ヒヤリ・ハットもすぐ報告・改善していく――薬局での新しい、インシデント管理運用術

保険薬局における医療事故防止や安全意識向上のためのサポートツール「Safe Masterインシデント管理システム」。2015年からご利用いただいているのが、大手チェーン薬局のアインホールディングス様です。ズバリ、保険薬局専用インシデント管理システムの魅力はどこにあるのでしょうか?
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保険薬局専用にカスタマイズ。だから、かゆいところにも手が届く!

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▲アインホールディングス安全対策室の原田未来さん(左)、高谷浩之さん(右)

「Safe Masterインシデント管理システム」は、保険薬局の医療安全を総合的にサポートするためのツールです。薬局の現場で起こったインシデントの部分を集積して分析し、報告からフィードバックまでのサイクルを回せる仕組みは、継続して業務改善を行なうことへとつながります。

それは、患者さまに対して安心・安全のサービスを提供するためにも欠かせないもの。医療現場における事故一歩手前の事例を報告するヒヤリ・ハット報告書や副作用報告書の入力から事例収集・分析事業まで、薬剤師と事務スタッフの業務を手助けしてくれるシステムだといえます。

今回、「Safe Masterインシデント管理システム」を導入していただいたのは全国に保険薬局を事業展開しているアインホールディングス様。アインホールディングス安全対策室に勤める原田未来さんはサービス導入後、社員一人ひとりの分析がしやすくなったと言います。

原田さん 「以前は別のシステムを使っていましたが、起こってしまった事例を分析して次に活かす、という使い方には難しいものがありました。その点、『Safe Masterインシデント管理システム(以下、Safe Master)』の分析機能はかなり細かくできていると思います。さまざまな手法によりミスの原因を分析し、対策の立案まで行なうことができるのです。
また、Safe Masterはアイングループのなかだけで運用できるので、個人情報を入れても外部に漏れる心配はありません。社員一人ひとりがいつどんなミスをしてしまったのかというデータを蓄積していくことによって、運営研修部が指導をするときもそのデータを参照しながら指導できます。導入するメリットは大きかったですね」

Safe Masterは、全国500カ所以上の病院が導入している実績のあるシステムです。もともとは病院で使われていて、保険薬局向けにそのようなシステムがあったわけではありません。アインホールディングス安全対策室の高谷浩之さんは、導入・開発にあたって病院におけるヒヤリ・ハット事例をどう保険薬局向けにカスタマイズするかに注力していました。

高谷さん 「弊社の要望を反映してもらったうえで現場の薬剤師が使い、そこからの意見を吸い上げながらシステムをカスタマイズ化していただきました。業務の負担が増えないよう、ラジオボタンでの選択肢を増やすなど画面遷移と入力のしやすさにはかなりこだわりました。
記入する段階では、起こった原因などの項目をいくつかの選択肢から絞り込んでいくので、速報だけであれば10分もかからないはずです。起こった事例はすべて報告・蓄積する、という風土を貫くためにも簡単で便利であることは大切です。
私たちの案だけではなく現場の声を取り入れていただいたかいあってか、使い勝手のよいものになり、現場の混乱もなくスムーズに導入できました」

状況をリアルタイムに細かく把握。危機管理の意識がグッと向上した!

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▲アインホールディングス運営研修部の久住茂さん(左)、月岡良太さん(右)

アインホールディングス運営研修部に所属している久住茂さん。サービスを導入した当初は新しいシステムということもあり、抵抗を感じていました。

久住さん 「私自身、Safe Masterが導入されたときはちょうど店舗勤務でした。新しいシステムでの入力作業に最初は抵抗もあり、面倒くささも正直ありました(笑)。
誤解を恐れずに言えば、ヒヤリ・ハットの報告などは、保険薬局で働く人間にとってやりたくないものです。ただ、患者さまのことを考えるとやるべきですし、やることで事故やミスを減らせるという意識は常に持っています」

Safe Masterは、個人がどの業務でミスをしたのかに加え、何が原因か、自分がどう考えたかといった部分を細かく登録できるようになっています。久住さんは、業務の振り返り以外にもサービスの利用の幅も広がったと語ります。

久住さん 「サービス導入を通じて自己分析などもできるようになりました。さらに、研修を行なう前には、私たち運営研修部のスタッフがそのデータにすべて目を通すことで、ミスの原因はもちろん、そのスタッフが何をどこまで理解しているのかといった一歩踏み込んだ部分まで考えていけるようになりました」

