーマネージャーに就任してから、積極的にパートナーとの関係構築に力を入れています」

そのため、海外ベンダーとのやり取りの多いギャプライズに対してのEvanの期待値は大きい。

Evan 「ギャプライズさんの強みはふたつあると思っています。まずは多くの海外ベンダーとのやり取りが長い点です。とくにイスラエルに強く、ネットワーク、文化の理解があるので、セールス、マーケティング共にうまく機能していて、業務がスムーズに行えています。

もうひとつが改善事業自体を行っている点。他のパートナーと異なり、改善パートのプラットフォームを持っているのは大きな強みです。真のコンサルティングともいえるパーソナライゼーション事業を、市場に対してともに開発していけることを期待しています。最近はとくに大きなブランドやeコマースの提携話も多く進んでいます」

パーソナライゼーション市場のリーダーとして

▲今も大好きな海のそばに住み、豊かなワークライフバランスを実践するEvan氏

Dynamic YieldはGartner, Forrester, Frost & Sullivan, TrustRadiusなどからもパーソナライゼーションのリーダーとしての評価を受けている。そんな彼らが見据える将来像とは──

Evan 「我々はリーダーシップをもってマーケットを構築していく責任を感じています。今は競合としてみている会社も気づいたら淘汰されてしまっているかもしれない。そんな何が起こるかわからない世の中です。そんな中で我々は人材開発、エデュケーションの分野にも同時に力を入れる必要性を感じています。

その取り組みのひとつとして、今まではツールの使い方や事例などもユーザーのみに閲覧権限を付与していましたが、すべてOPENにしました。そして近い将来ではacademy型の形式を用いてパーソナライゼーションの底上げを実施していきたいと考えています」

リーダーとして新型肺炎がもたらす市場への影響も見据えている。

Evan 「これから多くの企業が困るシナリオを想定しています。観光客、飲食、日本においてはオリンピックの延期など、あらゆる市場への影響は甚大です。

ただそれが同時に大きなデジタルトランスフォーメーションが起こる契機になると私は信じています。なので新型肺炎がクリアになったら勉強会やセミナー、展示会などを行っていきたいですが、世界的にテレワークの時代になってくることも考えると、オンラインセミナーや勉強会も積極的に実施していきたいと考えています。

我々のサービスがより認知され、パートナーとして選ばれることで、今までうまく出来ていなかった、あまり考えきれてこられなかった法人にもっとオンラインでの販売が進行していくことでしょう。強力なツールと強力なパートナーが力を合わせて、より良い世界をつくっていくことに貢献出来たらと思っています」

パーソナライゼーション化が進めばもっと個人の生活も豊かになる──Evanはそんな世界を見据えている。

※Dynamic Yieldに関する情報はMarTechLabのこちらでも取り扱っています。