各店舗にいる薬剤師や事務スタッフを個人単位で、容易に絞り込みができるSafe Master。ミスの原因を細かく分析することが非常に大切だと、久住さんは続けます。

久住さん 「ミスの原因についても、たとえば『集中できていなかった』、『寝不足だった』ということがあれば、責任者が業務改善のフィードバックをするうえで非常に役に立つ情報になると思います。単純に『この業務でミスを犯しました』で終わってしまうシステムでは意味がありませんから」

会社を次のステップへ――一人ひとりにあった指導を可能にしていく

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▲セーフマスターを利用して画面入力している様子

ヒヤリ・ハットが起きてしまった場合、真っ先に患者さまへの対応、そして会社に一報を入れ、その後データとして登録しなければいけません。個別の振り返りをしっかりと行ない、自分自身の中で答えを出していただくことが、業務改善、ひいては患者さまのためになると、久住さんは信じています。

久住さん「アインホールディングスでは、ミスをしたら自ら振り返りを行なって記録を書かなければいけないというルールが明確になっています。以前よりもしっかり自分のミスを振り返ることができるので、現場の意識改革にはつながっていることでしょう。だからといって、ミスがいきなり激減するというわけではないことも理解しています。そのあたりは会社にとって永遠の課題です。」

ルールが明確になったこともあり、ここのレベルアップを図りたいといった背景があり、最近では、店舗へ直接指導に行って個別に対応する機会が増えてきました。

そんな中で、運営研修部の月岡良太さんは、会社全体の姿勢にも変化を感じていました。

月岡さん 「店舗へ個別指導に行く機会は増えてきています。Safe Masterを導入する前は、具体的に何か施策を個別にやっていたわけではありませんでした。
初めは、店舗に対してこういうことが発生したので、会社のルールを改めましょうといった全体通知が多かったです。その後、システムを導入したと同時にルールばかり増やしても仕方がないので、ルールをきちんと決めたうえで個別に対応していくべきだ、という考え方に会社全体が変わってきました。いまは第2ステップの時期に入ったと思っています」

会社が成長したからこそ、個別での指導が必要になったと語る月岡さん。薬剤師一人ひとり指摘する場所はそれぞれ異なっていると言います。

月岡さん 「たとえば、モノを鑑査するところで間違いやすいスタッフがいたらそこを重点的に指導するべきですし、記載事項の照合作業でミスをしやすいスタッフがいればそこをどう訓練していくのか考える必要がある。一人ひとりの薬剤師に合わせて指導できるようになったことはよかったかなと思っています。
ただ、いきなり全店舗に私たちが赴いて研修をするのは無理があります。優先順位の高いところから、久住さんと私で全国の店舗をまわっています。地道な草の根活動ですね」

ミスを減らし、仕事の精度&効率をアップするために今後すべきこと

Safe Masterを2015年に導入してから3年ほどが経つアインホールディングス様。月岡さんは、よりサービス導入の成果を生み出すために、今後どのようなことをしていくのでしょうか。

月岡さん 「集めたデータをどのように分析して使っていくかが今後の課題です。分析メニューを使いこなすのはなかなか難しいものです。そこを使いこなせるようになるとより大きな成果が出てくるのかなと思います。
労働災害における経験則のひとつに1:29:300の法則があります。これは1件の重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというものです。人間のやることなので、ミスをいきなりゼロにすることは難しい。
だからこそ、こういったシステムを導入し分析をすることで、個々の指導をコツコツ積み上げていくしかないと思っています。そのためのデータ有効活用です」

データの有効活用によって、少しずつノウハウを積み上げることを目指している、アインホールディングス様。今後はいろいろなところから積極的にノウハウを取り入れていきたいと、高谷さんは言います。

高谷さん 「会社としては、限りなくミスをゼロに近くしていくことを目指したいと考えています。そのうえでSafe Masterをいかに有効活用していくのか、まだまだ可能性はあると思います。まだ弊社しか使っていないこともあり、私たちの事例しかありません。
もしこのシステムが他の会社にも広まっていって、そこではこういう使い方でこんな良い結果が出ましたということであれば、私たちもそのノウハウは積極的に取り入れていきたいです」

保険薬局の医療安全をサポートし、薬剤師と事務スタッフの業務をバックアップするツールとして活用されているSafe Master。

今後もアインホールディングス様からの要望を取り入れつつ、他店舗への展開を目指して付加価値の高いものを提供していきたいと考えています。

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